戦姫絶唱シンフォギア 王を継ぎし者   作:夜叉竜

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 シンフォギア、アニメ始まりましたね。と言っても自分はまだ無印しか見てないし、4期はレンタルされてないしで見てないですが。自分こういうのはきちんと順を追って見ていかないと嫌なタイプなので。一応録画はしているがね。

 とりあえずどうぞ!


1-29

 「ゴジラ………あいつの……本当の名前……?」

 

 クリスは茫然と緑羅を見つめながら呟く。傷の全てが癒え、以前とは違って人間らしい姿になり、その身を普通のシンフォギアのように服と鎧で包んだ姿。そして、びりびりと感じる今までは比べ物にならない圧倒的な覇気。その力も格段に上昇しているだろう。あの竜の頭部を抉り、巨体を倒したのだ。

 翼とクリスも目を見開きながらその姿を見つめている。

 

 「怪獣……王……?いったいどういう……」

 

 翼が緑羅が受け継いだものを口にした瞬間、

 

 「緑羅君!」

 

 響が一気に緑羅の元に向かって飛翔し、翼達も慌ててその後に続く。緑羅は3人に目を向けると軽く片手を上げる。

 

 「おう、3人とも。ごめんね、迷惑かけて」

 「迷惑ってそんな……」

 「体は大丈夫なの?」

 

 翼が問うと緑羅は見ての通り、と言わんばかりに手を広げる。その体には傷なんてどこにも存在していない。

 

 「治ったのかよ……あの重傷が……どんな再生力だよ……」

 「それ、君たちも大概だと思うけどね……」

 

 緑羅の苦笑交じりの言葉に響たちは一斉に首を横に振る。まるでお前ほどじゃないと言わんばかりに。

 緑羅は小さく目を細めるとガントレットを動かして構える。

 

 「まあ、見ての通り、体は全快だし、能力も全開だ。ここからは俺がやる」

 「俺がやるって……何言ってんだ!あいつは今マジでとんでもない状態なんだぞ!普通にやり合ってもジリ貧だぞ!」

 「そうよ。私たちに考えが……」

 「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 フィーネが叫ぶと当時に竜の頭部が修復され、背中の翼から無数のレーザーが放たれる。

 響たちが慌ててレーザーを防御しようとするが、その前に緑羅が動く。ガントレットを無造作に振るった瞬間、

 

 -赫衝絶破ー

 

 響たちの前に赤い炎の壁が屹立する。その炎が全てのレーザーを防ぐが、それだけではない。レーザーが直撃した瞬間、壁から炎が竜目掛けて吐き出され、次々と直撃し、その身を焼く。

 

 「カウンターだと!?ちょこざいなぁ!」

 

 フィーネの声と共に竜が焼かれながら身を起こし、頭部を光らせ、レーザーを放つ。

 レーザーは炎の壁に直撃すると凄まじい衝撃波を放たれ、それによってカウンターの炎を吹き飛ばし、そしてそのまま炎をぶち破る。

 緑羅は即座にスラスターをふかしてレーザーを回避するが、停止した瞬間にバランスを崩したように体制を崩す。

 そこを逃さず再びフィーネが翼からおびただしい量のレーザーを一斉に放つ。

 緑羅は即座に両ガントレットを開くとそこに巨大な火球を形成し、片側で崩炎を繰り出す。炎と衝撃波がレーザーを吹き飛ばすが、他のレーザーが緑羅に襲い掛かる。だが、緑羅はもう片方から崩炎を放ち、吹き飛ばし、その間に再び火球を形成。

 

 -崩炎連獄ー

 

 そのまま緑羅はまるで連続で崩炎を繰り出し、レーザーを全て撃ち落とす。

 

 「ぬぅぅぅ!ならばこれだ!」

 

 フィーネが繰り出した次の手、それはおびただしい量のノイズの召喚。無数のノイズが緑羅達を取り囲み、響たちは大きく息をのむ。だが、緑羅の目には怯えも驚愕もない。

 

 「……やっぱり空中はやりにくくてしょうがない」

 

 そう言うと緑羅はスラスターをふかして地上に降り立ち、響たちの方に視線を向ける。

 

 「3人は空を頼む!地上とフィーネは俺がやる」

 「なっ!?何言ってる緑羅君!」

 「そうだ!いくらなんでもそれは……!」

 

 響と翼が声を荒げるが、緑羅はガントレットに火球を作り、それと同時にパイルを光らせながら引き絞り、

 

 ー死崩葬炎ー

 

 パイルが開放されるとそれは火球を貫き、爆発。直線状に炎と衝撃波が放たれる。それはもはや砲撃と言っても過言ではなく、解き放たれた砲撃は射線上のノイズを残らず焼き払って吹き飛ばし、その余波でさらに大量のノイズを薙ぎ払う。

 

 「いいからやれ!」

 

 それだけを言うと緑羅はフィーネ目掛けて走り出すが、それを妨害しようとノイズが一斉に緑羅に襲い掛かる。それはもはやノイズの津波のと言っても過言ではない物量だが、緑羅は次々と炎を繰り出してその波を焼き払う。

 

 「ああ、クソ!あいつは勝手に!」

 「仕方ないわ。あの火力なら滅多なことは起こらないでしょうし……でも、ネフシュタンの鎧の再生力とあの物量を考えると……やはりあの作戦でなければ……立花!空中は私と雪音の二人で押さえる。貴女は五条緑羅と合流して彼を援護してあの作戦を伝えて!」

 「え!?え、ええっと……はい!」

 

 響は大きく頷くと即座に緑羅の元に向かって飛翔する。その響目掛けて無数のノイズが一斉に襲い掛かるが、クリスが無数のレーザーを放ち、翼が蒼ノ一閃を放ってノイズを吹き飛ばし、道を切り開く。その間に響は緑羅の元にたどり着くと、背後から迫っていたノイズを殴り飛ばし、着地する。

 

 「緑羅君!」

 「響!?いったい何しに……」

 「緑羅君!了子さんはこのままじゃ倒せない!何とかする方法があるの!」

 「何とかって……死ぬまで殺せばいいんじゃないのか!?」

 「違うよ!なんでそんな怖い事平然と言うの!?」

 

 響が文句を言うと同時に緑羅は響の後ろに向けて熱線を放ち、ノイズを焼き払い、響は緑羅の後ろに回り込み、ノイズを蹴り飛ばす。

 緑羅はフィーネの方に体を向けると、右手の顎をフィーネに突きつける。そして背びれがスパークした瞬間、顎から熱線が放たれる。

 それは進路上のノイズを焼き払いながら竜に襲い掛かるが竜は即座に頭部からレーザーを放ち、熱線を相殺。周囲に衝撃波が吹き荒れ、ノイズを吹き飛ばす。

 

 「無駄だ!いまさらその程度の攻撃で……!?」

 

 フィーネが叫んだ瞬間、相殺によって発生した煙が晴れ、その先には左のガントレットも顎に変え、背びれを激しくスパークさせている緑羅がいた。

 

 「ならこれはどうだ」

 

 そう言った瞬間、左の顎から螺旋を描く巨大な熱線が解き放たれる。

 フィーネは即座に自分を守る様に壁を展開する。熱線はそのまま竜に直撃、するとすさまじい爆発と共に爆炎が吹き上がり、竜の胴体をごっそりと抉り取り、焼き払う。

 その光景に翼達は驚愕に目を見開く。だが、その傷も見る見るうちに塞がっていき、緑羅は忌々しげに舌打ちをする。

 

 「無駄だ。いかにお前と言えどもこれが限界だ!」

 「確かに……このままだと殺しきるのに時間がかかるか……」

 

 むろん負けるつもりはないが、長引かせて未来たちに被害が及んでは意味がない。

 緑羅は竜が放つレーザーを弾きながら響に問いかける。

 

 「どうするつもり!?」

 「え!?」

 「アイツを倒す作戦!早く聞かせろ!」

 「う、うん!それは……」

 

 響は緑羅に自分たちの作戦の概要を説明するが、それを聞いた緑羅は顔をしかめる。

 

 「それ……本気かよ……」

 「う、うん……」

 「……響、それ、成功させる自信あるの?」

 

 緑羅はレーザーとノイズをさばきながら響に問いかける。はっきり言えば緑羅からすればその作戦は失敗の可能性のほうが高い。もしも失敗すればどうなるか……だったらむしろ自分が要の部分を担当したほうがいいのでは、とすら思っている。

 響は一瞬声を上げるのをためらうように体を震わせるが、すぐに緑羅の背中を見つめながら口を開く。

 

 「……緑羅君が一緒なら……」

 「え?」

 「緑羅君が一緒なら、絶対に大丈夫!」

 

 響は確信をもって振り返った緑羅の目を見つめる。その目を見た緑羅は小さく唸り声を漏らし、

 

 「………分かった。そこまで言うなら信じるよ」

 「うん!」

 

 緑羅は即座に右手のガントレットを掲げて火球を形成し、打ち上げ、左のガントレットにも火球を形成し、

 

 「風鳴翼!クリス!巻き込まれるなよ!」

 

 そう言うと同時に緑羅は左の火球を上空の火球目掛けて打ち上げる。

 翼とクリスが即座に離脱した瞬間、火球と火球が激突し、

 

 ー惨火崩炎ー

 

 轟音と共に爆ぜ、惨火よりも広範囲に炎がまさに豪雨として地上のノイズに降り注ぎ、空中のノイズたちは炎を避けるように動く。

 それによってできた穴をクリスが飛び込み、その背後で翼が剣を大剣に変化させて振りかぶり、

 

 「はぁぁぁぁぁ!」

 

 ー蒼ノ一閃 滅破ー

 

 振り下ろすと同時に巨大な斬撃を竜に放つ。クリスは即座にその射線上から退避する。

 斬撃はノイズを吹き飛ばしながら竜に襲い掛かるが竜は即座にフィーネを守る様に壁を展開する。

 斬撃が直撃すると、先ほどの熱線には大きく劣るが竜の胴体を抉る。だが、その傷も即座に塞がっていく。

 だが、完全に塞がる前にクリスが穴に飛び込み、竜の内部、フィーネがいる場所に潜り込む。

 

 「なっ!?」

 

 フィーネが驚愕に目を見開く中、クリスはユニットから無数の砲門を展開させ、

 

 「吹っ飛べぇ!」

 

 -ETERNAL SABBATHー

 

 一斉にレーザーを放つ。それは容赦なく密閉空間内部で炸裂し、蹂躙していく。

 フィーネはたまらずに壁を開くが、それと同時にフィーネの目に飛び込んだのは大剣を大上段に構えている翼だった。

 

 ー蒼ノ一閃ー

 

 そして繰り出された青い斬撃。フィーネはとっさに障壁を展開するが、直撃と同時に轟音が轟き、爆炎が広がる。その爆炎の中から飛び出してきたものがある。それはフィーネが握っていたデュランダルだ。

 

 「それが切り札よ!勝機を零さないで、掴み取りなさい!」

 

 緑羅は即座にガントレットの拳を射出。一直線に放たれた拳はそのままデュランダルを掴み上げると、勢いよくワイヤーを巻き上げ、

 

 「響!」

 

 響の元に投げる。

 響はそのままデュランダルを掴み上げる。

 

 「デュランダルを……!?」

 

 だが、響がデュランダルを掴んだ瞬間、周囲に黄金の波動が放たれるが、それに反するように響の体が黒く染まり始め、目が赤く光っていく。

 

 「全く……世話が焼けるなぁ……」

 

 そう言うと緑羅は即座にスラスターをふかして響の元に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュランダルを掴んだ瞬間、響をあの破壊衝動が飲み込もうとする。響は必死にそれに抗おうとするが、破壊衝動は容赦なく響に襲い掛かる。

 響の顔が元に戻ろうとするが、黒い物は容赦なく響を飲み込もうとする。が、

 

 「ほら、響。あんな啖呵切ったのに飲まれてどうするのさ」

 

 そう言うと緑羅が響の後ろからガントレットを消した右手を伸ばして響の手を握る。

 その瞬間、黒い物の浸食が収まり、響はゆっくりと後ろに視線を向ける。そこには呆れたような笑みを浮かべた緑羅がいた。そして緑羅に握られた手から一気に黒いものが打ち消されていく。

 

 (ああ、温かいなぁ……緑羅君の手……)

 

 響が感じるのは変異していた時よりも温かい人肌のぬくもり。それが添えられているだけであの破壊衝動が消えていく。緑羅が抑えているのもあるのだろうか……いや、この温もりが破壊衝動の中で響に確かな光をもたらしている。だから響は飲まれない。自分を見失わない。

 

 「それに、そんな姿で未来たちに会いに行くつもりか?今だってみんな、君を信じてると思うよ?」

 

 その言葉に響は小さく体を震わせる。ああ、そうだ。未来たちはきっと、今も自分たちを信じているはずだ。あの時に聞こえてきた歌……そこに込められていた思い……それを裏切るわけにはいかない。

 

 「……うん、ごめん、緑羅君」

 

 黒いものが完全に消え去った響が謝ると、緑羅は小さく笑みを浮かべてフィーネに目を向ける。

 

 「やるよ」

 「うん!」

 「姦しい!黙らせてやる!」

 

 フィーネが叫ぶと同時に竜が無数のレーザーを、残ったノイズが一斉に襲い掛かる。だが、それを翼とクリスが切り裂き、撃ち落とす。

 

 「行きなさい、響」

 「決めろ、緑羅!」

 

 その言葉に後押しされるように二人は共にデュランダルを振り上げる。それと同時に青白い爆炎を纏った天を貫くような黄金の光が立ち上る。

 

 「その力……何を束ねた!?」

 

 それに対し、緑羅は静かに返す。

 

 「さあ……あの世で考えな」

 

 ーSynchrogazer Brazeー

 

 二人が同時にデュランダルを振り下ろし、黄金と青白い炎の刃が竜を深々と切り裂き、それと同時に竜の体が一気に崩壊を始める。

 

 「完全聖遺物同士の対消滅……っ!」

 

 無限の再生力を持つネフシュタンの鎧と無尽のエネルギーを生み出すデュランダル。この二つが激突し、互いにその特性を喰い合い、対消滅を起こし、崩れていく。

 

 「どうしたネフシュタン!? 再生だっ! この身、砕けてなるものかぁぁぁぁぁ!!」

 

 フィーネが叫ぶが崩壊は止まらない。

 そして、限界を迎えたように竜の体は轟音と共に爆発し、跡形もなく吹き飛ばされる。




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