「お、そういえば今日誕生日じゃん」
転生して6年経ち、子供での生活に慣れてきたこの頃。
あ、どうもどうも、宏です。
今は季節は春。幼稚園でも年長組に入り、
来年にはランドセルを背負う予定です。鬱だわぁ・・・。
ここ光が丘は2年前のテロ(寝ていたので知らない)だか
何だかで、隣人もかなり引っ越してしまった。
まぁ、家で引きこもってゲームしてるか、
修行がてら走りつつ、いいポジションを見つければ写真を撮る
の2択だから友達とかいないんだけどねー。
え?ボッチ?
いやさー、この年代の子供って何かあればとりあえずウ○コ連呼
するじゃん?流石に精神年齢20超えてくると「ウ○ンコウン○コ」
狂ったようにはしゃぎまくる子供に付いて行けないんだよ。
なんで子供ってあんなにウンコが好きなのか・・・。
汚い話は置いてといて、鍛錬してたら走る速度だけは相当上がった。
この2年間毎日毎日走ってたら、100mを10秒切るようになった。
やばいよね、6歳児が日本記録塗り替えるんだから。
しかもまだまだ早くなってるし・・・。
そしてこの体、走るスタミナがほぼ無限という素敵仕様。
10㎞を全力疾走してもまだ走れる余力があるが、
次の日筋肉痛で全く動けなくなる。
チートなんだからもっと万能にしてよ神様・・・。
そして重大な問題がある。脚力以外の力だ。
正直な話モヤシもびっくりの力の無さである。
男子と喧嘩してボッコボコにされるのはいつもの事。
女子にもボコボコにされ、あまつさえ野良ネコにすら
負けるという快挙を成し遂げてしまった。
・・・・・・。
オィイイ!?神様!?明らかにアンバランスすぎるだろこれ!
女子にボッコボコにされるのはまだいい!軽くトラウマだけど!
だけど野良ネコのにすら負けるってどういう事だよ!?
蹴りの威力は凄まじいけど、子供とか猫にやるほど腐って無い。
というか、蹴ったらやばい事になるので封印している。
そのため取っ組み合いになるわけだがこれが強いのなんのって。
子供が室伏に見えるのよ、生きるチートの。
本当にアンバランスすぎるわ・・・。
そういえば、2年前の光ヶ丘テロ事件からたまに見たことも無い
ナマモノを見かける様になった。写真に写らないから恐らく
悪霊かなんかの一種だろう。些細な問題である。
閑話休題
今日は俺の誕生日だからか、両親達が早くに帰ってきた。
やはり誕生日を祝ってもらうというのは嬉しいものである。
精神が体に引っ張られているのかな?なんかそういう感じの話を、
どっかの豆粒ニーサンの漫画で言ってた気がするし。
あれ?意味違ったっけ?
「宏ー!今日はお母さんがご飯作るからお風呂は行ってきちゃいなさーい!」
「おぉ、宏。久々に一緒に風呂に入るか!」
「おー!入るー!」
今日は久々に親子水入らずで団らんができそうである。
風呂から上がり夕食を取る。時刻は7時、ゴールデンタイムである。
献立は結構普通だけど、大好物のから揚げが有るので俺的にはかなりグッドだ。
母さんも憎い事してくれるぜ。
「あぁ、そうだ宏」
「ん?何?」
これは誕生日プレゼントを渡す前振りか?よろしい、ならばプレゼントを謹んで承ろうじゃないか。
「明日、引っ越すから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
第3話 お台場へGO!
空気が完全に凍りついたのを感じたのは、恐らく前世を含めて初である。
20秒間たっぷり固まった後、ようやく頭を再起動する事が出来た。
「え?いや?え?ちょまっ!なんで!?」
父から出た言葉は予想を斜め上行くどころか、上すぎて宇宙に行ってるレベルだった。
「いやな、父さんたちの働いてるフ○テレビもお台場に引っ越したからな。
流石に面倒でな?お台場の団地に空きがあるみたいだからせっかくだし引っ越そうかと思ってなー」
「ねー」
「ねー、じゃねえ!いつから決まってたんだよ!?つか何で言わなかったの!?
明日とかまだ何にも荷造りしてねえじゃねえか!」
「これからやるから大丈夫よー。あ、そうだ。引っ越し業者は明日の昼2時に来るわよ、それまでに荷物纏めておいてね」
「大丈夫な要素これっぽっちもねえじゃねえか!?明日の2時とか後19時間しかないし!」
「大丈夫だ、問題ない」
「死亡フラグじゃねえか!?」
くそう!楽天的すぎるだろこの両親!というか・・・
「この町に住むのが使命とかそういうのはどうしたんだよ!?
2年前のテロの時も「ここに住むのが住み続ける必要があるんだ・・・ッ!」
とかなんとか言ってたじゃねえか!」
「私達もあの頃は若かったんだよ・・・。ぶっちゃけ仕事場が近い方がいいしなー」
親をぶっ飛ばしたいとここまで思ったのは、今にも先にもこれが初である。
「ほら、さっさと食べて荷造り始めるわよー。時間もないんだからね!」
「そうだぞ、こんな無駄話してる暇は無いんだから早く食べなさい!」
「なんで俺が怒られてんの!?つか、だったらもっと先に言えやあああああああああ!!!」
その後、両親はものの2時間で荷造りを終わらせていた。
どうやら事前に大部分の整理は終わらせていたようである。
「これからやる」とか・・・何自分達だけ計画的に事を進めてるんだよ・・・。
俺の方は当然の如く、突然の引っ越しラブコールに焦りに焦った。
カメラ、写真、服、ゲーム等全くに持つの整理をしていないからだ。
さらに付け加えるならば大人から見るとたいした量ではないが、
いかんせんこちとらこの貧弱ボディ。
PS3を一人で持つと、この白くしなやかな上腕二頭筋が悲鳴を上げるんだ。
付け加えるならば、荷物をつめたダンボールを移動させる事が出来ないというのも、
大きな敗因だった。
あまりに重労働すぎたので、荷造りが終わってリビングで寛いでいる両親に救援を求めた所、
「自分の事は自分でやらないとまともな人間になれないぞ!」
と拒否の構えを取ってきた。
思わず父親の顔面に蹴りを入れてしまった俺は悪く無いと思いたい。
結局一人で荷造りを夜通し行い、何とか2時までに全ての荷造りを終える事ができた。
疲労困憊と睡眠不足で死んでる俺は、父さんに車の後部座席に放り込まれてお台場に向かった。
父親に放り込まれて。大事な事なので2回言いました。
ニャロウ・・・後で覚えてろよ・・・。
お台場の新しい住居であるマンションについた俺達は、休む間もなく荷解きをした。
夜通し荷造りしたのに荷解きとか。完璧2徹コースじゃないですかヤダー。
とりあえずゲームだけの位置を決めて、後の物は未来に自分に期待する事にした。
もう無理、マジ無理、ホント無理。体力が限界なの。
フローリングで良いからもう寝たい。
つかもう寝よう。お休みなさい。
「ほら!宏起きなさい!挨拶廻りに行くわよ!」
フローリングの上で燃え尽きていると、母に起こされてしまった。
「あの・・・母上?挨拶廻りはいいんですが、何故に足で踏んで起こすんです?」
「両腕が塞がっているからよ。いいから早く起きなさい。
もう7時なんだから早くいくわよ!」
「だったら明日で良いじゃないか、俺はもう眠いんですー!」
「ほほう?私たちは明日から普通に仕事なんだけど?
宏が一人で行ってくるって事でいいのね?」
「早く行きましょうお母様、ぜひ今日中に終わらせてしまいましょう」
世界はいつだって、こんなはずじゃない事ばっかりである。
挨拶周りも一通り済んだ。
しかし母上よ。何も上下含めた3フロア全てに挨拶周りしなくても良いのでは?
軽く30世帯挨拶しているんですが。もう最初に行った両隣の人の名前とか覚えてねーよ。
「黒柳さんと志村さんじゃない、あなた頭大丈夫?」
「この後に及んで頭の心配されるとか、もうね」
「最後はここね。・・・八神さんか」
どうでもいいから早く帰って寝たいです。
とりあえずチャイムを鳴らす。
------「はーい、今行きまーす」ーーー
ガチャ
「はい、どちら様ですか?」
出てきたのはボンバーヘッドな小学3,4年の男の子だった。どうやってあの髪型にしてるんだろう?
「初めまして。今日から上の階に引っ越して来た堀口と言います。
お母さんかお父さんはいらっしゃるかしら?」
「あ、はい 少し待っててください」
-------「おーい、母さん。挨拶廻りだってさ」ーーー
「あらあらご丁寧に有難う御座います」
少し待ってお母さんらしき人、光臨。
「初めまして。今日から上の階に引っ越して来た堀口と言います。
これ詰まらない物ですけど・・・」
「あらあら、ご丁寧に有難う御座います。こちらの子はお子さんですか?」
「はい、息子の宏です。ほら宏、挨拶しなさい!」
「そんな急かさんでも・・・。初めまして、堀口宏です。6歳です」
「あらあら、6歳なのにこんなにしっかりしてるなんて。すごいですね」
「むしろませてますけどね。この前だって・・・」
あ、やばい。おばちゃんの井戸端会議が始まった。
俺はもう寝たいのに、何でこんな試練を課すんだ!
30分後
「・・・なんですよー」
「あらあら、そうなんですかー。うちの太一も・・・」
オワラネェ・・・。マズイよ、眠さが限界突破しそう。
でも迂闊に話を切り出すとさらに状態が悪化するかも知れないから、
切り込めない・・・。どうするべきか・・・。
ふと奥を見ると、そこには同い年ぐらいの幼女がこちらの様子を伺っていた。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「さて、じゃあそろそろかえりま・・・何してるの、宏?」
「待った、今話しかけないで。目をそらしたら負けるから」
「は?」
「ヒカリいたの?あなたも挨拶しなさい」
「・・・八神ヒカリです・・・」
ヒカリとやらはそういいつつ、八神さんの影に隠れた。
「勝った・・・。長い戦いだった・・・。
あ、俺は堀口 宏。ヨロシク―」
「何勝ち誇ってるのよ・・・まぁ良いわ。
とりあえず今日はこれで失礼します。また、会った時にお話ししましょう」
「えぇ、ご丁寧に有難う御座いました」
こうして引っ越しは終了し、俺もようやく寝る事が出来た。
明日からまた荷解きかぁ・・・。やだなぁ・・・。
つづく