長野県の山奥にある 旧第四研究所跡に建てられた屋敷の一室に美しい黒髪を持つ美魔女と初老を迎えたであろう執事がいた。
「そういえば、あの子も入学式についた頃かしら。葉山さん。」
部屋の主である美魔女は紅茶を優雅に飲みながら、給仕をする執事に問いかける。
「ええ今頃、監視の任務につかれたものと思われますが。不安な点でもございますか?」
「いいえ、あの子は隠密行動だけなら四葉家屈指の腕前ですし、忠実かつ有能ですからね。心配はしてないわ。ただ、達也さんたちと仲良くできるかしら。」
それを聞いた執事はため息をついた。
「監視役が対象との接触は避けるべきことだと愚考しますが。まさか、彼に与えた任務は建前で別に目的があるので?」
主は十人中十人が見惚れる笑顔を執事に向けながら、
「いいえ、監視が主な目的だわ。でも、どうせなら達也さんたちと親交を深めたほうがもっと面白くなりそうじゃない。」
執事は主に咎めるような目を向ける。
「失礼ながら、達也殿は過去に彼を
主はそれに同意しながらも、確信に満ちた顔に変わった。
「でも彼は達也を無力化できる存在ですもの。達也さんは遅かれ早かれ関係を持たざるを得ないわ。」
同時刻 国立魔法大学付属第一高校
どうもこんにちは。黒子テツヤです。この度、御当主様のご命令により司波兄妹の第一高校内での監視任務に着きました。司波兄妹と面識はあるものの、あまり交流はなく、関係を拗らせないように気をつけながら平穏に任務を遂行するつもりです。ですが、任務の内容は非常に重要なものと自覚しながらも、今、僕は新たな高校生活に心を躍らせております。そして、友達は何人できるかなとか、魔法科高校の学習内容はどのようなものなのかなどと案外普通のことに思いを馳せております。そもそも僕は御当主様である真夜様に育ててもらった恩があり、自らが持つ固有魔法を用いた様々な技能で今まで忠実に四葉の任務をこなしてきました。もちろん、中には諜報活動や決して表にできない行いをした経験があり、死体を見たところでそれほど驚かない自信があります。しかし、僕は倫理観の薄れているわけでもなく、年相応の感性しか持ち合わせておりません。ですから、任務の一貫とはいえ、普通に高校生活を送れると思うとわくわくしてしまいます。だから入学式当日、僕はいつもより早起きをして、予定よりも早く第一高校に到着してしまいました。現在、僕は暇を持て余しており、お気に入りのラノベで時間を潰そうと思います。最近のお気に入りは俺ガイルという小説で主人公の得意技のステルスヒッキーは僕の固有魔法と共通点が多くあり、どこか親近感をもってしまいます。僕が特にお気に入りのシーンは主人公が・・・・・・・・・・
「納得できません。」
「まだ言っているのか……?」
・・・・・・・・・・・・・どうやらお仕事の時間が来たようです。
ステルス系主人公といえば、某千葉のお兄ちゃんが有名ですが、黒子テツヤの方が格上のような気がします。なぜなら、ステルスヒッキーは割とやぶられているように思うからです。