とりあえず、達也との絡みです。( ^ω^)_凵 どうぞ。
「見て、あの子ウィードだわ。」
「こんな朝早くから来るなんて、どうせ補欠なのに。」
一科生の象徴であるエンブレムを胸につけた女生徒二人が嘲るようにベンチに座る達也に向けて言葉の暴力を吐き出してゆく。
別に言われなくてもわかることをわざわざ言ってくるとは、
「想像以上に第一高校は幼稚らしい。」
そんな感想を胸に抱きながら、まだ読み終わっていない魔法論文に目を通して時間を潰す。辺りには誰もいない静かなところだった。
「何の論文を読んでいるんですか。」
不意に達也のベンチの横から質問が飛んできた。達也は一瞬で厳戒態勢を整え、いつでも戦闘可能の状態にする。だが、相手に一撃を加える一歩手前で止まった。
「すいません。驚かすつもりは全くなかったのですが、驚かしてしまいましたね。お久しぶりです。僕のこと覚えていますか。」
そこにいたのは、過去、達也にとって最も警戒し、精霊の目(エレメンタル・サイト)をもってしても居場所を掴ませないどころか、目の前に立っていても認識させない最強の暗殺者もしくは死神がいた。
達也は特殊な目である精霊の目(エレメンタル・サイト)を保有し、イデアに直接アクセスすることで障害物に左右されることなく存在を知覚したり、情報の塊である起動式や魔法式を瞬時に解読することが可能である。そんな達也にとって黒子テツヤは視えるはずのものが視えず、不意をつかれたら為すすべなく暗殺されてしまうと確信がもてる恐怖に近い存在である。そんな存在が今、自分の目の前にいることに鳥肌が立つ思いである。
そんなことを露程も知らないテツヤはのんきに達也に話しかける。
「まさかこんなに早く達也さんと会うとは思っていませんでした。お元気でしたか?」
達也はそんなことよりも、どうしても黒子テツヤに言いたいことがあった。
「なぜ、ここにいる。いや、問いかけるまでもないか、俺たちの監視が目的か。」
テツヤはばつが悪そうにしながら、
「いえいえ、全ては深雪お嬢様の警護のためですよ。いくら達也さんでも守護者(ガーディアン)の職務を完璧にこなすのは難しいでしょう。御当主様がご好意で僕を派遣したんです。」
「どうだかな、嘘は言ってないにしてもそれが全てというはずはあるまい。」
達也は心底嫌そうな声で吐き捨てるように言った。
「少なくても、僕はそう
しばしの沈黙の中テツヤは自分に対して達也が冷たいことに困惑していた。確かに自分と関わりはそれほど多くない。しかし、ここまで嫌われているとは思っていなかった。・・・僕ナニカしましたか・・・テツヤの苦悩は続く。
しかし、静寂は長くは続かない。凛とした声があたりに響く。
「新入生ですね。会場の時間ですよ。」
達也は急に声をかけられて目を向けると、やや小柄でフワフワとした巻き髪黒髪ロングの女子生徒がいた。彼女の左腕にはCADが巻かれており、胸にエンブレムが付けられていた。これらのことから達也は瞬時にCADの携帯が認められている生徒会役員かそれに準ずる特定の委員会の者と判断した。
「ありがとうございます。すぐ行きます。」
達也は礼儀正しく腰を曲げてお礼をいい、立ち去ろうと試みた。
「感心ですね。スクリーン型ですか。」
だが、彼女はお喋りな性格なのか、達也を離さない。
「当校では仮想型ディスプレイ端末の持ち込みを認めていません。ですが、仮想型端末を利用する生徒は大勢います。ですがあなたは入学前からスクリーン型を利用しているんですね。」
「仮想型は読書に不向きですから。」
達也は早いところ離れたかった。しかし、彼女は達也を解放するつもりは無いようだ。
「動画ではなく読書ですか、ますます感心ですね。私も映像資料より書籍資料の方が好きだから嬉しくなるわね。」
「はぁ・・・・・・」
そのとき達也は違和感に気づいた。・・・・黒子テツヤはどこに行った?達也は精霊の目を駆使してすばやく探した。すると、黒子テツヤは相も変わらずさっきと同様に自分の隣にいることがわかった。驚くべきことに黒子テツヤはほとんど魔法的能力を使うことなく、自分や目の前の彼女に気づかれないほど存在を薄くしていた。達也は隣の男の化物具合に絶句した。
テツヤと達也の認識に差があるように書く事を重視しました。
このままだと、敵対ルートに入りそうです。大丈夫かな。
~前日談~
「真夜様お呼びですか。」
部屋の主は笑顔を訪問者に向けながら、何やら紙の資料を手渡す。
「ここに任務のことが書かれているわ。よく読んでおいてね。」
「なるほど、司波兄妹に関するものですか。承りました。」
訪問者は部屋を出て行く。しかし、主は呼び止めた。
「深雪さんの護衛もおねがいね。達也さん一人で大変でしょうから。」
「了解しました。」