うまく表現できたかわかりませんが頑張って書きました。
~回想中~
「調査資料にあった第一高校の主だった役員の写真のなかでを拝見したことはありますけど、実物は想像以上に美人さんでしたね。これからの学校生活にいい目の保養になりそうです。そう思いませんか、達也さん?」
達也は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、問いかけた。
「どういうつもりだ。なぜ姿を消した。」
テツヤは目を丸くした。しばしの沈黙の後、ゆっくりと話し始めた。
「・・・不愉快にさせたことは謝ります。ですが、なぜかと聞かれましても、僕はただじっとしていただけとしか答えようがありません。」
「そういうことを聞いているのではな・・・・」
達也の言葉を遮るようにテツヤは言う。
「僕は影だ・・・でも影は光が強いほど濃くなり光の白さを際立たせる。ならば、お互いの光の強さに目が眩み、影を薄れさせることは必然といえます。」
達也は熟慮の末に口を開く。
「つまり、お前は俺と七草先輩が互いの光で目が眩んだと言いたいのか。・・・まさか、俺はどちらかといえば影に属する人間だとおもうが。」
「本当にそうでしょうか。僕から見たら達也さんは輝いてみえますし、あの生徒会長もあなた目当てにやって来たとしか思えませんよ。あと、『お前』は好きでありません。これからはテツヤと呼んで欲しいです。僕も達也くんと改めますから。あっ、そろそろ講堂に急ぎましょう。」
~回想終了~
「いかがなさいましたか?お兄様。」
「いや、ちょっと考え事をしていただけだよ。」
達也は躊躇いがちに深雪に問いかける。
「深雪・・・俺は輝いている・・・のか?」
「はい! お兄様誰よりも輝き、誰よりも美しい存在です!!」
深雪は当然のことのように矢継ぎ早に答える。
達也は妹の発言に一瞬でトリップしかけた。だが、持ち前の能力を駆使してもちなおす。
「いやいや、輝く云々は百歩譲るとしても、俺が美しいとは言えないだろう。せいぜい中の上程度の容姿だとおもうぞ。」
「何をおっしゃっているのですか!お兄様は頭脳明晰、容姿端麗、完璧なこの世に二人といない人ですわ!そもそも、お兄様は自己評価が低すぎるのです。自分がどれだけ周りに影響を及ぼしているか知るべきです。お兄様は本来もっと多くの人の前にでて、自己主張すべきなのです。ですから・・・・・・・・クドクドクドクド・・・」
そのとき達也は迂闊な発言をしてしまったと悔やんだ。
<しばし中断>
・・・疲れた・・・
ただ、達也はそうとしか思えなかった。別に達也は深雪との会話が嫌いというわけではない。むしろ、達也は深雪と触れ合える貴重な時間を大切にしている。しかし、いくら達也でもひたすら自分に美辞麗句、賛美する言葉をかけられる抗体を持ち合わせていなかった。6歳のときに『人工魔法師実験』の被験者にされた達也は魔法力と引き換えに激しい情動を奪われものの、鋼の精神も同時に手に入れた。にもかかわらず、深雪の言葉は容易く達也の精神をこえてくるようだ。
「それはそうといかがなされたのです。そのようなご質問をなされるとは。」
「いや、ちょっと黒子に言われてね。」
深雪は目を見張った。
「お会いになられたのですか?・・もしかして、第一高校に。」
「そうだ、入学している。・・深雪は黒子をどう思う。」
深雪はしばらく考えた末に答える。
「あまり話したことはございませんのではっきりとしたことは何とも言えません。ですが、そんなに悪い人に思えません。礼儀正しく丁寧な言葉を使いますし、そしてなによりお兄様に敬意をもって接しておられます。・・・・まぁ、最初は影の薄さに驚きましたが。」
深雪の印象を聞いて、自分とそれほど認識に差がないことを確かめた。実のところ達也はテツヤを嫌っていなかった。ただ一点を除けば・・・。テツヤの持つ固有魔法は達也の精霊の目をくぐり抜ける。たとえ気づけたとしても、気づいた頃には手遅れになる、達也はそのように分析していた。テツヤは迷彩という技術を編み出し、最小限の魔法力で最大限の効果を得ることができる。この技術は敵に魔法の発動を感知させないこととサイオンの節約による継戦能力の向上を目的とし、達也でも使うことができる。
しかし、テツヤは迷彩に加えて自らの固有魔法を用いることで、誰も気づかれることなく結果だけを残すことを可能としている。つまり、達也はテツヤを止められないということになる。
本当のことをいえば、別に達也は命が惜しいわけではない。もちろん、生物である以上最低限度の生存本能はあるし、自殺願望があるわけではない。だが、いざとなれば、命を晒しても惜しくないと考えている。その数少ない機会は妹である深雪に命の危機が訪れた時である。
達也は6歳のときの『人工魔法師実験』により数多くの感情を失った。しかし、たった一つだけ本物の感情が残された。・・・それは深雪への愛情である。よって、達也は深雪を守る気持ちは誰よりも強く、誰にも譲るつもりはない。だが、もしテツヤが深雪に危害を加えようとしたとき自分に止めることが果たしてできるのだろうか。その一点が達也の心を蝕んでゆく。今、この瞬間にもテツヤの刃が深雪を貫こうとしても達也には何も止めるすべがない。達也がテツヤを恐怖する理由はその一点である。
他の黒子のバスケメンバーを出したら話がうまくまとまるか非常に疑問です。たとえ出たとしてもチラッとしか出さない気がします。あくまで、魔法科高校よりの話を心がけています。