「・・・ブランシュですか。僕もそれほど詳しく知っているわけではありませんが名前は知っています。」
テツヤは入学式を終えたあと普通に家に帰っていた。どこぞのトラブルを引き寄せるお兄様とは一線を画するトラブルスルースキルをテツヤは保持しているためとくに巻き込まれなかった 。もちろん監視の一貫として絡まれていることを遠目で確認してはいたが、自分が行ったところで何の役にも立たないことをテツヤは知っている。それにすぐ解放された様子であったので放置したまま帰宅した。部屋でくつろいでいると御当主四葉真夜からテレビ電話による連絡があった。
「それで僕にブランシュの情報を探れということでしょうか?」
「いいえ、あまり大きく動けないから放置でかまわないわ。確かにあなただったらブランシュの本拠地に潜入するどころか、重要人物をあっさり始末できるでしょうね。でも、第一高校には七草と十文字の直系が通っているわ。彼らにあなたの存在を知られたくないのよ。それに東京は四葉の守護地というわけでもないしね。本来なら七草がどうにかすべきなのになにをやっているのかしら、弘一さんは。」
テツヤはじっと真夜の話を聞いていた。すると、おもむろにテツヤは口を開く。
「しかし、多少のリスクを負ってでも干渉すべき案件だと思うのですが。第一高校には同じく深雪お嬢様もいらっしゃいますし、お嬢様に危険があると達也くんが判断したならば暴走する可能性があります。」
「でも、
真夜わざとらしく頬に手を当てる。しばしの間沈黙が続く、
「ならば僕が独自で動くぶんにはかまいませんか?」
テツヤは何か決意したかのようだった。
「あら、四葉の助力なしで本当に大丈夫なのかしら。本当の本当に手助けできないのよ。」
「心配いりません。今回の件は僕だけで解決してみせます。それに手がないわけではありませんし。ただ、達也くんに情報提供してもよろしいでしょうか。」
「本件に四葉は何ら関係ありません。あなたが見つけた情報はあなたのものよ。だから、自由にしていいわ。」
真夜は先程の会話を断ち切るように切り出した。
「それはそうと入学式はどうでしたか。友達できそうかしら。可愛い子いましたか。」
真夜はとても興味津々にテツヤに尋ねる。
「そうですね。入学式では深雪お嬢様の答辞を拝見しましたが、立派にその役をこなしておられました。深雪お嬢様のお顔をみるのは久しぶりでした。昔から人形のように美しかったですが、美貌に磨きがさらに掛かっておいでですね。とってもびっくりしました。」
「そういうことを聞きたかったわけではないのだけど、テツヤは深雪さんが好みのタイプなのですね。深雪さんは
真夜はどこか不機嫌になりながらそう言った。
「そうですね。深雪さんは僕の好きな顔です。深雪さんは真夜様によく似ておいでですから。」
テツヤは何でもないかのように真夜に伝える。真夜は一瞬で顔を紅潮させテツヤに知られないように誤魔化すのに苦労した。
その後、真夜はテツヤにいくつか質問し、学校生活について興味深そうに耳を傾けた。まるで
~某高級マンションの一室~
「君は相変わらず人の都合を無視するのがお好きのようだ、黒子。」
「すいません。急ぎの内容だったもので。赤司くんもお変わりないようでよかったです。」
高級マンションの持ち主は大きくため息を吐いた。
「君がここに来るということはおそらくブランシュの件についてだろう。君が何の目的で第一高校に潜入しているかは知らない。でも、第一高校は今、ブランシュの下部組織エガリテに侵食されているからな。そこから自ずと答えは絞られてくる。」
「・・・そうなんですか?知らなかったです。」
赤司はずっこけた。
「君と話していると調子狂うよ、まったく。」
赤司は呆れながら、どこか嬉しそうな表情を浮かべる。
「それで、何が望みだ
「やめてください。あんまり二つ名は好きじゃなんです。」
テツヤは嫌そうな顔をむける。
「君は裏の世界で超有名人だ。ステルス以外の二つ名も他にたくさん持っているだろう。メジャーなものだと死神、代行者、透明人間、顔のない存在X、面白いものだと真心泥棒<ハートブレイカー>なんてものもあるな。」
「・・・面白いですか?それ…。」
「ああ面白い。君が不機嫌な様子を見ているだけで心がみたされるようだ。」
「・・・・・」
「冗談だ。早いところ商談を始めよう。」
登場予定のなかった赤司様が出てしまいました。
ある時、神から天命を受けたようにこの設定が浮かび文字にしなければならないと使命感に囚われ書きました。