「毎回思うのですが、どうしてこれほどの内容を知っているんですか。僕には不思議でなりません。」
「俺が知らないことは存在しない、と言いたいところだが。今回は前もって調査していただけの話だ。ブランシュには借りがあるしな。」
そう言いながら、赤司は不敵な笑みを浮かべる。
「・・・・・まぁ、何でもいいのですが。この司一というブランシュ日本支部のリーダーは赤司くんの下位互換みたいな感じですね。」
「三流と比較されるのは不愉快だが、間違いじゃない。」
テツヤは赤司に不可解に思ったことを尋ねた。
「しかし、ブランシュはなぜこんな小物に日本支部を任せているのでしょうか?もっとマシな人もいるはずなのに。」
「それは勘違いだ。ブランシュは建前として魔法師が優遇される社会システムに反対する団体であるが、実際は反魔法活動を行うテロリスト集団だ。規模こそ大きいものの、そんな団体に協力する魔法師は皆無といっていい。従って、ブランシュは常に人材不足なのだろう。むしろ、司一はよくやっているよ。」
「・・なるほど。反魔法活動ですか、魔法師にとって世知辛い風潮ですもんね。これからも、そんな情勢が続くのでしょうか。」
「ああ、間違いなく続く。魔法師は国家の軍事に欠かすことのできない部品といえる。だが、潜在的に魔法師を恐怖する層は決して少なくない。たとえ、自らの首を絞めかねない愚行だとしても。」
二人の間に沈黙が続く。テツヤは話の話題を変えるかのように赤司に言う。
「そういえば、洛山高校への進学したと聞きました。当初の予定通りに魔法科高校に進まず、普通の高校を選んだんですね。もったいなくないですか?」
「確かに俺には魔法師としての資質はある‥。だが、今の風潮では魔法師は魔法を公共のために使うべきと馬鹿げた考えが跋扈している。俺は決して社会の奴隷などにはならない。なぜなら絶対は
「・・・・・」
「すまない。俺としたことが熱くなりすぎたようだ。他にもビジネスマンの俺としては出国に制限がかかる魔法師は好ましくない。」
「・・そうですよね。赤司くんと同じ高校に行けたら楽しそうだなと思っただけです。今日はもう帰ります。」
テツヤは帰り支度を始めた。
「あぁ、ブランシュについて新たな情報が出たら知らせよう。」
「報酬はいつも通りでいいですか?」
赤司は急に真剣な顔をテツヤに向ける。
「いや、今回は金品は結構だ。ただ、一度だけこちらのお願いを聞いて欲しい。」
「無茶なものは聞けませんよ。どんなものですか。」
「君がいつもやっている依頼をこなすだけだ。別に副業は禁止されていないだろう?」
全然話が進まない。どうしよう困った。