Fate/cross wind   作:ファルクラム

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第13話「緋の激情」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、すまないね。とんだ迷惑かけちゃって」

 

 そう言って、ベッドに横たわったブーディカは苦笑する。

 

 思ったより元気そうなのは良いが、やはり手足や頭に巻かれた包帯が痛々しい。

 

 ネロたちが援軍として到着する前に、正統ローマ軍を率いて敵の本軍と激突したブーディカ。

 

 再編成が済んでいない状態での出撃を余儀なくされたブーディカは、きわめて不利な状況の中、それでも軍を指揮して良く戦った。

 

 彼女がいなければ今頃、ガリアは再び連合ローマの手に落ちていたかもしれない。

 

 しかし、

 

「今回は完全にしてやれらたよ。敵は大軍は確かに厄介だけど、率いている指揮官がそうとうな切れ者だ」

 

 ブーディカの説明によれば、正面戦闘を意図して守りを固めた正統ローマ軍に対し、連合ローマ軍は巧みに囮を使って分断し、次々と各個撃破していったと言う。

 

 油断はできない。

 

 ブーディカの言が正しければ、敵の指揮官は大軍を擁しながらも、それを妄信せず、堅実な用兵と戦略を用いる軍師のような存在である。あるいは、そうした存在が参謀として、敵の指揮官を補佐している可能性もある。

 

 いずれにせよ、ネロが合流したからと言って油断はできなかった。

 

「ところでさっきから気になっていたのだが・・・・・・」

 

 ネロはブーディカから視線を逸らして言った。

 

 見ているその先では、2人の少女が佇んでいた。

 

「そこな少女たちは、そもそもいったい何なのだ?」

「へ、あたし?」

「うむ?」

 

 話を振られたエリザベートとタマモキャットは、揃って首を傾げた。

 

 対して、ブーディカは苦笑する。

 

「あー この前の戦いが終わってあんた達がローマにもどった後、何か知らないけどフラッと現れてね。それ以来、協力してもらってるんだよ。何か知らないけどネロ、あんたのファンだって言うしね」

 

 そう、ブーディカが説明した。

 

 と、

 

「やっと会えたわね、生ネロ!! 本当に来た甲斐があったわ!!」

 

 感激したエリザベートが、近づいてきてネロの手を取った。

 

 そのままブンブンと、上下に手を振り回すエリザベート。

 

 いったい、この2人の間にどんな繋がりがあると言うのだろう?

 

 当のネロはと言えば、身に覚えが無いらしく首を傾げている。

 

 だが、

 

「うむ。何やらよく分からぬが、余もそなたの事は全くの他人とは思えない。これは、そう、魂で繋がっているような気さえするぞ」

「魂、ソウルフレンドって奴ッ 素敵ね、それッ!!」

 

 何やら互いを気に入ったらしいネロとエリザベートは、手を取り合っている。

 

 テンションが際限なく上がりっぱなしだった。

 

 それはそれとして、

 

「なあ、響」

 

 ベッドの上のブーディカが、気になっている事を傍らの暗殺少年に尋ねた。

 

「生ネロって何だい?」

「ん、ハバネロの親戚」

「ああ、やっぱりか」

「響、嘘教えないで」

 

 サラッとおかしなことを言う響に、美遊がツッコミを入れる。

 

 嘆息する美遊。

 

 何を阿呆な事を言っているのか。

 

 と、その時だった。

 

「アハハハハハハ そろそろ、あたしの出番と見た!!」

 

 其れまで黙っていた獣耳の少女が、高らかに名乗りを上げた。

 

 その存在自体が、見た目からしてインパクト絶大の少女は、一同を見回して言い放った。

 

「我こそは誇り高き狐の英霊ッ 栄光あるタマモナインが一柱、タマモキャットッ よろしくだワン!!」

 

 圧倒的なまでに、何言っているのか分からない名乗り。

 

「狐?」 ←立香

「キャット?」 ←凛果

「ワン?」 ←美遊

「完全無欠に意味不明です」 ←マシュ

「ん、どっからツッコめば?」 ←響

「アハハハハハハハハハハハハ」 ←タマモキャット

 

 特殊班一同、大混乱に陥ったのは言うまでもない事である。

 

 だが、そんな一同の困惑を他所に、タマモキャットは笑い続けているだけだった。

 

 と、

 

「うん、興が乗って来たわッ もうジッとしていられない。あたし、ここで一曲歌うわ!!」

 

 とんでもない事を言い出したエリザベート。

 

 聞いた瞬間、カルデア特殊班の面々が「ゲッ」となったのは言うまでもない事だろう。

 

 エリザベートの破壊的音痴を知っている一同に、慄きが走る。

 

 だが、

 

「うむ、良い。実に良いぞッ ならば余も便乗させてもらおう!!」

 

 何やらノリノリなネロ。

 

 その姿に、エリザベートのテンションが上がる。

 

「良いわね。あんたとのデュエットなんてッ 素敵よッ!!」

「うむ、自慢ではないが、余は歌が大得意なのだッ」

 

 顔を見合わせて笑顔を浮かべると、2人そろって並び立つネロとエリザベート。

 

「ちょッ 待っ!!」

 

 皆が止めようとした。

 

 次の瞬間、

 

 

 

 

 

ボエェ~~~~~~~~~~~~

ボゲェ~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 凄惨な地獄絵図が発散された。

 

 強烈な怪音波が、物理的な衝撃を伴って、全周囲に襲い掛かる。

 

 あたり一面に広がる死屍累々。

 

 何と言うか、

 

 マイナスにマイナスを重ねたら超マイナスになった、と言うか、

 

 色鮮やかな絵の具をたくさん混ぜ合わせたらどす黒くなった、と言うか、

 

 ともかく、ひどい。

 

 エリザベートが音痴なのは元々知っていたが、

 

 まさかネロまで音痴だったとは予想外である。

 

 2人の声が相乗効果となって、周囲に更なる惨状を齎している。

 

「こ、こ、れは・・・・・・・・・・・・」

「う、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ・・・・・・」

「せ、先輩方、お、お気を確かに・・・・・・」

 

 地面に倒れ伏す、藤丸兄妹。

 

 マシュも、意識を保つだけで精いっぱいの様子だ。

 

 その他の面々も、一様に苦悶にのたうっている。

 

「ん、誰、か、止めろ・・・・・・」

「む、無理」

 

 既にチビッ子サーヴァント達は、限界の様子である。

 

「ユニット名は『THE・混ぜるな☆キケン』で」

「異議、無し・・・・・・」

 

 立香の言葉に、崩れ落ちながら頷く凛果。

 

 その場にいた全員が倒れ伏す中、ネロとエリザベートだけが、気持ちよさそうに歌い続けている。

 

 死屍累々とした光景が繰り広げられる中、Wジャイアンリサイタルは、夜が更けても尚、続けられるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明けて翌日。

 

 全軍を挙げてガリアを進発したネロは、一路、連合ローマ軍が布陣する平原へと兵を進めた。

 

 既に機運は十分すぎるほどに高まっている。

 

 ここで敵主力軍を撃滅し、しかる後、先ごろ判明した連合首都へと進軍。この戦争に決着を着ける予定だった。

 

 一方、

 

 連合ローマ軍の動きは、不気味なほどに静かだった。

 

 敵は布陣を終えた後、その場から全く動こうとしなかったのだ。

 

 何かを策動している様子も見られない。

 

 まるで正統ローマ軍の準備が整うのを待っていたような節さえ見られる。

 

 そして、正統ローマ軍も平原へ到着。全軍の展開を終えると、平原を挟んで連合ローマ軍と対峙した。

 

 

 

 

 

「ようやく来てくれたか。正直、すっぽかされたらどうしようかと、ひやひやしたよ」

 

 視界の彼方で陣形を展開する正統ローマ軍を見詰めながら、連合ローマ軍指揮官の少年は、安堵とも苦笑ともつかないため息をを吐く。

 

 今、あそこではネロ・クラウディウスが指揮を執っているはず。

 

 そうでなくては困る。

 

 彼女を戦場に引っ張り出すために、こちらはダレイオスと言う戦力を捨て駒にまでしたのだから。

 

「その心配は無いだろう。これまでの戦いから類推した彼女の性格からすれば、決戦の際には自ら指揮を執らなくては気が済まないはず」

 

 眼鏡の位置を直しながら、軍師は自らの主君に告げる。

 

 全ては、彼の策だった。

 

 あえて、正統ローマ軍の戦備が整わないうちに奇襲攻撃を掛けて撃破する。

 

 前線にダレイオスを置く事で、猛攻を仕掛け、敵軍の陣容に打撃を与える。

 

 最終的にダレイオスが倒される事は織り込み済み。そこは構わない。

 

 問題なのは、正統ローマ軍の支柱である、皇帝ネロを戦場に引きずり出して撃破する。それが叶えばこの戦い、連合ローマの勝利に終わるはずだった。

 

 加えて、指揮官の少年にはどうしても一つ、かなえたい願いがあったのだ。

 

「うん。先生の言う事で、今まで間違った事は無かったからね。今回も信じているよ」

「・・・・・・・・・・・・フンッ」

 

 指揮官の言葉に対し、そっぽを向く軍師。

 

 次いで指揮官は、反対側に立つ男たちに向き直った。

 

「そう言う訳だから、君達も協力してほしい。なに、そんなに時間は取らせないよ」

「・・・・・・仕方あるまい」

 

 答えたのはカエサルだった。その傍らには、レオニダス王の姿もある。

 

 先日の戦いにおいて壊滅した部隊の再編成を終えたカエサルは、軍勢を率いて主力軍に合流していたのだ。

 

 これにより、連合ローマ軍の戦力は、正統ローマ軍の倍近くにまで膨れ上がっていた。

 

「ここの指揮官はお前だ。我らは、それに従うだけだ」

「ありがとう。それじゃあ、行ってくるね」

 

 カエサルの言葉に頷くと、指揮官の少年は軍師を伴って陣を出て行くのだった。

 

 

 

 

 

 一方、

 

 正統ローマ軍もまた、決戦に向けて着々と準備を進めていた。

 

「さて、如何したものか?」

 

 敵軍の様子を観察しながら、ネロは首をひねって呟いた。

 

 今回は先のガリア会戦と違い、敵の方が数が多い。下手に仕掛ければ、こちらが敗北する事は目に見えていた。

 

 ましてか今回の敵は、かなりの戦略家であると言う。油断はできなかった。

 

「いかに攻める、立香よ?」

「いや、俺に聞かれても」

 

 尋ねられて、立香は苦笑する。

 

 特殊班のリーダーとは言え、別に戦略に明るい訳ではない。そう言う事は、マシュにでも聞いてくれた方が良いと思った。

 

 とは言え、

 

「俺はネロを信じてる。これで良いと思った通りに指示を出してくれ」

「う、うむ。期待しておるぞ」

 

 立香の言葉に、ネロは一瞬言葉を詰まらせる。

 

 こうもストレートに信頼の言葉を投げかけられるとは思っていなかったのだ。

 

 と、その時だった。

 

「申し上げます!!」

 

 兵士の1人がネロの元までやってきて膝を着いた。

 

「敵軍に動きがありましたッ」

「ついにかッ」

 

 身を乗り出すネロ。

 

 いよいよ、火ぶたが切られる。そう思ったのだ。

 

 だが、

 

「それが・・・・・・・・・・・・」

 

 言葉を濁らせる兵士。

 

 対してネロは首を傾げる。

 

「如何した?」

「ハッ 敵の指揮官らしき人物が、供1名のみを従えて、こちらへ向かってきているのです」

「・・・・・・何だと?」

 

 怪訝な面持ちで顔を見合わせる、ネロと立香。

 

 一体そこに、如何なる意図があると言うのか?

 

 ネロも立香も、にわかには図りかねるのだった。

 

 

 

 

 

 相手は、まるで自分たちが来るのが判っていたかのように、戦場の真ん中で立ち尽くして待っていた。

 

 奇妙な2人連れである。

 

 1人は10台中盤くらいの少年。燃えるような赤い髪を三つ網に結び、純粋そうに輝く瞳が印象的だ。

 

 そしてもう1人は、なぜか現代風の黒いスーツを着た痩せ型の男性だ。背中まで達する長い髪。双眸は、この世の最も苦い物を噛み締めたかのように細められている。

 

「そなたらが、連合の指揮官か?」

 

 2人の前に立って、ネロが尋ねる。

 

 その背後には、立香とマシュが控えている。

 

 敵の指揮官が僅かな供と共に戦場まで出てきたと聞いたネロは、自身もまた彼らに会うべくやって来た。

 

 連合の指揮官が出てきているのに、正統ローマの皇帝である自分が奥に引っ込んでいては臆病者のそしりを受けかねない。

 

 そう考えたネロは、立香とマシュだけを連れてやって来たのだ。

 

「うん、まあ、そう言う事になるね」

 

 驚いた事に、答えたのは赤毛の少年の方だった。

 

 スーツ姿の男は、少年が喋るのに任せ、後方に控えている。

 

 と言う事はつまり、連合の指揮官はスーツ姿の男ではなく、少年の方と言う事になる。

 

 対して、ネロは頷いて口を開いた。

 

「まずは名乗らせてもらおう。余は、ローマ帝国第5代皇帝、ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスである」

 

 堂々とした少女の名乗り。

 

 対して、少年は満面の笑顔を浮かべて応じる。

 

「ああ、知ってる。やっと会えたね」

 

 まるで憧れの人にでも会えたように、感慨深く呟く少年。

 

 その純真そうな瞳は、真っすぐにネロへと向けられている。

 

「じゃあ、僕も名乗らないとね。と言っても、僕には名前がいくつもあるから・・・・・そうだな、ここでは『アレキサンダー』と名乗らせてもらおうかな」

 

 アレキサンダー。

 

 「イスカンダル」の名でも知られる。古代マケドニアの大英雄だ。

 

 わずか20歳でマケドニア王位を継承すると、軍勢を率いて東方遠征を実現。

 

 当時、「世界の全て」と言われるほどの大国であったペルシャを打ち破り、エジプトや小アジア、インドまで支配下に置いた。

 

 それらの偉業を、僅か10年足らずでやってのけたのだ。

 

 故に人は、畏怖と敬意をもって、彼をこう呼ぶ。

 

 「征服王イスカンダル」と。

 

 そして、

 

「私はロード・エルメロイ二世。故あって、今はデミ・サーヴァントをしている。この霊基を持つ英霊は、諸葛亮孔明(しょかつりょう こうめい)と言う。短い間になるだろうが、よろしく頼む」

 

 そう言うと、エルメロイ二世はスーツのポケットから煙草を出して火を点けた。

 

 とは言え、諸葛亮孔明と来た。

 

 後漢末期、麻の如く乱れた天下を憂いた高祖劉邦の子孫、劉備玄徳(りゅうび げんとく)は、1人の青年を軍師として迎える。

 

 その青年こそ、諸葛亮孔明。

 

 劉備に見いだされた孔明は、乱れた天下を正す手段として、天下を一時的に三分割し、それぞれの勢力で均衡を保つ膠着状態を作り出す、所謂「天下三分の計」を提案、実行する。

 

 言わば「三国志」を実際に創り出した「作者」であると同時に、そこに綴られた物語の、実質的な主人公であるとも言える。

 

 現代においても「天才軍師」と言えば、諸葛亮孔明を置いて、他に存在しなかった。

 

「ありがとう先生。先生のおかげで、ようやく彼女に会う事が出来たよ」

「存分に語り給え」

 

 そう言って、たばこの煙を吐き出すエルメロイ二世。

 

 対して、アレキサンダーは背中を押されるように前へと出た。

 

「それで、余に尋ねたき事とは何だ?」

「うん。戦いを始める前に、どうしてもこれだけは聞いておきたかったんだ」

 

 そう前置くと、アレキサンダーは口を開いた。

 

「ネロ、君はどうして戦うんだい?」

「・・・・・・・・・・・・何?」

 

 質問の意図が判らず、首を傾げるネロ。

 

 まさか、そのような質問を連合ローマ軍の指揮官からされるとは、思ってもみなかったのだ。

 

 そもそもこの戦争は、ネロが統治していたローマに、連合ローマが仕掛けてきたことが発端となっている。

 

 ネロの立場からすれば反撃の為に戦うのは当然の事である。

 

 今更、そんな意味を問うたところで意味は無いように思えるのだが。

 

「君が諦めて連合に降れば、全てが丸く収まる話じゃないか。連合は何もローマを滅ぼそうとも、君を殺そうとも言っていない。君はただ、連合皇帝の1人に名を連ね、改めて彼らの統治の下に入ればいい。君の名誉も、ローマも守られる。これほど良い事は無いと思うけどね?」

「・・・・・・貴様、本気で行っているのか?」

 

 低い声で尋ねるネロ。

 

 対して、

 

 アレキサンダーは笑顔のまま答えた。

 

「勿論、本気さ。君さえ降れば、何もこんな戦いはする必要が無かったはずだ。全て無意味じゃないか。今まで犠牲になって来た命も、そして、これから犠牲になる命も、ね」

 

 アレキサンダーがそう告げた。

 

 次の瞬間だった、

 

「ふざけるな!!」

 

 激高したネロの大音声が響き渡る。

 

「無駄だと!? 犠牲になった兵の命が無駄だと申すか!? ふざけるな、彼らが想い、守ろうとして散っていった物が、無駄なはずが無かろう!!」

 

 ネロの脳裏に浮かぶ、兵士たちの顔。

 

 彼らはネロに笑顔を見せて戦場に赴き、

 

 そして帰ってこなかった。

 

 彼らの犠牲が、

 

 彼らの想いが、

 

 無駄であって良いはずが無い。

 

 なぜなら、彼らはネロを信じ、ネロを助けるために死んでいったのだから。

 

 だからこそ、ネロは叫ぶ。

 

「過去がどうあれ、今現在において、ローマ皇帝は余意外にあり得ぬ。余こそが、今代のローマ皇帝、ネロ・クラウディウスである!!」

 

 天上に高らかと響く宣誓。

 

 その言葉を受けて、

 

 アレキサンダーはニッコリと笑った。

 

「ああ、良いよ。それが聞きたかった。見事だよネロ・クラウディウス。君の覇道、確かにこのアレキサンダーが見届けた。いや、君ならいっそ、魔王にすらなれるかもね」

「黙れッ」

 

 言い放つと同時に、右手を掲げるネロ。

 

 同時に、

 

 アレキサンダーの背後に立っているエルメロイ2世も、右手を掲げて後方の軍勢に合図を送る。

 

「立香、マシュ、用意は良いか?」

「ああ。存分にやってくれ」

「準備完了。いつでも行けます」

 

 ネロの問いかけに、力強く答える立香とマシュ。

 

 一方、

 

「先生」

「ああ。仕方あるまい」

 

 アレキサンダーとエルメロイ二世も、頷きを交わす。

 

 睨み合う両者。

 

 次の瞬間、

 

 互いの腕が、同時に振り下ろされた。

 

 

 

 

 

第13話「緋の激情」      終わり

 


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