そも、ハイスクールD×Dはハーメルンでしか知らない(二次創作では好きで読み漁ってる。漫画は少しだけ)状態なので、これ以上ないほどにわか。だからその時点で不快だという方は、どうか読まずにブラウザバックをお願いいたします。
「お兄様…一体このような山の中に何があるんですか?」
うららかな日差しが降り注ぐ、
鬱蒼と茂る森の樹木がまるで行く手を阻むかのように絡み合い、歩を進めるほどに日光が遮られていく不気味な森の中を、酷く場にそぐわぬ恰好で歩く一団———人の姿をした、悪魔の一行がそこにはいた。
問いを投げかけられた一行の先頭を歩む紅髪の男———冥界において知らぬものなし、四大魔王にして滅びの化身として畏れられる、サーゼクス=ルシファーは、最愛の妹である実妹へ柔和な笑みを浮かべ、答えた。
「こんな平日の只中にすまないね、リアス。それに眷属の皆も。…本当は今度の休日あたりにしたかったんだが、どうにも間に合いそうになくてね。」
否、微妙に答えてはいなかった。故に実妹———リアス=グレモリーは若干眉を顰めながらも、足を止めずに道なき道を前へ前へと進み続ける兄の背中を見つめて、視線でもって続きを促す。
無理もない話だ。彼女らは悪魔であると同時に駒王学園に在籍するれっきとした学生であり、今日は平日。つまり、本来であれば普通に授業を受けている時間である。無論、悪魔であり貴族である以上はそちらを優先させることに不満はないものの、疎かにしていいという訳ではない。
それを理解していない兄ではないだろうに、現時点で碌な説明もないまま彼女たちは遠く北陸の山の中に来ていたのだ。それも、既に入山から数時間は経とうとしている。
そして彼女の背後にもまた、彼女のように追従する形で歩みを進める者たちがいる。
先に述べられたリアスを『
彼女のすぐ後ろに付き従う、濡れたような黒髪の大和撫子然とした美少女、眷属『女王』・姫島朱乃。
小さな体に微塵の疲れも感じさせず、しかし何処か落ち着かない様子の白髪の少女、眷属『戦車』・塔城小猫。
後続の眷属新人組の様子を伺いながら、やはり涼し気に後に前へ進む金髪の少年、眷属『騎士』・木場裕斗。
既に長時間の登山で疲労に息を乱す、元シスターの少女である眷属『僧侶』・アーシア=アルジェントと、そんな彼女を気遣い、その手を(内心ドギマギとしながら)引いて進んでいく眷属『兵士』・兵藤一誠。
そして眷属としては最も新しく、かつ教会の騎士として一度は敵対関係にもあった眷属『騎士』・ゼノヴィア。
彼らもまた朝方に突然の呼び出しを食らい、主共々このミステリー登山ツアーに参加させられた身である。敬服すべき主人の兄にして魔王様でもあるサーゼクスに不満を抱くつもりはないが、内心そろそろ説明を求めたい気持ちくらいはあった。
そも、小猫の様子が先程から可笑しい事も気になっている。アーシアや木場が大丈夫かと尋ねるも、やや上擦った声音で「問題ありません」「気にしないでください、大丈夫です」といった、何処か上滑りした答えが返ってくるのみだ。まるで…なにかに怯えるように。
そんな様子を悟ってか、サーゼクスが口を開いた。「人に、友人に会いに行くにあたって君たちも呼んだんだ」と、彼は告げた。全員の視線が彼の背中に向けられる。
「友人とはいえ気難しいというか、掴みにくい人物でね。だがこの先、もしもコカビエルの様な…或いはもっと厄介な輩が現れた時。どうしても彼の協力が必要になる時が…いや、違うかな。彼が面白半分で、万が一にも
その言葉に全員が息を呑む。それも当然だ、彼は『
「…そんな方が、この国にいたのですか?」
「知らないのも無理はない。彼は俗世や人と関わることを極端に疎んでいるからね…友人とはいえ、そういえば僕ももう随分と会ってはいない。彼が『こちらの世界』に召喚されてから約数百年もの間、ほとんど隠居し続けている。僕が偶然にも交流を持てて、意気投合できたのは本当に幸運だった。」
しみじみと語るサーゼクスに、恐る恐るといった様子で一誠が手を上げ、皆の意志を代表するように質問した。
「なんて方なんですか?その方は…。」
その問いに一拍置いてから、サーゼクスは答えた。
「彼の名はイサビ。数多無数の術を総べ、地脈と呪詛を操り、山の精を従える…
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かつて、富士の山を噴火させようとした所を魔王とかち合った後の酒の席にて、酔いも相まって彼は嬉々として己が過去を語った。
曰く。かつて異世界にて
彼は『あちら側』にてさんざん共に悪さした盟友が滅ぼされた死後、無間地獄への『通行証』なる石の抜け殻を形見代わりに貰いにいった所、かすかな縁でも縒ったのか、はたまた力の方向性の線が結んでしまったのか。抜け殻を
聞けば当の術者は魔法律家でも何でもなく。己を悪魔だか邪神だかと間違え、『通行証』を触媒に呼び出した異端の魔法使いだといった。しかし契約した気になって偉そうだったので、すぐに握りつぶしてしまったという。その際、『通行証』は中身が自分の中に移ってしまったとか。
「
どうやら地獄の在り方そのものが異なるという彼の話は、実に魔王の興味をひくものだった。しかし多忙の身でもあった魔王の身に加え、彼は本来仙人にも似た人嫌いの者。
その後の数回の酒盛りの後、彼と交流を取ることはなかった。
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「彼方より
友も出来るがやはり面倒には勝てず
ところは北陸 霊峰連なる山々を縫う獣道の果て。
かつての如く主亡くした庵に居を定め
数世紀
人目を逃れてきたが。
さて、なんの用じゃろうなあサーゼクス。それとも呑みにでも来たんかのう?」
平たく伸びた形状で浮かぶ
人付き合いも交流も望むところではない。が、いささか退屈していたのもまた事実。どうやら
深く関わるつもりも属するつもりも取り合えずはないが———新しい酒の肴にはなるかもしれない。
そんな風に考えながら彼は徳利に残った酒を直接口をつけて飲み干し、「下ろせ」と一言
久方ぶりの来訪者は如何なるものかと、微かな期待が胸の内に宿るのを感じ。
『
続かない
妄想次第