ゼノブレイド2 the Novelize   作:natsuki

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第十一話 モーフ

「おっ、ビャッコはっけーん。良かった良かった」

 

 何とかビャッコと再会した俺たちは、喜びを分かち合う束の間もなく、ニアの居場所を探すことになるのだった。

 

「……あの、ところで、こちらの方は?」

「トラだも!」

「ハナですも。ご主人の人工ブレイドですも」

 

 ビャッコの問いにトラとハナは答える。

 

「ほんで、わいはジーク。こいつはサイカや」

「うわあ、虎のブレイドとかはじめて見たで。もふもふやろうなあ、なあ、さわってもええか? ええか?」

 

 どうやらその問答だけで、ビャッコは信用に値する人間(正確にはノポンとブレイドか)と判断したらしく、ゆっくりと頷いた。

 

「分かりました。では、向かいましょう。お嬢様は今……この戦艦に居ます。確かスペルビアへ移送するためだとか……」

「ええっ? 処刑するためじゃないのか?」

「いや、そんなことは聞いてませんが……」

「ま、いいか」

 

 俺は頭を掻いて、取りあえず話を続けることにした。

 

「とにかく、今はニアを探す。お前も協力してくれるか、ビャッコ?」

「勿論ですとも」

 

 こうして、ビャッコが仲間になるのだった。

 

「お、おーい……。うちの話は、無視?」

「ここを脱出したら、少しは触らせてあげてもいいですよ」

「やったー! うち、頑張るでえ」

 

 ……何か、サイカのモチベーションも上がってるけど、それはそれでいいか。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ニアはあっさりと見つかった。ビャッコが捕まっていた区画を第一区画と呼ぶらしく、ニアはそこから南方の第二区画の一室に軟禁されていた。

 

「ニア、大丈夫か?」

「馬鹿。なんでお前たち……」

「仲間だろ、俺たちは」

「……そうか」

「さ、アニキ。急いで脱出するも。情報が違うと言うことは、嫌な予感がするも」

「その通りですよぉ」

 

 やけに声のトーンが高い、気味の悪い声が聞こえた。

 振り返るとそこには一人の男と、大男のごついブレイドが立っている。

 

「私の名前はモーフ。以後、お見知りおきを」

「モーフ……! 確か、このトリゴの領事をやってる人間やと聞いていたが」

 

 背中に背負っていた大剣を取り出すジーク。

 対してモーフは何故それを知っているのか、といった感じで目を丸くする。

 

「あらぁ? どこかでお会いしましたかしらぁ?」

「……職業柄、お前さんのような人間を知る機会はよくあるんや」

 

 ジークの言葉に舌打ちするモーフ。

 

「ということはアーケディア関連の人間ですか。だったら話は早い。……まとめて消し去るが良いですよぉ!」

「ニア!」

 

 ビャッコはニアのそばに立ち、武器へエネルギーを送る準備をしている。

 そして、俺たちは通路という狭いフィールドではあったが、トリゴ領事モーフとの戦闘を開始するのだった――!

 


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