「いてっ」
「ほら……痛いと言っても、治らないですよ」
俺はホムラに包帯を巻いて貰っていた。理由は先程の戦闘で僅かながらではあったものの、傷を負ってしまったからだ。
「よしっ、俺は完璧! ……あれ、ホムラも怪我してるじゃん」
「え?」
「何でや?」
「何でも?」
俺の言葉にジーク達は全員反応した。
「え? ……俺、変なこと言ったかな」
「ボン。普通はブレイドは怪我をしないもんなんやで。力を武器に分け与えるブレイドは、人間とは異なる構成で出来ているからか、その身体に傷を持たない。……だから、悪く言ってしまえば、サイカやホムラのようなブレイドは、『高く売れる』っちゅうことや」
「王子、それは今言わんといて」
「……済まんな、サイカ。ボン、この話はまた別の機会にさせてもらえんか。お前達と旅をしていく上で、いつかは話をする機会も出てくるさかい。そうしたら、話すことも出来るやろうて」
「……まあ、急ぐ話でもないと思うよ。それだけは俺も言えることかな。もし言いたくなったら言って貰えればいいし。……で、ジーク達はどこまで俺たちについていくつもり?」
「それはワイらも同じ台詞や。ボン、世界樹に目指すなら、このまま行くのは無駄やで」
「どうして?」
「サーペント……伝説には聞いたことがあるやろう。世界樹を守りし番人がいるという話は」
「……まあ、話ぐらいなら。でも本当に居るの?」
「居る。それはマルベーニ……陛下から聞いたことがある話や」
マルベーニ。
確か、アーケディア法王庁の最高権力者にして、法王と呼ばれる存在。
「マルベーニも、天の聖杯に会いたいとは言っていたし、目的はアーケディアやろうな。そんでもって、サーペントの扱い方をマルベーニに聞かなあかん」
「それなら、目的地は、決まりだね!」
目的地は、アーケディア。
しかし、その為には船を手に入れなくてはならない――という事実に俺たちが気づくまで、そう時間はかからなかった。
そして、その光景を高所から眺める二人の人影があった。
一人は青色の長髪と赤い目をした女性。
もう一人は銀髪の青年。不敵な笑みを浮かべた後、青年は呟く。
「彼らは、動き始めるようだね。そして、『プネウマ』もまた……」
「追いかけますか、マスター」
女性の声は、機械的で感情がない、まっすぐな声だった。
彼は首を横に振る。
「その必要は無いよ。僕たちはきっと必ずどこかで出会う。それが神の導きだというのなら」
そして、彼らはその場を立ち去っていくのであった。