次の日。
俺たちはヴァンダムさんの先導のもと、首都フォンス・マイムに到着していた。
理由は簡単。予言官と呼ばれる人間が、俺たちに出会いたいから――らしい。
それにしても、予言官とはいったい何者なのだろうか?
「なあ、ホムラ? 予言官のこと、聞いたことはないか?」
「無いと言われると……嘘になっちゃいますけれど」
「知ってるのか、ホムラ?」
「知ってます……ね。まあ、それを言うのは、あまりどうかと思いますが……私の予想が正しければ彼もまた……」
「ここがフォンス・マイム城だ。けっこうなでかさだろ?」
目の前に広がっていたのは巨大な城だった。
俺たちは中に入り、そのまま通路を進む。
突き当たりの階段を上ると、王の間にたどり着いた。
扉を開け、中に入る。するとラゲルト女王は、椅子に座り、俺たちを待ち構えていた。
「……そなたが天の聖杯か。では、ドライバーは? よもや、その隣に居る……」
「その通りだぜ、女王陛下様よ」
ヴァンダムさんはわざとらしく恭しく笑みを浮かべて答える。
それを聞いたラゲルト女王は、深い溜息を吐く。
「想像は出来ていましたが……実際に見るとこんなにも子供ではありませんか。予言官の言うことは本当に百発百中。何でも当たるのですね。……ところで、彼は?」
「ここに居ますよ、女王陛下」
りんとした、声だった。
それを聞いて俺たちはそちらを向いた。
銀髪の青年は、隣に青い長髪の女性を連れていた。
女性は機械的な動きをしていたが、それに比べて青年はどこか人間らしい動きをしている。いや、そりゃ二人とも人間なのだろうけれど……。
「はじめまして、でいいのかな。天の聖杯?」
「何をわざとらしく言っているのですか、アルヴィース。あなたもかつては天の聖杯を持った存在だったはず。それがどうしてこの城で予言官など?」
「メツのことは知っているだろう?」
「ええ。彼はこの世界を破壊しようとしている。だから私たちはそれを止めないと行けません。そして、楽園を目指すんです」
「楽園……ね。レックス、と言ったかな」
そこでアルヴィースは俺に視線を移した。
「あ、ああ。俺がレックスだけれど……」
「君は、楽園に何を望んでいるのかな?」
「何を……って。このアルストは滅び行く世界だ。だから楽園に人を招いて、楽園で皆が暮らせるようにするんだ」
「それが出来ないとしても?」
「やってみなきゃ分からないだろ。それともあんたは楽園を知っているのか。楽園の今を、知っているのか?」
「知っているよ。分かっているけれど、それを君たちに教えるのは、興ざめってものだよね。教えたところで君が絶望して旅をそこで終えてしまえば、世界は破滅へ向かっていく一方だし」