ゼノブレイド2の小説的な何か   作:natsuki

23 / 44
第二十三話 フォンス・マイム劇場⑤

「ブレイドイーターを知っているとは、さすがはイーラといったところかいのう!」

「王子!」

「おう行くで、サイカぁ!」

「くっ……これは想定外ですねえ! 脚本にないことを演じて貰っちゃあ困るんですよ!」

 

 ヨシツネは明らかに焦りを見せている。

 しかし、俺たちは未だに力を出せていない状態だ。ブレイドから力を供給されないだけで、これほど無力になるとは、俺たちは思いもしなかった。

 

「何へこたれてるんだ、レックス!」

 

 そこを後押ししたのは、ヴァンダムさんだった。

 

「いいか、レックス。ブレイドの武器ってのはなあ……こういう風にも使えるんだあ!」

 

 そして、ヴァンダムさんは自らが構えていた武器を――そのまま自分の腹に突き刺した。

 

「!」

 

 ぽたり、ぽたりと血が垂れる。

 しかし、ヴァンダムさんは一歩、また一歩と歩み続ける。

 メツは舌打ちをして、

 

「あのやろう……。武器に僅かに残ったエーテルを利用して、自分の身体に入っているエネルギーを引き出すつもりか」

「おうよお。得られるエネルギーは僅かかもしれねえが、それでもお前達の策はこれで実現しなくなる。そうだろう!?」

「だが、それがどうしたあ!」

 

 メツは持っていた武器を振り回す。

 ヴァンダムさんは既に息も絶え絶えという状態で、はっきり言って戦える状態じゃない。

 

「ヴァンダムさあああああああん!」

 

 俺は叫んだ。

 叫ぶことしか、出来なかった。

 

「いいか、レックスっ!」

 

 ヴァンダムさんは、最後に俺の目を見て、はっきりと告げた。

 

「お前の戦を、戦えええええええええええええええええええっ!!」

 

 そして、メツはヴァンダムさんの身体を貫いた。

 

「……そんなことをしたって無駄な話さ。五百年前から何も変わっちゃいねえ。首都に見た武器を見たか? 兵士を見たか? 俺たちは、そのために降誕したんだ。それぐらい、分かっているよなあ?」

 

 メツは剣を抜き、ホムラを見つめる。

 

「いいえ、間違っているのは……間違っているのは、あなた。あなたよ、メツ」

「うわあああああああああああ! よくも、よくもヴァンダムさんをおおおおおおおお!」

 

 俺は、もう、我慢できなかった。

 力を。力を。力を。

 こんなところで諦めてたまるか。

 力が。力が。力が。

 力が欲しい。あいつらをぶちのめすだけの力が。あいつらを倒すだけの力が。

 

「うっとうしいぞ、小僧!」

 

 しかし、メツの攻撃に俺の身体はなぎ倒される。

 

「終わりにしようや、小僧」

 

 俺の身体に近づくメツ。

 だめだ……身体が……動かない……。

 そして、俺の身体を貫こうと、剣が身体に――。

 

「レックスううううううう!!」

 

 ホムラの叫びも、俺の耳には届くだけだった。

 だからこそ、だからこそ、見えなかった。

 ホムラの身体が光り輝き――まったく別の姿になっていたということを。

 メツはギリギリで俺の身体から剣を離し、ホムラのほうを見た。

 

「やっとお目覚めか……ヒカリぃ!」

 

 俺は後ずさり、ホムラ……いや、ヒカリ? の元へと向かう。

 その姿は赤色を基調とした服を羽織っていたホムラとは違い、銀と青を基調とした服に身を包んでいた。髪色も赤色から金髪に変わっている。

 

「ほ、ホムラ……なのか? その姿は、」

「私はホムラじゃない」

「え?」

「私はヒカリ。ホムラは……私が作り出した、もう一つの人格よ」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。