第二十五話 戦の意味①
「天の聖杯は、三つ存在する。それは君も話を聞いている限りでは、はっきりしていると思う。そして、天の聖杯はそれぞれ役目があった」
「破壊、再生、安寧……だっけか? それぐらいは聞いていたけれど」
フォンス・マイム城、大会議室。
俺達とアルヴィース、そして彼のブレイドであるKos-Mos:Reは向かい合う形で座っていた。
「……アルヴィース、とか言うたか。お前、聞いたことない名前やとは思っていたんやけれど……、天の聖杯ということはブレイド……ってことになるんか?」
ジークの言葉に、アルヴィースは微笑む。
「そんなことはないよ。はっきり言ってしまって、天の聖杯はどんな形にも捕らわれない。この世界の仕組みは、天の聖杯が出来てから、この世界という形が生まれたのだから。……それを言ってしまえば、君たちの仲間である、ええと、誰だったかな」
「ニアだよ」
ちょうどニアとビャッコが部屋に入ってきたタイミングだった。
ニアの言葉に、アルヴィースは頷く。
「うん。そうだったね。……その様子だと、ヴァンダムの手当は済んだのかな?」
「治癒の力を持ったあたしを舐めるんじゃないよ」
「ニア……お前、ブレイドだったんだな」
「正確にゃあ、マンイーターだね。ブレイドイーターである亀ちゃんと違うのは、『食った』主格の問題だよ。亀ちゃんはサイカのコアクリスタルの一部を移植したから、ブレイドイーター。あたしは、ブレイドだったあたしが人間の細胞を移植されたから……」
「マンイーター、ってことか……」
「それにしても、良く力を出してくれたモノだね。有難いことだよ。君がいなければ、ヴァンダムは死んでいたことだろう」
「ヴァンダムさん、レックスに言ったろ? お前の戦を戦え、って」
「あ、ああ」
「それを聞いて、あたしは思ったんだ。このままじゃあ不味いって。このままじゃあ、力の使い方を誤っているって」
「ニア……」
「お嬢様……」
「なんだよなんだよ、ビャッコも悲しむことなんかないんだぞー。あれはあたしがやりたくてやったことなんだから、さ!」
「話を戻そうか」
話は、再びアルヴィースに移る。
アルヴィースの話を聞くために、ニアは寝転がるビャッコに腰掛けた。ってか、それソファー代わりにして良いものなのだろうか。まあ、ビャッコが嫌っていないなら良いのだけれど。
「天の聖杯は、ブレイドやドライバーという役割から乖離している。このKos-Mos:Reだって、かつては何処か別の次元からやってきたようだけれど……、何故だか僕の次元にやってきて、僕と出会った。もしメツと出逢っていたならば、また違った道を歩んでいたかもしれない」
「そうかもしれません。ですが、今、マスターはあなたです。違う世界で生きてきたとしても、この世界に居たとしても、任務を遂行することは、私の使命です」
Kos-Mos:Reは言う。