テンペランティアは、かつて存在した古代文明ユーディキウムが存在していた場所である。
「……こんな場所があったなんてな。アルストをずっと巡っていたけれど、来たことがなかったよ」
「名前ぐらいは聞いたことがあるだろう? ユーディキウムというのは、それ程に有名な文明であったはずだ」
「確かに名前ぐらいなら聞いたことあるけれど……。でも、そこまで知っている訳じゃないよ。俺だって、学校に通った訳じゃないし」
「そうなのか?」
「そうなんだよ」
メレフと俺の会話は続く。
「テンペランティアで動いているという巨神獣兵器……、急いで止めなくてはなるまい。そうしなければ、インヴィディアとスペルビア、両方に悪影響を齎すことになってしまうからな」
「……結局、インヴィディアのあの人は納得してくれたの?」
「ラゲルト女王陛下のことかい? それなら、あの場で納得してくれたはずだよ。しかし、場合によっては大きな問題が発生する可能性があるかもしれないがね」
「……それ、簡単に言っているけれど、不味いんじゃ?」
「ああ、不味いね。不味いとも。だから、大急ぎでなんとかしなければならない。今、テンペランティアの兵器に乗り込んでいると思われる『不届き者』を処罰しなければならないね」
「……それにしても」
俺は踵を返す。
そこには、ファン・レ・ノルンの姿があった。
「……別にファンさんまで来る必要はなかったんじゃないの?」
「いいえ。私の力はブレイドの力を抑制することです。そしてそれは巨神獣にも適用されます。ですから、私が居ることで少しはあなた達の仕事を手伝うことが出来るかと思いまして。勿論、これは、マルベーニ聖下の指示があってのことです」
「……マルベーニさんの?」
「ええ」
「マルベーニ聖下も今回の事態を収めたいという気持ちが高いのだろう。……マルベーニ聖下が何を考えているのかは、はっきり言って分からないがね」
「……マルベーニさん、か」
「どうした、レックス?」
「いや、何でもないよ」
俺がマルベーニさんと出会った時――俺はメツに似た気配を感じ取った。
もしかして、メツがああなってしまったのは――。
「テンペランティアは、紛争が未だ行われている地帯だ。故に砲撃などの攻撃も未だに行われている。だから、注意をしておくべきだな。……レックス、レックス? 聞いているのか?」
「うん? あ、ああ。聞いているよ」
「……まったく。今からそのような態度だとこれから苦労するぞ? レックス」
そうして。
俺達はテンペランティアへ上陸する。
目的地は――テンペランティアで活動している巨神獣兵器。