魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結)   作:tsrg

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第十一話

1月28日土曜日 深夜3時

帰宅した黒河は、起動式のプログラミングを行なっていた。

 

意外に思うかもしれないが、彼の趣味の一つは新魔法の「研究」だ。彼の得意魔法であるニザヴェッリルや氷炎地獄のアレンジなどは、Aランク魔法師であった彼の両親が持っていた魔法関係の資料や実際の起動式を基に彼自らが開発したもので、クローリンデトネーションやフリングホルニ、アイギスや天沼矛などは彼が四葉の人間となった去年八月に、今まで溜め込んでいた原案を四葉の研究機関に多数吐き出した事で開発されたものである。

 

最近黒河が執心しているテーマは基本コードだ。10月の論文コンペを会場で真面目に楽しんでいた黒河は、ゲリラの襲撃により中止になった他校のプレゼン内容を12月頃に真夜からこっそり教えて貰っていた。普段四葉の─正確に言えば真夜個人の─諜報能力を心底気味悪がっている黒河も、この時ばかりは感謝せざるを得なかった。三校の発表テーマは「基本コード魔法の重複限界」。加重系プラスコードを用いた魔法の重ね掛けにより金属酸素を作り出すという内容だった。これを見た黒河は、重複限界が存在しない、更に術式も簡易で多重発動も容易な基本コードを用いた魔法を利用した凶悪な魔法を思い付いたのだ。たった今それが完成したところで、後は専用のCADに起動式を格納するだけだ。そして、この時黒河の心中には更なる野望が渦巻いていた。

 

12月某日、黒河が本格的に基本コードに興味を抱いた頃、黒河の自宅に一人の客人が訪れていた。司波達也だ。真夜からクローリンデトネーションの原案を思い付いたのが黒河であることを聞かされた達也は、早速本人に話を聞いてみる事にしたのだ。話は思いのほか弾んだ。互いに研究者気質だったのである。そこで黒河の方から、達也に基本コードに関する話を振ったのだ。

 

「現状、次に一番見つけやすいであろう基本コードは一体何だと思う?」と、それに対する達也の回答は振動系のプラスコードとマイナスコードだった。彼は、エイドスを視る眼、精霊の眼の持ち主だ。魔法式の構造に関しては恐らく誰よりも詳しい。それに、彼の妹が振動減速系の魔法を好む事もあったのだろう。既に、ある程度の目処が付いていたのだ。黒河はその原案とも呼べる彼の見解を譲り受け、それに対する研究も同時に行う事にしたのだ。

 

現在午前4時。次は振動系プラスコードだ。黒河は、そんな事を考えながら、やっと寝床についた。

 

 




今回ちょっと短いですが、魔法科の新刊に触発されて書き上げました。


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