魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結)   作:tsrg

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行き詰まったので2019年8月くらいにリメイクを書いたんですが、結局設定を一新して1話だけ書いて続かなかったのでここで供養します。もう続きの更新予定は無いです。



新主人公プロフィール
名前:黒河透
性別:男
年齢:15歳(2095年4月時点)
誕生日:12月1日
出自:十師族四葉家の分家である黒羽家に仕える、黒河家の一人息子として産まれた。
得意魔法:移動・振動系統
特記事項:黒河家も例に漏れず精神干渉系魔法を得意とする家だが、透は精神干渉系魔法に関する適正は低く(皆無ではない)、系統魔法に異常なまでの適正を示す。その力は司波深雪に匹敵する程。
隠し設定:司波達也の誕生により、四葉はその力を抑え込む為に司波深雪という完全調整体を生み出した。その過程で実験的に生み出された調整体のうち、奇跡的に生き残った唯一の被験体である。不完全な調整により精神干渉系魔法への適正は低くなったが、その代わりに系統魔法への適正が高くなった。


暴走魔法師!黒河透君! (リメイク版)
第一話


 

 

 

国立魔法大学付属第一高校の入学式当日。俺、黒河透は校舎の構造や設備等の把握の為、朝早くから学校に来ていた。

 

今俺の目の前には、良く知っている奴らがいる。

 

司波深夜が産んだ兄妹、司波達也と司波深雪だ。

 

俺は彼らの異質な力から目を逸らさせる為にここに入学した。カモフラージュという奴だ。上手くいくかは分からないが。

 

妹の方が離れたな。

声をかけよう。

 

「失礼、司波達也殿でいらっしゃいますね?」

「先程から何を見ていた?」

 

鋭い視線を向けられる。

 

「黒河透と申します。以後お見知り置きを」

 

相手は四葉本家の次期当主候補のガーディアン。こちらは分家に仕える身。実際のところ、頻繁に俺を動かしているのは黒羽家ではなく本家の方だが...

そういえば、黒羽貢は今回の任務が決定した際に、非常に苦々しい表情をしていた。

 

「...話は聞いている」

 

「くれぐれも、あまり派手な行動は起こさぬようにご留意下さい。私の首が飛びますゆえ」

 

「時と場合によっては出来ない相談だ」

 

「そうですか。それでは短い命...付き合いとなるかと思いますが、宜しくお願いします」

 

「お前の首はそう簡単には飛ばないだろう。潰すには勿体ないだろうからな。それより、そろそろその口調を元に戻したらどうだ?」

 

「少しはこちらの苦労も理解して欲しいものだな。トラブルメーカー」

 

「いきなり酷い言われようだな」

 

「事実だろう。入学試験でいきなり何してくれちゃってるの?」

 

「どうやらペーパーテストで1位だったらしいな。だが、そこまで問題になるようなことか?現に俺は二科性で、ここでは実技の方が重要視される」

 

「実技が酷い奴が理論で1位ってのが既に可笑しいんだよ。目立つとかいうレベルじゃないぞ。確実に教職員からマークされてる」

 

「そうでもしなければ受からなかった」

 

「それは...同情するが、2位じゃダメなんでしょうか?!」

 

「何故いきなり丁寧語になった?」

 

「21世紀初頭に流行ったネタだ」

 

「?」

 

司波達也は首を傾げている。

 

念のため

 

実在の人物及び団体とは一切関係がありません。

 

「俺はそろそろ行くよ。敷地内を把握しておきたい」

 

「あぁ」

 

波乱の高校生活が待ってそうだ。

 

 

 

入学式が終了した。尊敬する兄が補欠扱いという司波深雪嬢の心境や如何に。答辞に並々ならぬ熱意が込められてたな。

 

見つけた。

 

「やぁ」

 

「あぁ、お前か」

 

「司波君の知り合い?」

 

「まぁ、そんなところかな」

 

「ふーん」

 

「黒河透だ。宜しく」

 

「あたしは千葉エリカ。よろしく」

 

「柴田美月です。宜しくお願いします」

 

「よろしくね。ところで達也、妹を待ってるのか?」

 

「あぁ今丁度」

 

「お兄様、お待たせ致しました」

 

「早かったね」

 

達也が振り返った方向を見ると、そこには司波深雪がいた。

そしてその背後には、生徒会長だ。

 

「こんにちは、司波くん。また会いましたね」

 

“また”?

コイツ早速目をつけられやがったな...

 

生徒会長に無言で頭を下げる達也に呆れた眼差しを向けておく。

 

「お兄様、その方たちは...?」

 

「こちらが柴田美月さん。そしてこちらが千葉エリカさん。2人は同じクラスなんだ。それでこっちが」

 

「黒河透です。以後お見知り置きを」

 

女性陣2人の紹介時と雰囲気が変わった。少しの驚きと納得、それから品定めをしようとする感情。しかしそれらは一瞬だけ表に出たのみで、すぐさま淑女の笑みによって上書きされる。

 

「そうですか...早速、クラスメイトとデートですか?」

 

そっちの方が気になったのか。俺はその場からそっと距離をとる。妹の方、目が笑ってない。

 

「そんなわけないだろ、深雪。お前を待っている間、話をしていただけだって。そういう言い方は2人に対して失礼だよ?」

 

「はじめまして、柴田さん、千葉さん。司波深雪です。わたしも新入生ですので、お兄様同様よろしくお願いしますね」

 

「柴田美月です。こちらこそよろしくお願いします」

 

「よろしく。あたしのことはエリカでいいわ。貴女のことも深雪って呼ばせてもらっていい?」

 

「ええ、どうぞ。苗字ではお兄様と区別がつきにくいですものね」

 

「あはっ、深雪って見掛けによらず、実は気さくな人?」

 

「貴女は見た目通りの開放的な性格なのね。よろしく、エリカ」

 

先程の雰囲気が嘘のように思えてくるような会話をする2人。よく分からん。

 

「ところで、黒河君は司波君と知り合いだったみたいだけど、深雪とは知り合いじゃないの?」

 

こっちに質問が飛んできた。なんで少し離れたのに場所把握してるんだよ。

 

達也に対しては咄嗟にそこそこの知り合いを装ったものの、確かに不自然だな。やらかした。

 

「達也とは今日の朝、入学式の前に知り合った」

 

「ふーん、でもさっき妹を待ってるのかって聞いてたよね?」

 

「あぁ、俺が声をかけたのが丁度達也が司波さんと別れた直後だったからね。達也から色々聞いたんだ」

 

「今日会ったにしては随分と親しげだね」

 

お前にだけは言われたくない。

 

「君達も似たようなもんだろ。魔法工学の話で意気投合したんだよ。な?達也」

 

ここで達也に話を振る。頼むから合わせてくれ。

 

「あぁ」

 

答えは淡白だが、何とか話を合わせてくれた。内心何やってんだコイツとか思ってそうだが、潜入系の任務は不得手なんだよ。

 

「そうだったのですか。黒河君も、お兄様共々よろしくお願いしますね」

 

「あぁ、よろしく」

 

なんとか誤魔化せた。

 

「深雪。生徒会の方々の用は済んだのか?まだだったら適当に時間を潰しているぞ?」

 

話題の切り替えナイス!

 

「大丈夫ですよ。今日はご挨拶させていただいただけですから。深雪さん...と私も呼ばせてもらっていいかしら?」

 

「あっ、はい」

 

「では深雪さん、詳しい話はまた日を改めて」

 

「しかし会長、それでは予定が...」

 

「予めお約束していたものではありませんから。別に予定があるならそちらを優先すべきでしょう?それでは深雪さん、今日はこれで。司波君もいずれまた、ゆっくりと」

 

食い下がった男子生徒に睨まれる達也。また厄介なのに目をつけられてる。これが他人事だったらどんなに良かったことか。横で爆笑してやるのに。氷漬けにされた上に分解で塵にされそうだからやらないけど。

 

「さて、帰ろうか...」

 

「俺はもう行くよ。じゃあな」

 

女性3人の中に達也1人を残していくのは酷い行いのような気はするが、内1人は彼の妹だし、入学早々派手に目立ってくれた仕返しだ。尤も、彼は動じない可能性の方が高いが。

 

先程助け舟を出されたことを忘れて、俺はそんな身勝手なことを思うのだった。

 

 

 







投稿してない間にオリジナル魔法をいくつか考えたのでここに投下します。

災禍の気流
チェインキャストにより、立方体状の加速領域と減速領域を空間上に交互に展開する。
深雪の減速領域と同様に分子レベルに影響を及ぼせられれば、恐らく大惨事になる(はず)。
(主人公の得意魔法を振動系にしたのはこれの為)

灼鬼
空気を薄く断熱圧縮して飛ばす魔法「熱風刃」のアレンジで、断熱圧縮した空気の刃を更に振動系で加熱、発散系でプラズマ化し、グリップの先に固定する。気体,プラズマの流出入と、固体以外の物質へ熱量を与えることを持続的に禁じる。

魔弾
収束系で弾と対象との間の距離を0まで連続的に減少させる。
四葉真夜の流星群のように、干渉力が強ければ防御をブチ抜いて必ず当たる。

ケートス
収束系で対象周辺の海水の密度を低下させて浮力を減少させ、加重系・移動系により沈める。

術式歪曲
魔法式を構成する想子の密度に干渉して魔法式を歪める。大抵はエラーを起こして霧散する(魔法が発動しなくなる)が、稀に元の記述内容が魔法として発動可能な形に歪められて暴走する。

ブラストボール
中に水を注入したパチンコ玉サイズの特殊な金属球を群体制御で操る。
状況に応じて金属球を媒介にして電撃を浴びせたり熱を与えたり、中の水を気化(orプラズマ化),爆発させて榴弾のように扱ったり出来る。



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