魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結) 作:tsrg
一高テロ事件が収束した後、講堂前は警備員によって封鎖されていた。理由は巨大な魔法の痕跡と無数の人としての原型を留めていない死体。封鎖区域の中では複数の教員とブランシュの始末を終えて学校に戻ってきた十文字克人が詳しい原因を調査していた。
「これがウチの生徒によって行われたと?...信じられないですね」
「しかし、他の生徒からの証言では、確かに
「風紀委員会の所属でも、生徒会の所属でも無い生徒だったんでしょう?CADを使わずにこれほどの魔法を、傷一つ負わずに?まさか、預けずに隠し持っていたのでは...」
「それに関しては、まだ分かっていません。明日、自分が直接聞きましょう。どちらにしろ、この件を公にする事は学校にとって不都合なことになるでしょう。先生方は箝口令を敷いて下さい。司法当局との折衝は自分の
「分かりました。それで行きましょう...百山校長への報告は私が」
「お願いします」
翌日4月24日
黒河は一限目から生徒会室に緊急の呼び出しを喰らい、授業を放棄せざるを得なくなった。
生徒会室に入室すると
「ご苦労だった。まずはかけてくれ」
何故か生徒会長だけでなく、部活連会頭がいた。
「十文字会頭?」
「部活連には一生徒に対して、授業を放棄させる権限はない。そこで、生徒会の権限を利用させて貰った」
「じゃ♪あとはごゆっくり〜」
そう言って生徒会長は生徒会室を後にした。
「早速本題に入ろう。昨日、講堂前で侵入者を惨殺したのはお前か?」
「.....えぇ、そうですね。惨殺というのは語弊があるでしょう。正当防衛です。」
「渡辺の話では、お前は制止を無視して一人で外へ飛び出して行ったそうだな。自ら危険を被りに行ったと考えられる。
「.....あぁ、もうバレてたんですね。そりゃそうか...いやね、つい興奮しちゃって」
「お前のソレは余りにも危険だ。言いたい事は分かるな?」
「別に構わないでしょう。その為にわざわざ
「戸惑いなく人を殺せる事を咎めるような真似は勿論しない。ただお前のその殺人衝動が危険だと言っている。暫くは十師族の監視対象となる。専門のカウンセリングにも通って貰う。」
「断る」
「断れば、十師族として見逃すわけにはいかない」
「実力行使なら大歓迎だ。叩き潰してやる」
「そうか、なら
「この場でやろうぜ!」
そう言って黒河は魔法をCAD無しで発動する
振動系魔法
往来の氷炎地獄を大幅にアレンジしたもので、本来一つのエリアを二つに分けて発動する所を、中心と半径を定めた2つ
生徒会室の中と窓を隔てた外に合計15の球体が出現する。その内の14は冷気を放ち、残りの一つ、十文字を囲むように形成されたその球の内部は摂氏3500度以上に達していた。
咄嗟にCADを構え、熱を遮る障壁魔法を発動した十文字だったが...
「がっ!...」
間に合わずに熱が少し入り込んでしまった。急いで内部の冷却を行うが...
「やっぱりCAD準備してたのか...まぁ無駄だ」
障壁魔法を展開しているピンポイントの空間に極小の領域干渉を発動し、障壁魔法を消していく。干渉力は黒河が少し上という程度だが、一点集中すれば簡単に破れる。十文字もランダムに座標を変えて障壁を展開していくが、その度に熱が少し入り込み、その身を焦がされながら冷却に手間を取られる。
追い撃ちをかけるように情報強化した固体窒素の弾丸を浴びせ、もう一つ大掛かりな魔法を発動する。
光波振動系魔法、ヴァナヘイム
エリア内の不可視光線全ての波長を可視光線の領域に調整して、それら全ての
周囲が光に包まれる。
十文字は対物障壁と強い電磁波を防ぐ障壁も張らざるを得なくなった。
ここで劣勢になった十文字はオーバークロックを発動し、視界が遮られる前の相対座標を頼りに攻撃型ファランクスを放つ。
回避する黒河だが、その隙に十文字は自己加速魔法を発動して灼熱の領域から抜け出した。
「やられたっ!クソっ!」
次々に攻撃型ファランクスを放つ十文字。攻守が逆転したかのように見えたが...
黒河は十文字が抜け出した後も更新を続けていた氷炎地獄・灼熱の、灼熱の領域の中心座標と終了条件の時間だけを、一度魔法が途切れた瞬間、再発動直前に
激戦を繰り広げていた二人だが、それは突然終わりを迎えた。
いくつもの巨大な魔法を感知した教師部隊が生徒会室に乱入してきたのだ。本来ならば、被害が出ないように十文字が黒河を演習室まで連れて行く手筈だったのだ。一対多数且つ、相手は先日のテロリストとは比べ物にならない程練度の高い教師。不利を悟った黒河は大人しく降参する事にした。