魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結) 作:tsrg
第三話
黒河の現在地:巳焼島、犯罪魔法師収監施設
「退屈だ」
一人そう呟く。黒河が教師部隊に拘束され、隙あらば暴れて色々な施設をたらい回しにされて辿り着いたのがこの絶海の孤島だった。既に収監されて数ヶ月、現在八月。恐らく魔法科高校の学籍は既に抹消されている。ここの看守との戦闘は最初の一回以降行われていない。黒河に精神干渉系の魔法に対する耐性は無い。絶対に勝てないと分かりきっているため、戦えない。黒河は自身が偶然、もしくは何らかの意図によって生かされた事を理解していた。他の外国の工作員らしき収監者が脱走を図った後戻って来なかったからだ。
とはいえ、新鮮だった監獄での生活もマンネリ化してきていた。そんなところに天啓が訪れた。
「はぁ?どういう風の吹きまわしだ?」
「俺の気分の問題じゃない、上からの命令だ」
というわけで黒河は釈放?されることとなった。
ヘリで護送されること数時間、黒河は日本本土の何処かで降ろされた。更に車に乗り換えさせられ、また移動。途中で無系統魔法の気配を感じたがスルーした。
そうして漸く辿り着いたその場所は、巨大な平屋建ての屋敷、伝統的な日本家屋だった。しかし、中に案内されると内装は和洋混在で無節操。黒河はその中の応接室のような場所に通された。何故か執事のような格好をした人に敬語で暫く待つように言われた。勿論監視と思われる黒服の男は数人控えているが、それ以外は普通の客人に対する対応である。不審に思いつつ待つ事数十分。現れたのは真紅のドレスに身を包んだ女性だった。
「ようこそ、四葉家本邸へ。四葉家当主、四葉真夜として歓迎します」
「は?」
黒河は大いに混乱した。
「まぁ、混乱するのは当然だと思うわ。取り敢えず、色々説明させて頂戴」
黒河の混乱が収まらず、会話に支障が出た為、以下概要
十文字克人と互角に戦ったその実力を評価して、四葉家の分家の子女の内、誰かの婚約者として迎え入れたいとのこと。
数十分後
「落ち着いたかしら?」
「えぇ、まぁ」
「それで、引き受けて頂けるかしら。承諾して貰えれば、将来的に四葉家内部でそれなりの地位を授けると約束するわ。勿論荒事の方面の仕事も回ってくるかも知れないけど」
「拒否すれば?」
「あなたの身分は今現在も犯罪魔法師のままで、ここへ来るのに正式な手続きを経ていない。こう言えばもう分かるかしら」
「...引き受けましょう」
こうして黒河は四葉の人間となった。
「そうそう、二学期からはまた第一高校に通って下さいね。貴方には達也さんと深雪さんのサポートを頼みます」
「え、誰?」