魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結)   作:tsrg

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第五話

横浜国際会議場前のゲリラを粗方片付け終えた黒河は真夜と連絡を取っていた。

 

「で、次はどこ行けばいいんだ?」

『そこから横浜湾の管制ビルの方面に向かう傍、道中のゲリラを目に付く限り排除してください。そこから先は私に指示を仰ぐ必要はありません。戦況のデータを随時送らせるから自分で判断して動いて頂戴』

「了解」

 

秘匿回線を使った通話を切って、早速送られて来た戦況データを確認する。

 

「本当に、どっからこんな情報手に入れてんだ?」

 

黒河は取り敢えず、横浜湾山下埠頭付近に向けて歩き出すことにした。

 

 

 

その後、徒歩で山下埠頭方面に向かう黒河だったが、目的地に近づくに連れて敵の勢力が増加して来ていることに気が付いた。直立戦車なんてものまで見かけるようになり、埠頭へ行くことよりも敵の殲滅に力を入れることにした。

 

 

 

 

横浜国際会議場での戦闘開始から約2時間、黒河は山下埠頭付近に到達していた。撤退を開始している敵の偽装揚陸艦が見える。そして近くには漆黒の兵士達。黒河は彼らに話しかけることにした。

 

「放っておいていいのか?グズグズしてると俺が沈めちまうぜ?」

 

兵士の一人がマスクを上げ、バイザーを下ろす。見知った顔だった。

 

「達也か」

「偽装揚陸艦には攻撃するな。ヒドラジン燃料が積んであるそうだ。環境汚染に繋がる」

「....ヒドラジンか....いや、処理は俺に任せて貰おう」

「何?」

「要はヒドラジンを無害化しつつ偽装揚陸艦を破壊すれば良いんだろう。うってつけの魔法がある。俺に任せろ」

 

達也は今の会話を聞いていたであろう上官の指示を待った。すると

 

『特尉、彼は何者だ』

「...()の人間です」

『彼に任せろ』

「...了解しました。黒河、お前に任せる」

「分かった」

 

偽装揚陸艦は既に沖の方へ進んでいる。黒河はFLTのデバイスで飛行魔法を発動しそれを追いかけた。後ろに達也が付いてくる。

 

「いざという時は俺が分解で対処する」

「心配すんなって。必ず成功する」

 

目標にはすぐに追いついた。

黒河は少し離れた位置で2つの魔法を組み上げ始めた。一つは、9月中旬から四葉の手を借りながら戦略級魔法として開発していた魔法。

 

クローリンデトネーション

収束系で海中の塩化ナトリウムを超広範囲から数箇所に分けて集め、局所的に死海を越える塩分濃度の海を作り出し、放出系でイオン結合している塩化物イオンとナトリウムイオンの電荷バランスを中性に整えて塩素ガスとナトリウム塊を生成し、振動系で加熱する。魔法の制御から解き放たれたナトリウム塊は周囲の水と急速に反応し、水素ガスを生成。水素ガスは周囲の塩素ガスと混ざり合い、加熱され轟音と共に爆発した。

 

偽装揚陸艦が大破する。そして海上には強塩基性の水酸化ナトリウム、そこに強酸性の塩酸の霧が降り注ぐ。内部にいた乗組員は恐らく助からないだろう。

 

黒河が組み上げていたもう一つの魔法は焦土。酸素を集めて燃焼を促進させることでヒドラジンは窒素と水になり、無害化された。ついでに偽装揚陸艦の残骸も錆つき、崩れ始める。まだ掃討戦は終わっていないが、これで侵攻軍は殆ど全滅した。

 

「これは...」

「な?心配要らないって言ったろ?」

「...あぁ」

「当主からの命令はこれで完遂した。お前はどうする?」

「....今軍から帰投命令が下された」

「そうか、なら俺は一足先に帰らせて貰う」

「あぁ、好きにしろ」

 

黒河は山下埠頭の方面ではなく、東京のある方角へ直線軌道で移動を開始した。




今回のクローリンデトネーションはトゥマーンボンバを参考にしました。酸水素爆鳴気じゃなくて塩素爆鳴気ならどうだろうと思ったんです。
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