魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結) 作:tsrg
達也は山下埠頭で柳達と合流し、帰投していた。道中、ふと風間から通信が入る。
『特尉、改めて確認を行うが先ほどの男は四葉の人間なのだな』
「えぇ、そうですが」
『特尉の意見を聞きたい。あの魔法、戦略級になり得ると思うか?』
戦略級になり得る、それが意味するのは、その魔法が一度の発動で一艦隊を葬りさることが出来るという事だ。その質問に達也は
「...えぇ、叔母上と以前連絡を取った時に、彼の魔法力の高さについては聞いています。十分に戦略級魔法となり得るかと思いますが」
『...貴官の叔母君は、君に続き彼を軍属にすることを了承すると思うか』
「自分が此処にいる限りはありえないでしょう」
『この件が終われば、一度貴官の叔母君とは連絡をとるつもりだ。彼を放置しておくことは出来ない』
「自分がこれから
『...仕方がない。最低でも私用を控えるよう約束を取り付けなければならない。先程旅団長とも連絡を取り、そう結論が出た』
「自分からは何も言えませんし、出来る事もありません。健闘を祈ります」
『そうか...』
今回の件は下手を打てば四葉と軍との抗争に発展する。薄情に思えるかもしれないが、達也はそう言うしかなかった。
一方その頃、黒河は
「クローリンデトネーションは想定通りの威力を発揮した」
『そう、ご苦労様』
「と言っても、もう大体の情報は掴んでたんだろ?ったく気味が悪い」
黒河はそう毒づく。しかし真夜はそれをスルーして
『それでもう一つの魔法の方は』
「そっちも言う必要ねぇだろ、中性子分散の方も、後処理含めて異常なしだ」
『こっちも、全てを把握出来る訳じゃないのよ?それにしても、私の流星群の他にも間接的な物質の構造への干渉を引き起こせる魔法が作れるなんて、やっぱり貴方を四葉に引き込んで良かったわ』
「そっちはどうでもいい。それより問題はクローリンデトネーションの方だろ。今回は威力を抑えたが、戦略級の威力を出せることは確実に気付かれたぞ。一体どうする気だ」
物質の構造に間接的であっても干渉が出来る。黒河は、このことの凄さを全く認識していない様子だ。
『それに関しては、こちらに任せて頂戴。うまく纏めておくわ』
「おいおい、まさか軍に売り飛ばす気じゃあねぇだろうな」
『そんなバカなことはしないわよ。貴方が居なくなれば、それは四葉にとっての損失となるのだから』
「どうだかな、今回の2つの魔法だって起動式はそっちも持ってる。俺を切り捨てることにそれ程のデメリットがあるとは思えないんだが...まぁいい。暫く休暇をくれ、疲れた。」
『えぇ、後は暫く好きにして頂戴』
通話が終わって、黒河は思わず溜め息をついた。
「取り敢えず、早く家に帰って休もう。消耗が激しすぎる」