魔法科高校の劣等生 殺人特化魔法師の暴走 (凍結) 作:tsrg
※原作との齟齬があったため、一部を大幅に削除しました。編集前のものしか読んでいないという方はお手数ですがご再読頂きたく存じます。
第七話
2096年1月1日日曜日
四葉家本邸
慶春会
周囲が騒がしい中で、黒河は末席にて沈黙を貫いていた。黒河は殆ど同じ境遇の司波龍郎と違い、既に四葉の内部では身内扱い─但し、魔法力は高いものの魔法師として未熟な為、評価は低い─をされている。しかし、黒河が気軽に話せるのは、当主である真夜だけだ。勿論精神干渉魔法に対する耐性がないという黒河の弱点が、突かれていない筈がない。四葉真夜は既に2つの戦略級魔法という切り札を独占していた。
閑話休題。黒河は誰とも馴染めずにいた。つい先程まで楽しそうに騒ぐ大人達を呆れた目で眺めていたが、そろそろ手持ち無沙汰になってきていた黒河は、昨日の真夜との会話を思い返していた。
2095年12月31日
四葉家本邸
書斎
「USNAのスターズから工作員?!」
「えぇ、今日本に向かっている途中よ」
「一大事じゃねぇか!...ちょっと待てどうやってUSNA内部の情報まで掴んだ?」
「あら、もう慣れたと思っていたのだけど」
「日本国内に関してだ!海外の情報まで掴めるのかよ...どうなってんだこの家...」
「大亜連合の時だって海外の話だったでしょう?」
「アレは日本内部に先行して部隊が入ってたからだろ...まさか違うのか?」
「さぁ?どうかしら」
「...まぁいい。それでどうすんだ?飛行機を撃ち落とすのか?」
「まさか、第四次世界大戦でも引き起こす気?」
「潜入工作員なら外交問題には発展しないんじゃないか?」
「ただの潜入工作員ならね」
「...違うのか」
「十三使徒の一人、アンジーシリウス。彼女が出てきているわ」
「戦略級魔法師だと...USNAは何を考えている?だったら戦争を起こそうとしているのは奴らの方だろう」
「彼らが何を考えているのかは分からないけれど...目的ははっきりしているわ。達也さんと貴方。つまり灼熱のハロウィンを引き起こした魔法師と、大亜連合の偽装揚陸艦を大破させた魔法師の捜索と勧誘、または暗殺。USNA側は既に、クローリンデトネーションの使用者として貴方を特定している。そして、マテリアルバーストの方はまだ絞り込めていないみたいだけど、達也さんと深雪さんの名前が候補者リストに挙がっているわ」
「...なるほど。そりゃあんなに近づいて照準すりゃバレるわな」
「アンジーシリウスは、第一高校に交換留学生としてくるようです。貴方は達也さんと深雪さんに向けられるであろう矛先は無視して、自衛に専念しなさい」
「いいのか?」
「現時点であの二人と四葉との関係を探られる訳にはいきません。但し、自然な形で介入可能な場合は、その限りではありません。貴方の裁量で動いていいわ」
「分かった。常にアンテナは張っておく」
(どうしたものか....)
黒河は心の中でそう呟く。
3人の戦略級魔法師が一挙に集う日は近い....