お役目を任されて大赦で個人の訓練は行っていた。
「今日も銀は遅刻かな」
僕はそう言って未だに空いている席を見ながらそう呟いた。
これが今までの日常だった。
銀が遅刻して安芸先生が出席簿で優しく叩き、鷲尾さんの号令で始まるそこまでは良かった。
でもその瞬間時間が止まった周りの時間だけが止まっていた。
「これって」
そう言った銀に僕は頷く。
「始まった」
僕はポケットに手を入れて端末を強く握った。
その瞬間光が迫ってきて視界は光に包まれ次の瞬間には視界に沢山の木の根が見える。
これが樹海、大橋の方に何かが見える。
アレが人類の敵『バーテックス』それを見た瞬間、足がくすんだ。
今からあんな巨大な敵と戦わないといけない。
その瞬間、頭をよぎったのは『死』の文字だけだ。
死にたくない、死にたくない。
そう思っていると背中を叩かれた。
「行くよ雪兎」
銀はすでに勇者装束を着ていた。
僕はここでどれほど立っていたのだろう。
「分かった」
僕は急いで勇者アプリを起動する。
暗赤紫の勇者装束を着ていた。
「これが勇者の服」
僕はそう呟いて手を閉じたり開いたりした。
今の自分は勇者なのだからお役目を果たさないといけない。
そう思いながら大橋の方まで行く。
「ごめん遅くなった」
三人にそう言いながら自分の武器を取り出す。
取り出した武器は日本刀だ。
「雪兎、行くぞ」
そう言って前に行く銀についていく。
刀に触ると逃げろと本能が叫ぶ。
逃げたら駄目だ僕はヒーローになるんだそう意気込んでバーテックスに向かっていく。
「土居君」
後ろの方から鷲尾さんの声が聞こえた気がする。
バーテックスから水の球体が飛んでくる。
これは危険だと思ったが体が勝手に動く。
「はっ」
刀の鞘で球体を弾いて上に跳躍する。
跳躍した瞬間腕に軽さを感じた。
刀が鞘から抜かれていた。
鞘は水の球体と一緒に地面に落ちていく。
自分がした行動に思考が停止したがこの高さから斬りつけたらそれなるの傷は入るだろうと斬りかかる。
「届けよ」
刀の切っ先が当たる寸前敵から高圧洗浄機の様に放たれた水が刀に当たりのその勢いに押し負けて地面にたたきつけられた。
「ぐっ」
痛い、背中が痛い。
体中が痛い。
これがお役目なのか。
でもこんなことを続けていたら本当に死んでしまう。
痛いのは嫌だ。
でもここで追い返さないと被害が出てしまう。
「僕はヒーローになるんだ」
そう言って刀を使って立ち上がる。
足は震えているけどそんなの関係ない。
僕がやるんだ。
「鷲尾さん止まってないで動いて敵の的になる」
僕は目に映ったことを素早く口にする。
「銀は一回冷静になって」
「乃木さんは意識ある!」
僕はそう言って銀と鷲尾さんの側に行く。
「相手は球体を飛ばしてくるんだから動いていないと恰好の的になる」
僕は鷲尾さんにそう言った。
「銀と僕もそうだけど冷静がなく突っ込みすぎだ」
「乃木さん何かいいアイデアある?」
僕がそう言うと乃木さんは瞳を輝かせながら言った。
「うん、ピッカーっと閃いたよ」
「よし、その作戦を三人で僕は遊撃に回る」
この刀なら球体は斬れる。
「銀、敵は頼むよ」
僕はそう言って拳を前に出す。
「任せとけって」
そう言って拳をぶつけてくれた。
「相手は一体でこっちは四人だから数はこっちが上だから協力したら勝てるよ」
僕は笑顔で最後に言った。
「僕らはヒーローなんだから正義は勝つってね」
そう言い切ったのだけど銀が呆れた風に釘を刺した。
「いや、私達勇者だから」
締まらなかったけどここから逆転するぞ!
後書き設定集
主人公のモチーフの花は『オキナグサ』
オキナグサは花びらのない花です。
なぜこの花を採用したかというと花びらがない=満開までのストーリーには存在しない、本当は存在することない勇者としてこの花を採用しました。
花言葉は「清純な心」「告げられぬ恋」「何も求めない」「裏切りの恋」と言ったものがあります。
この物語の告げられぬ恋が主体となっています。
今回はモチーフの花の設定集でした。