ヒーローになりたかった   作:りりなの

4 / 5
勝どきを上げろ

 僕は乃木さんがどんな作戦を立てるかは分からないけどその間の時間稼ぎはしないといけない。

 

「ここにあった」

 

 僕は落ちた鞘を拾い上げて左手に持つ。

 

「それよりも進行を止めないといけないな」

 

 僕は跳躍して敵の近くまで接近する。

 

 相手に視覚とかそんなものはないと思うけどこっちに気を逸らさないといけない。

 

 僕は左手に持っている鞘を全力で投げる。

 

 これは攻撃であって攻撃ではない相手の意識がこちらを向けばいい。

 

 相手から無数の球体が出される。

 

「この数なら大丈夫」

 

 僕は前に進みながら丁寧に一つ一つ斬り裂いていく。

 

 切り裂く度に感覚が鋭くなるこれなら作戦を待たずに追い返す事ができるんじゃないのかと思ったがそうはいかなかった。

 

 球体が止んだと思ったらこちらに一直線に水が放たれた。

 

「そうだよな!」

 

 ここで避けてしまったら樹海にダメージが入り現実の世界に影響が出てしまう。

 

 だったらやることは決まっている。

 

 刀でこれを防ぎきるしかない。

 

「ぐっ」

 

 どれだけ耐えれようが刀の面積は小さく防ぎきれない水は容赦なく襲ってくる。

 

 体中が切れる感覚がする。

 

 水でも勢いがあれば肉を絶つことがことができる。

 

 僕が攻撃を耐えている間に空中から銀がバーテックスに攻撃を行っていた。

 

 その攻撃で相手の攻撃が止みこちらも動くことができる。

 

「銀、おしいところ持って行くなよ」

 

 僕はそう言ってバーテックス目掛けて跳躍する。

 

 胴体に一閃入れることができた。

 

「鎮火の儀か」

 

 相手が消えていくだけど見ていると違和感を覚えてしまう。

 

 これで本当に追い返しているのだろうかとこのお役目はいつまで続くのか。

 

 バーテックスが消えたことで樹海化がやんで現実の世界に戻ってきた。

 

「大橋だ」

 

 僕の目の前には大橋が見える。

 

 学校にいたはずなのに。

 

「あっ、上履きのままだ」

 

 銀が隣でそんな事を言っていた。

 

 だけど僕は別の事を考えていた。

 

 今回はどうにかなったけどこのままいけば誰かが死ぬ。

 

 もし、連携がうまくいってもバーテックスが二体以上くれば命を落とす。

 

 そう考えながら僕は3人を見る。

 

 もし、そんな事態になったら僕が犠牲にならなければならない男の子だから。

 

「雪兎、迎えが来たぞ」

 

 そう言って笑顔で言う銀に僕はそうだねと言いながら近寄る。

 

「制服クリーニングに出さないと」

 

 僕は銀の側に行ってそんな事を言った。

 

「血だらけじゃん」

 

「うわぁ、怒られるよ」

 

 足の方も見て見るが傷だらけだ。

 

「治療って自分でしないとダメなのかな」

 

「雪兎聞いてなかったのか? この後、大赦で検査だって」

 

 それなら今日は包帯は必要ないと思うけど母に包帯頼むか。

 

 僕は気だるけに端末を取り出し母にメールを出しておいた。

 

 この時、僕は気づかなかった何かが着実に僕の中から欠けてきている事を。




後書き設定集

土居雪兎(どい ゆきと)

土居と聞いたら分かる人が居ると思いますが西暦時代に勇者を出した家系であり今回も当たりを引いてしまった。

雪兎は祖父母から勇者の話を昔から聞いていたので勇者には憧れていた。

ある日をきっかけにヒーローを目指すようになった。

好きなものはうどんと骨付き鳥

苦手なものはお薬


ここからは作者の独り言です。

オリ主の名前を今回土居にした理由なのですが作者の実家も愛媛でして少しばかり家系図を見る機会がありまして結構さかのぼるのですがね土居家との繋がりもあったんですよね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。