魔法科高校の……   作:nekomanma

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プロローグ

-西暦2072年4月-

四葉深夜、四葉真夜の2人は少年少女魔法師交流会に出席する為に台北を訪れていた。

2人は交流会を終え、ホテルへ帰る途中に何者かの襲撃を受けた。

襲撃者達は数が多く、まだ12歳の少女である2人では歯が立たなかった。

襲撃者達の1人が2人を拘束しようと近付いて来た。

 

「やめて! 近寄らないで! 嫌っ!」

「真夜!!」

 

深夜は真夜を背中に庇う。

男が目前まで迫りもう駄目だと思った時、突然男が2人の前から消えた。

 

「え?」

「何?」

 

2人は目の前で何が起きたのか分からなかった。

襲撃者達に目を向けると彼らも動揺していた。

だがそれで終わりでは無かった。

襲撃者達が一人、また一人と次々にぼやけ、歪み、消え失せる。

最終的に襲撃者達は1人も残らず消え、深夜と真夜の2人が佇むだけとなった。

 

「2人とも無事か?」

「「!?」」

 

2人声がした方へ振り返るとそこには1人の青年がいた。

 

「「竜也さん!」」

 

2人は竜也を見るや否や、竜也に駆け寄り抱き着いた。

 

「遅くなってすまない。ここに留まるのは危険だ。一度ホテルに戻るぞ」

「「はい!」」

 

 

ホテルに戻った竜也はまず借りていた部屋を引き払い、別の部屋を竜也の名前で借りた。

これは今までの部屋を四葉の名前で借りており、ホテルで襲われる危険を少しでも減らすための処置だ。

 

「ベットはどうなさいますか?」

「ツインでお願いします」

「かしこま――」

「待ってください!りゅ――じゃなくて、お兄様!」

竜也の右側から抗議の声が上がる。

「真夜?」

「お兄様はどうなさるおつもりですか?」

「俺は椅子かソファーで寝るから必要ない」

「そんなの駄目です!」

今度は左側から声が上がる

「深夜?何が駄目なんだ?」

「お兄様がベットを使わないことが、です!」

「お姉さまの言う通りです!」

「しかし――」

「すいません。ツインではなくキングでお願いします」

深夜がキングにするよう従業員に言う。

「待て!何故キングなんだ?」

「それは私達がお兄様と一緒のベットで寝たいからです!」

「駄目……でしょうか?」

2人が目に涙を浮かべて竜也を見て来たので折れることにした。

「はぁ……分かったよ」

「かしこまりました。キングでよろしいですね?」

「「はい!!」」

「……はい」

「かしこまりました。こちらがお部屋のカードキーになります」

 

 

部屋に入ると2人とも竜也に抱き着き、泣き始めた。

今回の事件はまだ12歳の2人によほど応えたのだろう。

今までは人目があったから我慢していたのだ。

竜也は泣き続ける2人をベットに座らせ、泣き止むまで頭を撫でながら慰めた。

2人が泣き止んだ処で深夜が感謝の言葉を口にする。

 

「竜也さん、私と真夜を助けて頂きありがとうございます」

「ありがとうございます。竜也さん」

「礼には及ばない。それより2人とも怪我は無いか?」

「はい」

「大丈夫です」

「良かった。助けるのが遅くなってすまなかった。怖かっただろう?」

「……はい」

「怖かった……です」

そう言うと2人して竜也に再び抱き着く。

「家への連絡は明日の朝で良いだろう。今夜はもう遅い。今日はもう寝るんだ」

そう言って立ち上がろうとする竜也を真夜が服をつかんで止める。

「どうした?」

「……一緒に寝てくれませんか?」

「…………本気だったのか?」

「……はい」

返事を聞くとやはり今度も反対側をつかまれた。

「私も……一緒に寝てほしいです」

「…………」

「お願いします」

どうしようかと悩んでいると、2人の手が震えていることに気付いた。

「……分かった」

そう言うと2人は喜んだ。

 

 

2人が寝静まった頃、竜也は目を開けていた。

今2人は右隣に真夜、左隣に深夜と竜也を挟む形で眠っている。

2人とも竜也に抱き着いたまま眠ってしまった為、起き上がる事が出来ないでいた。

 

(はぁ、まさかこんな事になるなんてな)

 

竜也は今日襲われる事も、襲って来た連中の正体も知っていた。

()()()()()を調べている時にこの事件について詳しく書かれていた為だ。

崑崙方院(こんろんほういん)に攫われてしまった真夜は、人体実験の被験体にされ生殖能力を失い、深夜によって精神構造干渉魔法によって経験を知識に変えられた。

四葉元造は今回の事件で崑崙方院(こんろんほういん)と大漢政府に報復するがこれにより命を落とすことになる。

しかし今の状況は竜也の知る過去と異なっていた。

本来であれば襲われるのは四葉真夜と婚約者の七草弘一であったはずなのだが、今回襲われたのは真夜と深夜である。竜也の知る限り、深夜は日本にいるはずなのになぜか真夜と共におり、婚約者である七草弘一とは婚約関係にあらずまた、少年少女魔法師交流会に出席する為に台北を訪れているが真夜と親しい間柄でも無いらしい。

 

(これからどうするか)

 

竜也は襲われていた2人を助けるつもりはなかった。

真夜も深夜も竜也にとって敵である。助ける理由など無い。

しかし襲われている2人を見ていたらつい助けてしまったのだ。

何故助けてしまったのか竜也には分からなかった。

顔を右に向けるとそこには寝息を立てて眠る真夜がいた。

寝ている事を確認し、真夜の頬に手をそっと添える。

 

(叔母上)

 

目の前で無防備に寝息を立てて寝ているこの少女が将来自分と妹を苦しめる存在だなんて想像できなかった。

何故なら自分の知る人物と目の前にいる少女の性格があまりにも違いすぎていたのだ。

そんなことを考えつつ少女の唇を親指でなぞる。

 

「ん……竜也……さん」

(ん?起こしてしまったか?)

 

状況を確認するが起きた気配はなかった。

どうやら寝言のようだ。

とりあえず頭を優しく撫でてやる。

 

「ん……すぅ……すぅ……」

 

すると安心したのか再び寝息を立て始めた。

真夜から手を離し、今度は反対側に顔を向けると同じように眠る少女がいる。

 

彼女は自分に対して喋り掛けて来る事はあまりなかった。

自分は妹と彼女の会話を見守る事が多かった。

最初深夜の姿を見た時は、あまりにも自分の妹にそっくりであった為驚愕した。

だが次の瞬間には、自分と妹はこの少女の血を引いているのだからそれも当然かと納得していた。

 

「私が……真夜を……まも……」

(母上)

 

深夜も同じように頭を撫でてやると同じように寝息を立て始めた。

(……朝になってから考えるか)

すると竜也も寝ることにした。

 

この時、2人に向けていた視線が妹に対して向けていた物と同一であると、竜也は気付いていなかった。




初めまして、当作品を執筆させていただいておりますnekomanmaと申します。
まずは数ある作品の中、当作品をお読みいただき誠にありがとうございます。
本作品は「魔法科高校の劣等生」を使わせていただいております。
至らない点も多々あるかと存じますが、ご指導・ご鞭撻・ご教授・ご教示のほど何卒よろしくお願い致します。
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