言われないとドレがネタなのか判らないとは思いますが……
一応、まだ読んでなくて気になる方は見ない方がいいかもしれません。
--Fクラスの教室
……ガラッ
「「おはよう」」
美波と二人で教室へ……黒装束の
明後日からまた忙しくなるなぁ。
「うーっす」
「おはようじゃ」
雄二と秀吉しか居ない。
明日までは僕と美波を入れても6人しか居ないんだけどね。
姫路さんとムッツリーニがまだ来てないのか。
……ガラッ
扉が開いて……工藤さんと姫路さんが一緒に来た。
珍しい組み合わせだな?
「おはよう。ひめ『明久君っ、噂は本当なんですかっ!?』じさん……噂って何?」
「ねぇねぇ。吉井君と美波ちゃんに聞きたい事があるんだけど?」
「ちょっと、愛子落ち着いて」
なんか工藤さんと姫路さんが凄い興奮してるな……どうしたんだろう?
「じゃあ、まずは私から……部活をやっている友達からメールで明久君と美波ちゃんがその……」
あれ……私からって言ってた姫路さんが顔を赤くして俯いちゃったよ?
「ボクが聞くね。吉井君と美波ちゃんに子供が居るってホント?」
「「ええっ!?」」
今はキスしただけで子供が出来るのっ!?
「二人とも真っ赤になってるところ悪いんだが」
雄二と秀吉も僕たちの会話に混ざってきた。
「わしも朝練の時に他の部員から聞かれたのじゃ」
秀吉が真面目な顔で話してくる。
「今、ムッツリーニに噂の出所を調べてもらっているが……」
それでムッツリーニが居ないのか。
「で、ホントのところはどうなんだ?」
雄二がニヤニヤしながら聞いてくる。
くっ……いつも自分が霧島さんに追い詰められてるからって……
「そんな事ある訳が無いだろっ!」
「冗談だ。たぶん何かの見間違いだと思うんだがな」
ちょうどそこへムッツリーニが戻ってきた。
「どうだった?」
「…………発信源は判らなかった。だけど噂は週末から出てきたっぽい」
「ふむ……明久と島田、お前ら週末何をやっていた?」
美波と顔を見合わせてから……
「土曜日は美波の家で御飯作ってたよ」
「そうね。アキのおかげでウチは週末ずっと家に居れたし」
「二人で出かけたりしなかったのか?」
「「うん」」
「じゃあ、一体何処からそんな話が出たんだ?」
雄二があごに手を当てて考えている。
「あ、土曜日は美波とは出かけてないけど葉月ちゃんと買い物に行ったんだっけ」
「ちびっこと?何だ、明久。早速浮気か?」
「ちっ、違うよっ!美波の家の夕飯を作るために材料の買い物に行ったんだ」
「アキっ!妙に葉月が楽しそうに帰ってきてたけど、まさか……」
美波の大きな瞳が僕を睨んでくる。
「でも、そうするとちびっこを明久と島田の子供だと勘違いしてるのか?」
「そう言えばスーパーで清水さんに会ったな」
「美春と?」
「うん。でも、その時に清水さんは葉月ちゃんの事を僕のお嫁さんって勘違いして行っちゃったけど……」
あれ?なんか視界がいきなり暗く……
「アキ~~?アンタやっぱり葉月と……」
どうやら美波に頚動脈を押さえられているみたいだ。
「言い訳をさせてください。お願いします」
僕がそう言うと美波は
「聞いてあげるわ。遺言にならないと良いわね?」
「島田。明久の処刑は後にしろ。それよりどうするかだろ?」
「そうね。判ったわ」
スッと手を放してくれる美波。
でも、そこは判るよりも忘れて欲しい。
「誰が噂を流したか、だが……大体想像はつくがな」
「清水さん?」
「違う。清水なら噂を流すより明久を脅迫するだろ。それにその噂だと島田にも迷惑がかかるしな」
「ウチはあんまり気にしないけどね」
「美波ちゃんは、そういうの気にしないんですか?」
「うん。むしろアキに変な虫が寄り付かなくてウチにとっては良い事だわ」
僕の腕を取って自分の腕を絡めてくる美波。
「そこだ。明久の事を
「多すぎて見当もつかんのぅ」
秀吉が困惑顔でそんな事を言ってるけど……
諦めるも何もそんなに僕はもてないと思うんだけどな。
「加えて土曜の事なのに月曜の朝には、ほぼ学校中に噂が広がっている」
「…………一年から三年までその噂が広まっている。先生にも広まるのは時間の問題」
「そうなるとメールだけで一気に広がるとは考えにくいから日曜にも学校に来ている奴だろう」
「ボクも日曜に部活で後輩のコから聞いたんだ」
「部活をやっていて明久が憎き恋敵となると思い当たる奴が一人居るけどな」
「誰それ?」
僕には、そんな人が全然思いつかない。
そもそも恋敵って……美波の事を好きな人が居るってことっ!?
僕と腕を組んでいる美波の横顔を見ていると……
「アキ、どうしたの?泣きそうな顔して?」
「だって……僕以外にも美波の事を好きな人が居るって……」
「バカね。ウチはアキ以外の人には興味ないわ」
そう言って僕の頬を優しく撫でてくれる。
美波はこんなに優しいから僕以外の誰かが好きになっても当然だろうな。
「それにウチの事じゃないわ。アキを好きな人って事よ」
「僕の事を?」
「とにかくだ。どうしてそいつが明久とちびっこが一緒に居るところを見たのか知らないが」
雄二が僕たちを見回して
「おそらく携帯か何かで写真も撮っているだろうから、それを使ってくれると楽なんだがな」
「なんで?証拠写真になっちゃうんじゃ……」
「本当に明久はバカだな。その写真があれば俺たちが島田の妹だと言えば終わりだろ?」
「そっか」
「なんとかして写真を公開するように仕向ける事が出来ればな……」
工藤さんは朝のホームルームがあるからAクラスに戻っていった。
本当に誰がそんな噂を流したんだろう?
一時間目が終わって次の授業の事で姫路さんと美波が先生の手伝いに行ってる時
「吉井ぃっ!」
突然、ドガン、と扉が壊れかねない音がして勢い良く開き、鉄人が現れた。
「げっ、鉄人!?」
普段なら鉄人と言う単語だけでも怒るのに今はその言葉など眼中に無いくらいお怒りのようだ。
「貴様に聞きたい事があるっ!今、校内で持ちきりになっている噂についてだっ」
「噂ってひょっとして僕と美波の子供の事じゃ……」
「ひょっとしなくてもそれの事だっ。ん?島田は居ないのか」
「美波は今職員室へ行っているかと……」
「まぁいい。噂では貴様と島田が不純異性交遊しているということだが」
むっ。普段の鉄人らしくないな。噂を信じて自分の生徒を信じようとしないのか。
僕の事は酷い事を言われても仕方ないって諦める事も出来るけど美波の事だけは……
(ムッツリーニ。明久と鉄人の会話の録音頼む)
(…………もうやっている)
「そんな事する訳無いじゃないですかっ!」
「俺もそうだとは思うが……ここまで噂が大きくなると一応事実確認もしておかないとだな」
「事実も何も美波はそんな馬鹿な事をする女の子じゃないし、僕は……」
「……僕は、何だ。吉井」
「僕は…………」
…………
……
「で、たぶん島田の妹と一緒に居るところを勘違いされたと思うんだが」
「そうじゃな。島田の妹はよく姉に似てるからのぅ」
「…………(コクコク)」
「そうか、判った。この噂は誤解なんだな」
「そうですよ。まったく鉄人は」
ゴンッ……鉄人に頭を叩かれた。
「痛いっ。いきなり何をするんですかっ!?」
「馬鹿者。鉄人ではない。西村先生と呼べと言ってるだろうが」
普段の鉄人に戻ったみたいだ。するとそこへガラッと扉を開けて美波と姫路さんが戻ってきた。
「ただいまー。あれ、西村先生?」
「ただいま戻りました。西村先生どうしたんですか?」
美波と姫路さんが不思議そうな顔で鉄人を見ている。
次の授業は鉄人じゃないから、こんなところに居るのが不思議なんだろう。
「何、大した用事じゃない。ちょっと吉井を殴りに来ただけだ」
確かに僕は殴られたけど、それだけでわざわざ来る先生が居るかな?
そして教室を出る時に美波に向かって
「こんなバカと噂になるなんて島田も大変だな」
すると美波は僕の腕と自分の腕を絡めるように組んできて
「先生。ウチはこんなバカじゃなきゃダメなんです」
すごく嬉しそうな屈託の無い笑顔で答えた。
(じゃあ、ムッツリーニ。次の休み時間にこれを校内放送で流してくれ)
((コクコク)…………了解)
(しかしこれで本当に写真が出てくるのかのぅ?)
(ああ、大丈夫だろ。少なくてもこれで何かしら動きは見せる筈だ)
(しかし、おぬしも素直じゃないのぅ)
(…………(コクコク))
(なっ、なんだ。二人ともその目は……お前らだって似たようなもんだろ)
(わしらはクラス代表に命じられて仕方なくやっているだけじゃ)
(…………その通り)
(ケッ。ぬかしてろ)
二時間目が終わり、休み時間になると……
ムッツリーニがそそくさと教室から出て行った。
「ムッツリーニ、何処に行ったんだろ?」
「さぁな。トイレじゃないのか」
雄二はそんな事を言ってるけど……
気のせいか、雄二と秀吉が嫌な笑みを浮かべている気がする。
「アキ、どうしたの?」
「なんか嫌な予感が……」
と、僕が言いかけると……キィ-ンと甲高い機械音がスピーカーから鳴り響くと……
『そんな事する訳無いじゃないですかっ!』
『俺もそうだとは思うが……ここまで噂が大きくなると一応事実確認もしておかないとだな』
えっ……これってさっきの僕と鉄人の会話じゃ……
「わぁっ。なんてものが流れて……」
「うるさい、明久。黙ってろ」
雄二が言うと、僕は秀吉に羽交い絞めにされた。
「これはダメなんだって……さっきはみな……むぐぅ」
雄二に口を塞がれる。
「おぬしも照れ屋じゃな。面と向かって言った方が相手は嬉しいもんじゃぞ?」
「まったくだ。代わりに俺たちが伝えてやるよ」
ひぃぃぃ!
さっきは鉄人が相手だったから照れる事は無かったけど……
これが美波に聞かれたら僕は……
『事実も何も美波はそんな馬鹿な事をする女の子じゃないし、僕は……』
『……僕は、何だ。吉井』
『僕は確かに学園初の観察処分者に任命されるくらいバカで』
『覗き騒ぎの主犯になるくらいエッチなのかもしれないけど……』
『でも美波の事は本当に大切にしたいと思ってる』
『そんな一時の気持ちで美波を傷つけるような事は絶対にしないっ』
『僕は……誰よりも一番近くで美波の笑顔をずっと見ていたいんだ』
フッとスピーカーから音が鳴るのが終わると……
「アキ……」
美波が大きな瞳を潤ませながら頬を染めて……
今まで見た事の無い嬉しそうな笑顔で僕に抱きついてきた。
「美波……僕は……」
「アキは本当にバカね。今は何も言わないで……」
そう言うと僕の頬に触れるかどうかという軽いキスをすると頬をすり寄せてきて
「アキを好きになって本当に良かった……ありがとう」
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三時間目の授業を受けている最中……
美波は僕の隣に座っている。
座っているだけなら、よくある光景なんだけど……
(美波?)
(アキ、今は授業中よ。静かにしなさい)
(うん。でも……)
美波が僕にぴったりくっ付いて座っている。触れるかどうかじゃなくて、思いっきりくっ付いている。
気のせいか、遠藤先生は……僕と美波をちらちら見ながら頬を少し染めて授業をしている。
(美波?先生も変だって思っているんじゃ……)
(やっ。ウチはアキと一緒に居たいの)
そう言うと僕に身体を預けるように寄りかかってくる。
これは余計な事を言うと更に状況は悪化しそうだ……Fクラスの
--お昼休み 掲示板前
「あれ?なんか面白い物でもあるのカナ?」
「あ、愛子。見てよ、これ。噂の吉井とその子供だって」
「へぇ……でも、この子は美波ちゃんの妹の葉月ちゃんだよ」
「えっ、そうなの?」
「うん。ボクも一緒に御飯食べた事あるし」
「なんだ。やっぱり噂はデタラメだったのね」
「そう言えば、うちのお母さんが近所のスーパーで小学生くらいの女の子をお嫁さんにしてる男の子がいたって言ってたけど」
「それって吉井の事かな?」
「ひょっとして吉井が島田さんと付き合ってるのって、この妹狙いじゃないの?」
「愛子ってFクラスの人たちと仲が良かったでしょ。何か聞いてないの?」
「アハハ。どうなんだろ?ボクもそこまでは聞いてないよ」
--お昼休み Fクラスの教室
「あの、美波さん?」
「はい、アキ。あーん」
「あーん」
もぐもぐ……
「ふふっ。アキ、美味しい?」
「うん」
「良かった」
満面の笑みで僕にお昼のお弁当を食べさせてくれる美波。
ここでも僕にぴったりくっ付いている。
「美波、ちょっといいかな?」
「どうしたの?」
大きな目でジッと僕を見つめてくる美波。
「僕にくっ付いていて動き難くないかなって……」
「全然そんな事ないわよ」
笑顔で即答された。
「今日はウチ、ずっとアキと一緒だからね」
すごく幸せそうな笑顔の美波に言われると……断りにくいな。
「…………そう言えば、さっき放送室から戻ってくる時」
「ん?どうかしたのか、ムッツリーニ」
霧島さんにぴったりとくっ付かれて雄二も食事をさせられている。
「…………学園長と知らない人たちが隣の教室を見ていた」
「ババァがスポンサーを連れて現場を見せて修繕費用を
「いつまでも穴を開けたままと言う訳にもいかないしのぅ」
「そう言えば、僕たちの処分はまだ保留だったんだっけ」
「ああ、そうだな。多分穴が塞がったら何か言ってくるんじゃないか」
「そっか」
--放課後 掲示板前
あれ……掲示板の前にずいぶん人だかりが出来ているな。
「なんだろ?」
「明久とちびっこの写真が飾ってあるんじゃないのか」
「だったら子供って言うのを否定しないといけないね」
僕が美波と、雄二が霧島さんにくっ付かれて帰ろうとして掲示板の前を通ろうとすると……
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【学園則変更通知】
文月学園則第12条5項
『学生恋愛の全面禁止』
是を新校則として
上記項目に追加制定し、
校則を変更するものとする
文月学園学園長 藤堂カヲル
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僕と美波の関係が友達に戻った。