Make me life!   作:Clear2世

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明らかにおかしいタイトルだけど、このSSは健全なのでなんの問題もないネッ。
タイトルが全てと言ったが


























アレは嘘だ。


Make me sister

人は寝ている時、突然体がまったく動かなくなる現象いわゆる金縛りに陥ることがあるという。

金縛りっていうと、心霊的な何かが関わってると思う人も多いだろう。だが実際はそういうわけではないというのが科学的に証明されてるらしい。

ま、そこら辺のことはさておき……どうやら今の俺は金縛りにあっているようだ。

誰かが俺の上に乗っているような重みを感じ、腕は……左手がなにかに掴まれてるようで動かしにくいが、右手は普通に動かせるな。足は……これもまた左足だけが動かしにくい。

って、この時点で金縛りじゃないだろ。アレか、意識が覚醒したばかりだからか、考えが上手くまとまらない。

とにかく、目さえ開けてしまえば

 

「見慣れた天井ちょっと待て」

 

確かに真っ先に視界に入ったのは真っ白に染まった何の変哲もない天井。

それはいい、然程問題ではない。問題なのは俺の胸辺りから足先まで感じる温もり。

少しだけ頭を上げると、人一人分ぐらい盛り上がった掛け布団が。

過去の経験から推測すると、俺が体験したのは金縛りではない。

ゆっくりと掛け布団を捲っていくと、まずは黄色のブーメラ……じゃない、アホ毛が。

さらに手を進めていくと、見慣れた黄色の髪の毛が。

 

「やっぱりな……」

 

もうめんどくさくなったので、一気に捲るとそこには案の定、俺の上に乗って寝息を立てる妹がいた。

左手が動かせなかったのは、妹が右手で握っていたからか。で、左足が動かせなかったのは……まるで逃しはしないと主張するように妹の足が巻き付いていたからか。

で、腹辺りに感じるこの異性特有の柔らかい感触は……道理で心地よい感じがするわけだ。ていうかコイツ、俺より二つ下だってのに発育よすぎないか?恵美のやつもアタシの時より絶対でかかったって言ってたしな。

……って、俺は妹相手に何考えてやがんだ。たしかにコイツは可愛いし、昔から俺の後を犬みたいに追っかけてきてたし、甘やかしたくはなるがそれは家族愛だからであって、決して不純な想いではなくてだな――――

 

「んー……」

 

俺が心のなかで葛藤しあってると、敷布団を剥ぎ取られて寒気を感じたのか、妹がもぞもぞと身動ぎしだした。

 

「はれぇ……おにーちゃん?…………えへへへぇ、おにーちゃん。ぎゅーーーっ」

 

舌っ足らずでこちらの顔をじーっと見つめてきた後、満面の笑みで抱きついてきてくる。

おうふ……制服越しからでも感じる感触と、思わず撫でたくなる笑顔の破壊力がやばい……控えめに言っても天使やな、うちの妹は。

 

「おはよう翼。良く眠れたか?」

 

「おはよ~~。……むぅ、ほら、おにーちゃん。おにーちゃんもぎゅーって抱きしめてよ」

 

「はいはい」

 

好きにさせていたというのに、うちのお姫様は不満だったご様子。要望に答え、右腕を腰に回してやり左手を頭の上に置いてやる。

すると、膨らませた頬はあっという間に空気がなくなり、こちらの胸元に顔をすり寄せてくる。

我が妹ながら、小動物みたいだな……

 

 

 

伊吹翼。我が妹にして天使。

シスコン?うるせぇ!かわいい妹をかわいいって言って何が悪い。

ちょっと癖っ毛気味ではあるけれど、翼の明るさを象徴するような綺麗な髪の毛。翼が風呂に入った後、髪を梳かしてーとかねだって来るときがある。昔からやっていた為、しょうがないのかもしれんが、俺が遠回しに断ろうとすると『ダメぇ……?』などと捨てられた子犬のような目で見てくる。

かわいい妹からそんな目で見られたらダメとは言えず……これに限ったことではないが、翼からのお願いを俺は中々断れない。いやまぁ、内容にもよるが。

そんなこんなで、俺が甘やかし気味であった為今となっては翼は甘え上手な小悪魔と化し……2個下の我が妹はお兄ちゃん離れができないお兄ちゃん娘になってしまったのだ!

 

 

いやまぁ、俺だけじゃなくて父さんも母さんも甘かった所はあるが。特に父さんは俺よりもダダ甘だったからな。

うちの娘は嫁にやらん!とか酔っていなくとも、素で宣言するくらいだし。

ち、違う。俺は悪くねぇ……俺は悪くねぇ!翼が目に入れても痛くないくらいかわいいのが悪いんだ!俺は悪くねぇ!!

 

 

……コホン。親善大使さんごっこはさておいて、さすがに翼が悪いことをしたらそれは兄として当然叱るぞ?

甘やかす時は甘やかすが、怒らなきゃいけないとこはちゃんと言っておかないとそれは翼の為にならんしな。

俺とてそこら辺の区別はしっかりしてるつもりだ。

家は両親共働きだし、父さんは今単身赴任で家に帰ってくるのは3ヶ月に一回くらいだし、翼に厳し目(それでも世間一般からしたら甘いだろうが)の母さんも朝から夜遅くまで仕事だったりするしな。

なので、必然的に翼と関わる時間が一番多いのは俺になるのだ。

世間一般の兄妹ってのはそんなに仲が良くないってのを良く聞く。実際周りの奴も俺と翼の仲が良すぎないかなんて言ってくるのは日常茶飯事である。

仮に翼から「お兄ちゃんなんて……大っ嫌い!!」なんて言われた日には翌日、部屋で首を吊る自身がある。

 

 

「時に翼よ?」

 

「んふ~~、なーに?」

 

「お前はなんで俺の布団に?」

 

そう。寝る前の記憶の引き出しを引っ張り出してみるが、翼が俺と一緒に寝た覚えはない。

翼からそっと離れると、綺麗な真紅の瞳がこちらを捉える。

……我が妹ながら身内フィルターを差し引いたとしてもかわいい妹だよな。

翼と同年代の男共はどう思っているのやら。俺に対してやたらスキンシップが激しいが、クラスメイトの男子にもこんな風にボディタッチとかしているのだろうか。

むむ……見知らぬ男子にすら嫉妬してしまうのか俺は。シスコンなのは自他共に認めて入るが、翼の恋愛は自由だ。

俺がとやかく言うつもりはない。

 

「えっとねー、おにーちゃんがいつまで経っても起きてこないから起こしにきたんだけど……」

 

「おう」

 

なんかオチが読めた気がする。

 

「気持ちよさそうに寝てるおにーちゃんを見てたら、なんか眠たくなっちゃって……あはっ」

 

だと思った。

普段は翼が起きるより早く俺のほうが早く起きることが大半だ。だいたい、翼が俺を起こしに来るのではなく、俺が翼を起こしに行くケースがほとんどである。

俺はそんなでもないが、翼は朝に弱い。起こしに行っても、素直に起きることの方が珍しい。

 

「まったく……年頃の女の子が気安く一緒の布団に入ったらダメだろ」

 

「こんなことおにーちゃんにしかしないからいいのー」

 

兄冥利に尽きることを言ってくれるじゃねぇか……!じゃないじゃない、俺はチョロインか。

全力でタップダンスを踊ろうとする衝動をグッと抑え、翼を諭そうとする。

 

「そういうことじゃなくてだな、お前はつい最近とはいえアイドルになったばかりだろ?だってのに兄相手とはいえだな」

 

そう、妹はアイドルだったのです……うん、翼に聞いた所服を買いに行った所、定員にモデルの依頼をされ、ファッションショーをすることになったらしいのだが、その後にプロデューサーと名乗る男に765プロダクションの39プロジェクトの一員としてスカウトされたらしい。

夕食の時、母さんが保護者として765プロダクションに手続きに行き、「あの星井美希ちゃんに会ったわよ~~、いやぁアタシファンになっちゃったわ~~」だとなんとかサインもらったのどうこうやたら自慢してた。

星井美希とか765プロダクションはあまりアイドルに詳しくない俺でも名前くらいは聞いたことがあるくらいには有名。

765プロダクションの公式サイトを見てみたが、あの星井美希ってアイドルどことなく雰囲気が翼に似てる気がするんだよなぁ……なんか俺の第六感がそう告げている。

 

翼自身もすっごいノリ気でいて、「私のファン第一号はおにいちゃんだねっ!はい、私のファンクラブの会員証だよー」なんて、手書きの翼が書かれた手作りらしき会員証を渡された。

まぁ、アイドルのことはようわからんが、何事にもチャレンジするのは良いことだと俺は思っている。翼がどういう目的でアイドルをやったのかは教えてくれなかったが、せっかくなんだし、頑張りなと俺個人的には応援している。

ちなみに、この話を聞いた父さんは

 

「絶対に認めんぞぉ!!うちのかぁいいかぁいい翼ちゃんにあんなハレンチな衣装なんて……衣装なんてパパは認めんぞぉ!世のマゲッツ(※蛆虫のこと)共に翼ちゃんを思春期男子特有のエロイ目で見させてたまるかぁ!!!翼ちゃんはパパと結婚するんだい!!ほら、翼ちゃん!パパが通販で買ったこの衣装を着てみないかい!?」

 

激流の如く反対していたが、翼の「お父さんなんて……だいっきらいっ!!!」発言にKOされた。

当時うちの食卓で飯を食べていた恵美からもうわぁ……とドン引きしていた。

その後、母さんに夜通しで折檻されていたようで……やたらツヤツヤしていた母さんと体にある成分をすべて摂取されたかのようなゲッソリとしてた父さんが印象的だった。

 

 

「だーいじょーぶっ。うちの事務所って恋愛とか自由みたいだし、お兄ちゃんと週刊誌に噂されるなら私は別にいいかなーって」

 

えぇ……それでいいのか765プロ。他のプロダクションとかもそんな感じなのか?有名所で言うと346プロとかも961プロだとかだが。

……それにしても、今なんか引っかかった所があったが……

 

「とゆーわけでっ。おにいちゃん、ドーン!」

 

「うぉっ!」

 

考えている所、翼に両手で押し倒された。唐突のことだったので、そのまままた布団の上に倒れた所を翼が馬乗りになる。

 

下から見上げる形になる翼の表情はさながら餌を目の前にした虎のような捕食側の目だ。

甘いものも大好きな翼だが、どっちかと言えばビーフステーキとか焼肉が好きな肉食系である。

い、いやー。さすがのお兄ちゃんも物理的に食われるのは嫌かなー!

 

「おにいちゃん……最近おにいちゃん成分が不足してるし、ちょっとくらい補給しても……いいよね?」

 

アカン。目が据わってる。舌なめずりをし、俺の胸元辺りに指を這わせてくる今の翼を見る人が見れば、たまらないものがあるだろう。

今の俺からしたら別の意味でたまらないものがあるが。

 

「最近アイドル活動ばっかりで、おにいちゃんと遊べないし……皆と歌ったり踊ったりするのは楽しいけど、それでも私はおにいちゃんと一緒のほうがいいんだもん……」

 

「つっても、先週の日曜日に買い物に付き合わなかったっけ?」

 

「……………………昨日私がレッスンしてる中、恵美さんとカラオケ行った」

 

それが本音か!

フイッと明後日の方向を見て口を尖らせる翼。

てか、昨日の今日でもう知ってるのか。大方、恵美が翼にLineか電話で喋ったんだろうが。

 

「たしかに行ったけど……翼には予定があったししょうがないだろ?」

 

「むぅ~~~そうだけど、そうだけどっ!私も久しぶりにおにいちゃんと恵美さんと歌いたかったのにぃーー!」

 

ボスボスと腰を上げては下げて、俺の体に衝撃を与えてくる。

レッスンで嫌というほど歌ってるだろ?

……なんてことは口が裂けても言わない。さすがにそこまで空気が読めない男ではない。

 

「ちょ、ごふっ。お、重いからやめろって!」

 

「あ~~!重いって言った!女の子に重いなんて言ったらダメ!」

 

「さらに激しくすんなって!ヘビー。You are heavy!」

 

「流暢に英語で言ってもダメっ!」

 

「あーダメ!そんな朝から激しくしたら(意識が)逝っちゃう!翼がベリー重すぎて逝ってまう!」

 

「名指しで言ったな~~~!もーっ許さないんだからっ!このっこのっっこのっっっ!イッちゃえ!意地悪なおにいちゃんなんてイッちゃえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、アンタたち朝っぱらから何してんのっ!」

 

このやり取りはいつも通り窓の向こうから勘違いしてやってきた恵美が来るまで収集はつかなかったとさ。

 

 

 

 




オリ主君の名字は伊吹だったとさ。
翼みたいな妹がいたら甘やかす自身あります(キリッ
今日はバレンタインですね。ミリシタではお気に入りのアイドルからチョコをもらえますが、皆さんはどうでした?
私はもちろん恵美からもらいました。勘違いしてしまうやろ……!















とまぁ、世間はカップル同士がイチャイチャしてる最中私は引きこもってSS書いてますよっと……あれ、なんだろう。目から汗が……
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