もし、パラケル君が最初からいたら   作:あびゃー はぴぴぴー

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 はい なんでこんなとんでも主人公ができちゃったんでしょう


太陽傾き

 

 ...マジか。確かにそう思った。

 「―そうだ、立香くん。属性を検査しておかないか?」

 始まりは、ダ・ヴィンチちゃんのそんな一言だった。

 「ええ。っと、...属性って?」

 「魔術を使うときの...いわゆる、炎の力で強化!とか、水の力で変化!とか、そういうものだよ。魔術における得意分野、属性。そんなものかな?」

「なるほど。じゃあ、お願いします。」

 ...「は?え、えーっと...はははははは!何だこれは!おーい、ロマニ!オルガマリー!来てくれ!」

 ...そう、この時点で何か嫌な―予感はしたのだ。だから、逃げようとしたのだ。しかし、前からロマニ。後ろから所長。これじゃ逃げられない。さて―

 「属性は、面白いことがわかった。いや、本当支離滅裂になるくらい。とりあえずこれを見てくれ。」

 そう差し出したのは、診断書を。...は?いや、軽くオカルトはかじってる。だからわかるが、いや、その通りとも限らないのだが、えーっと...

 「風36本、虚30本、無22本、西18本。素質こそあるが、普通の魔術回路―しかし、特殊な属性が多いようだ。」

 ...西?いや、日の沈む、というか、寝付きは早いが、せいぜいその程度だろう。というか、それ以外に特に関連性が見当たらない。

 「あ、アナタ...起源覚醒者!?どころか、虚無に風って、ええ!? きゅぅ...」

「マ、マリー!?ちょっ、メ、メディーック!」

 「医者はロマニ、君の方、だよね?」

「はっ、そうだった、パラケルスス君も呼んで看護しよう!」

 ...騒がしいことだ。というか、一体どういうことなのだ?とりあえずダ・ヴィンチちゃんに聞いてみよう。

 「えーっと、ダ・ヴィンチちゃん、風とかまではわかるんだ、パラケルススから魔術を習ったから。でも、虚と無と西って?...」

「ああ、虚と無は新しく、というより最近発見されたような元素なんだ。いわゆるダークマター、存在はするけどよくわからない、みたいな物として。そして、「西」だけど...起源覚醒者、というのを知っているかい?」

「起源...?いや、知らない...です...が...」

「丁度いい、説明しよう。起源というのは、その人の在り方。本能、本質ともいえるね。その影響を受けて魔術回路が変質することもあるし、特殊能力に目覚めることもある。...つまり、固有の本能的特性ともいえるね。」

 ...?つまり、本質は西と。なるほど、...朝起きるのが早いくらいしか思い付かない。もしくは。寝るのが早い、かもしれないけど。

 「えーと、つまり?」

「知らない内に本能に目覚め、しまいにゃ貴重な人材ときた。妙なやつに捕まらないよう気をつけることだね。」

 ...このようなことである、ひどい。

 

・ー・

 

 ...つまりフロギストンが扱えたのも虚無の聖と。なるほど。ふん、強化...何だコレ。使っていたらコバルトの鉄パイプができた。...概念:火に強いという謎の金属を思い浮かべたらこうなった。それどころか妖精的な力が宿っている。...取り返しのつかないことをしているのではないだろうか。では、次に。マッチ売りの少女でも具現化してしまおう―かと思ったその時。「藤丸君!」

 ...まさか、魔術師か何かに見つかって―「あー、僕ムニエルって言うんだけど、空想上のものでも作れるんだよね?」

 ―想定外の来客だ。

 

・ー・

 

 ...つい、オタク魂に火がついてしまったのだ。だから、つい―悪くない。なんて、言うつもりもないけどね!「責任はこっちが取る、ちょっと作って欲しいものがある。」

 そう、ほんの、気の迷いなのだ。

 「サーヴァントを作らないか?」

 

・ー・

 「は?」

つい、そう口に出してしまった。何を言ってるんだ、この人は。いや、サーヴァントを作るなんて―

 「いや、君のその魔術属性ならイケるんじゃないかと思って。」

 はぁ...ただ、話だけ聞いてみよう。

「いわゆる、サーヴァントになりきれない奴、ってのがいるんだ。多分。過去に未練が、認知に少ない、といった問題がある。そしてそいつらは多分英霊と同じもんだ。なら、作れるんじゃないかと思って。」

 ...とんでもないことを言い出す人だが、いい話だ。一理―...なんとなく―なんとなく、やめた方がいいような―いいか、乗った!

 「よし、乗った、その話、乗らせてもらおう!」

 「<半ば、冗談だったんだが...>まぁ、そう来たら作るか!」

 

・ー・

 そうして、僕らは、辿り着いた。ある仮説に。成仏できない、座に行けない、英雄が、居ることを。

 それからは早かった、まさに西の起源を発揮し、一気に活性化。日の沈みから陰陽を導き出し、急に、そして、簡単に、

 頓挫した。いや、正確には、何故かよくわからないものができた。...何だコレ。

 

・ー・

 

 ...何だコレ?...女の人?...凶骨を使ったのが悪いのだろうか。聖晶石を使ったのが悪いのだろうか。そして、出てきたのは。「ぁ―ん枚。4まぁい。」

ん?これ、もしかしておき―「ぁっ、割れちゃった!ひ、ひろってくださらない?」

 「―え?―ぇーっと、はい。どうぞ。」

 「あ、ありがとうございます。ああ、宝具が。

...ぁっ、私(わたくし)、お菊と申します。サーヴァント、アサシン。召喚に応じ、参上致しましたわ。」

 ―は?




 はい、導入で作ったサーヴァント、お菊さんです。幻霊のため、ステータスは低いです。
 筋力:E 耐久:D
 敏捷:C+ 魔力:A
 幸運:A+ 宝具:EX
スキル:妖術A+
   :魔力放出(皿)B+
   :プランニングA+
   :抑制B+
   :ダブルクロスC+
   :無辜の怪物C-
   :呪術B+
   :専科百般D+
   :畏怖の叫びB+
   :アイテム作成B+(皿を作り治せば...!と思い習得したらしい。つまり、ある程度の皿や魔術的道具は作成可能。

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