魔神王が断つ!   作:なと〜

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更新が遅れました!

結構難しくて…何かあれば訂正します。


趣味:殺戮→少女のセコム又の名をロリ(ry

 親衛隊設立より早くも三日経とうとしていた。

 

 

 突然だが、三日あれば何ができるだろうか?

 三日…つまり72時間だが、睡眠や食事などの生活に必要不可欠な行為に時間をさくとすると、意外と時間が無い。

 不眠不休、食事無しのブラックな職場なら72時間ぶっ続けで仕事ができる。だが、疲れると仕事の精度が落ちて、結果的に効率が悪くなるのがオチである。

 

 

 

 なぜこんな話をしているのかというと…

 

「今日で何件目ですかな…」

「今日で14件目です。この後もう一件行く予定らしく、それで15件目になりますね…」

 

 宮殿の一室。とある二人の高官が話をしていた。

 彼らは大臣派と呼ばれる派閥に所属しており、文字通り大臣に媚を売り、私腹を肥やしている連中である。

 彼らの最近の話題は、ゲーティアと呼ばれる男と彼が設立した『皇帝直属親衛隊』である。

 彼らは設立後、すぐにありとあらゆる貴族、高官を摘発し、処刑あるいは監獄に収容した。そのスピードは凄まじく、不眠不休で動いている。

 しかも、正規の手続きに則っているために、表立って批判できないのが一層、大臣派の不安を煽っている。

 

「大臣殿ではありませんが…」

「ええ、ストレスで太りそうですね……」

 

 彼らに魔の手が迫るのもそう遠くないだろう。

 

 

 

 __________

 

「で、結果は?」

「はっ、出撃した暗部の半数が撤退し、残りは現在も行方不明です。おそらく、もう…」

「はぁ〜〜」

 

 所変わり、ここはオネスト大臣の自室。

 現在、彼は極秘裏に暗部の者から報告を受けている。

 昨日、絶対に足がつかないように、人伝いに金で暗殺者を雇い、ある一団に仕向けさせた。

 言うまでもなく、親衛隊に向けてである。

 

 だが、結果は酷いもの。

 良くて暗殺、少なくともなんらかの情報を手に入れようとしたが、わかったことは、『親衛隊は強い』『全員がそれなりに顔立ちが良い』くらいである。

 

「もういいですよ。そこの報酬を持って下がりなさい」

「はっ」

 

 暗部の人間が立ち去った後、一人物思いにふける大臣。

 

(これは手強いですねぇ…なんとか彼らを手懐ける方法を探らねば…)

 

 未だ、皇帝陛下が言うことを聞いてくれる(・・・・・・・・・・・)内に、ゲーティアを服従させるか、始末する方法をみつけなければ、と考えていた。

 

 

 

 その時だった。

 

 

 

 ドゴオオン‼︎

 

 

 轟音が宮殿に響いた

 

 

 __________

 

「何事だ!」

 

 帝国最強の一人、ブドー大将軍が近衛兵を連れながら宮殿に来た。ブドー大将軍は宮殿警護を主としており、宮殿で暴れれば即刻ブドーの帝具による粛正が待っている。

 

「た、助けてくれ…」

「き、貴様!なんのつもりだ!」

 

 爆音が発せられた場所に来てみれば、大臣派の貴族達が重症を負い、それらを見下す女性(・・)がいた。

 

 女性は黒を基調としたドレスを身に纏い、長い銀髪をたなびかせながら、とても似つかわしくない怒気を発している。

 

「貴様、ここを宮殿と知っての狼藉か。女とは言え容赦せんぞ、親衛隊(・・・)

「…関係ない」

「なに!?」

「ここでこいつらを始末する。それが()の命題であり、彼女たち(・・・・)への鎮魂であり、救いとなる」

「貴様の命題だろうが何だろうが関係ない。ここは陛下の宮殿で、貴様はそこで暴れる者。今はそれだけで十分だ」

 

 ブドーはすぐさま帝具『アドラメレク』を構える。しかし、女性はそんなことは関係ないと言わんばかりに、眼下の貴族を見ている。その眼は異常なまでに赤かった。

 ブドーが帝具で突撃しようとし、飛び出す瞬間…

 

「グラシャ=ラボラスに命ずる!『今すぐ!神殿に戻れ!』」

「なっ!待て!私はまだ…」

 

 突如、部屋に皇帝が入るやいなや、命令を下し、女性(グラシャ=ラボラス)を無理矢理、時間神殿に帰還させた。側からみたら女性が突如消えた様に見える。

 どうやら皇帝もかなり急いで来たようでゼェゼェと息を切らしている。

 

「陛下!大丈夫でございますか?あの女は!?」

「はぁはぁ……だ、大丈夫だ、ブドー…後はゲーティアが始末をつける」

「そうでございますか…了解いたしました。この場の後始末は我々が」

「うむ、すまんな…」

 

 かくして、この騒動は終わりを見せたが、その後、襲われた貴族と大臣が介入してきたのは想像に難くない。

 

 

 ___________

 

「ダンタリオンより報告。グラシャ=ラボラスに精神干渉および外部操作の痕跡なし。その他の不具合も確認されない」

「グラシャ=ラボラスより憤怒。先の行動は全て私の独断であり、後悔はない。今すぐにでもあの害獣供を殺戮すべきである」

「パイモンより反論。あの者たちの処分は小さくない政治的混乱を招く。下手をすれば我々の計画が破却する可能性すらある。今回の騒動によって我々の計画達成が延期となる可能性が極めて高いのだ。恥を知れ、グラシャ=ラボラス」

「ラウムより庇護。グラシャ=ラボラスの意見は個人的に同調できる。彼の憤怒は正当なものであり、卑下されるものでは無い」

「統括局より判決。グラシャ=ラボラスはしばらく任を解く。外部の世界を見て美しきものにふれてくるがいい」

 

 

 

 

「で、現状は?」

「グラシャ=ラボラスは拘束解除してやった。万が一のために廃棄孔を中心とした部隊が組まれている。そしてやはり、件の貴族が訴訟を起こした。いずれ大臣が便乗してくるだろう」

「やっぱりね…そういえばグラシャ=ラボラスはなぜ宮殿であんなことを?」

「本人曰く、『少女たちを助けるのに理由などいらん』らしい」

「ん?『少女たち』って?」

「件の貴族だが、自らの地位を使って年端もいかぬ少女たちを陵辱しているという情報が入っている」

「……なぁ、ゲーティア「駄目だ」まだ何も言ってないのに!?」

「おおよそわかる。『その少女たちを救いたい』だろ?それには計画の大規模な変更が必要だ。我々はその貴族が失脚した際の政治的影響と奴らの悪行を天秤にかけ、影響が少なく、異常な行為をする者達から粛清している。件の貴族の失脚は不穏分子介入の可能性となる。そもそも当初の計画ならばひと月(・・・)で全ての腐敗原因を除去し、その後に改革に乗り出そうとしていたのだ。我々の理想国家のためにはお前(皇帝)の独裁制を利用したスムーズな改革が必要不可欠なのだ。そのために私が直々に帝王学(・・・)を教えることでお前を十分な王の器にし、なおかつ、大臣や将軍、高官どもへの慎重な処置をしている。一つ間違えば現在の政治体系が崩れ、理想国家は幻想へと消えるのだぞ」

「わかっているけど…そうだ!以前ゲーティアがやったように無理矢理(・・・・)粛清すればいいんじゃないか?」

「人聞きが悪いな。以前とはあの余興のことだろう?捕まっていた者の脱出を手引き(・・・)して、証拠の書類をきちんと盗ってきた(押収した)だけだ。あの時は時間が無かったからな。多少手荒にさせてもらったが、今回は違う。魔神柱(我々)の過度な介入はこの世界の異常変革を意味する。そうなれば再び(・・)我々の計画は破綻するやもしれん。魔神柱(我々)はある程度介入を抑制し、なおかつ、この事案の早期解決を目指す。そのためには一か月が必要なのだ」

 

 ゲーティアの意見をまとめると、魔神柱たちの世界の技術がこの世界に広まれば、この世界の技術は過度な発展を遂げる。そうなれば魔神柱たちの予測外の問題が発生しないとも限らない。あの戦い(・・・・)を経験した彼らだからこそ、例え別世界であろうと『人間の可能性』を無視できないのだ。

 

「…やっぱり、粛清のスピードを上げるしかないか」

「そうだな。幸い、我々も慣れてきた。今夜、残っていた一件を片付けよう。明日からは一日に6件は行けそうだ」

「流石。被害者(・・・)のケアの状況は?」

「ほぼ全員の身体的損傷は回復した。後は精神的損傷だけだが、こればかりは本人次第だ」

「そっか…望むものがあればすぐに手配させよう。そのまま続けてくれ」

 

 ゲーティア達の粛清活動は、三段階に分けられる。

 第一段階、粛清対象の悪行の証拠収集と皇帝の粛清許可。これは観測所の成果によりほぼクリアされている。

 第二段階、対象の身柄拘束もしくは排除。中には護衛をけしかけてくる連中もいるが、魔神柱たちには大して意味をなさない。

 第三段階、後始末。暴行被害者の保護や汚職の証拠収集などである。これが最も時間がかかるのだ。

 被害者の中には心に深い傷を負った者や半死半生の者もいる。彼らの治療には時間がかかりすぎる。かと言って手を抜くのは論外である。

 その結果が一日に5件という、(魔神柱からしたら)遅いペースの粛清である。

 

 

 

 __________

 

 

 私の名前はグラシャ=ラボラス。ソロモン72柱、序列25位の魔神柱である。

 今、私は帝都をぶらぶらしている。だが、決してさぼっているわけではない。

 元はといえば、宮殿にて偶然、あの害獣達の話を聞いてしまったのが原因だ。

 

『最近入ってきた奴ですがね、最初は泣き叫んでたんですが、もうすっかり従順になりましてね』

『あの少女か。全く淫らな女ですな。幼いのに根は淫乱でしたか』

『『ギャハハハハ』』

 

 会話の内容ですぐさまこの害獣が少女を害し、全く罪悪感を覚えていないことがわかった。

 すぐさま私は焼却式を放った。人間に模していたため、出力は落ちたが害獣に重傷を負わせる程度にはなった。

 他の魔神柱たちならばここまではしなかっただろう。だが、私には我慢ならなかった。

 

 あの世界で私がなぜ踏み込んだのかわからなかった特異点(・・・)

 だが、個を得た今ならば理解できる。

 彼女達、魔法少女達に私は同情していたのだ。願わくば彼女たちの力になりたいと。

 自らの自意識と力を削りながらも、私はあの少女、ナーサリー・ライムの使い魔となった。

 その後、彼女(ナーサリー)が、彼女達(魔法少女)がどうなったかは知らない。だが、時間神殿に現れた二人の魔法少女を見るに悪い結末(バッドエンド)では無かったのだろう。

 

 この世界に魔法少女はいない。だが、それがどうした。目の前で泣き叫ぶ少女たちを救わない理由は無い。

 我々(ゲーティア)の計画など関係ない。これは私の意思だ。私の、最後まであの少女(ナーサリー)に付き添えなかった使い魔の行動だ。

 贖罪などと言うつもりはない。私は必ず、彼女達(少女達)を救済する。

 

 

 

「美しきものか…星の獣でもあるまいし、この憤怒は収まりなどしないがな」

 

 帝都の広場。そこのベンチにグラシャ=ラボラスはいた。

 彼(彼女?)の姿はナーサリー・ライムの成長した姿と言っても良い。

 流石に子供の体では不便が多かったので大人の身長にしたが、胸も腰も控えめである。

 

 現在の時刻は昼過ぎであるが、子供の姿はあまり見えない。

 現在の帝都は治安が良いとは言えない。

 スラム街では窃盗や詐欺など日常茶飯事。帝都警備隊がパトロールしているが、奥まった場所までは手が回らない。最も、警備隊の内部にも問題があるのだが。

 そんな中、子供を自由にさせればどうなるか。下手すれば誘拐。最悪、無残な死体がゴミ捨て場に転がっているだろう。

 故に、中心街の極一部の場所でしか子供を遊ばせない。そんな親が出るのは仕方が無い事だろう。

 

(幼子が自由に遊べぬ時代とはな…)

 

 グラシャ=ラボラスは先の貴族達のことを忘れたわけではない。だが、ここで駆除に動けば、すぐさま他の魔神柱たちによって時間神殿に連れ戻される。

 ならば今は耐えるしかない。

 奥底で燃え滾る怒りを抑えながら、グラシャ=ラボラスは彼女たちを救う計画を考える。

 

我々(ゲーティア)の計画の欠陥は全ての救済までに時間がかかることだ。彼女達は今を、一秒を苦しんでいるのだ。すぐさまの救済を必要としている。だが、私には代案が無い)

 

 ベンチから立ち上がり、豪華な商店街に足を向ける。

 

 

 

 

 

「よぉ、姉ちゃん。俺らとイイ事しない?」

 

 絡まれた。少し考えれば分かる事である。

 超絶可愛い美少女であるナーサリーの成長版なのだから、周りからしたら最高の美女である。絡まれない方がおかしい。

 

「姉ちゃん、聞いてんのか?」

「黙っていろ(cv:杉田)」

「!?」

 

 余談だが、通常のグラシャ=ラボラスの声はナーサリーボイス(cv:野中)である。ただイラついてたりすると元の魔神柱ボイス(cv:杉田)に戻るのである。

 

「お、おお…だいぶ渋い声だな…まぁ別にいいか。ささ、行こうぜ、姉ちゃん」

 

 グラシャ=ラボラスは知らないが、このチンピラ達はこの周囲を縄張りとする組織の人間であり、地方から来た人間を売買している。

 故に周囲にいる人々は恐ろしくて彼らに関わろうとしない。

 

「…最後通告だ。失せろ」

「…仕方ねえな。やるぞ」

 

 すぐさま、周りを取り囲んでいたチンピラ達が女性に襲い掛かる。

 だが、彼女は魔神柱が人間に変化した存在である。純粋なステータスもそこらのチンピラの数倍である。

 加えて、現在のグラシャ=ラボラスは不機嫌極まりない。手加減など微塵もあるはずがない。

 

 

 

「ご協力感謝します!」

「いや、別に大したことは無い」

 

 結果、グラシャ=ラボラスはチンピラ全員を半死半生にし、騒ぎを聞いて駆け付けた警備隊に全員引き渡された。

 このおかげで、謎の美女は表では突如舞い降りたステゴロ天使、裏では組織に喧嘩を売った馬鹿な女として認知されたのは、完全な余談である。

 

 

「おすすめを一つ」

「はい。少々お待ちください」

 

 所変わって、ある喫茶店にグラシャ=ラボラスは来ていた。

 魔神柱である彼には食事は必要ないが、気分である。仕方ない。

 しばらくすると、おすすめであるパンケーキが運ばれて来た。どこか既視感があるのは気のせいだろう。監視をしている魔神柱の一つが消滅したが気のせいだろう。

 

「…悪くないな。食事は我々には不要なれど、娯楽は良い。もしや我々にはこれが足りなかったのやもしれぬ」

(あっ、これはこれは。今月の分でございます)

「うん?」

 

 店の奥からぼそぼそと声が聞こえる。通常の人間の聴力では聞き取れないが、魔神柱での聴力では聞き取れる。

 気になり、遠視と併用して聞き耳を立てる。

 そこには小袋を渡す店の店主とそれを受け取る男。受け取っている男の服装には見覚えがある。帝都警備隊の制服である。

 

『いや~毎度毎度すまんね。ちゃんと隊長に渡しとくよ』

『いえいえ、こちらこそ。あんたらのおかげで色々とやりやすくてね。それはそうと、さっき店に入ってきた女、例の女かい?』

『多分な。気を付けな。多分明日には無残な死体か慰み物だろうぜ』

『おっかないですな~』

(……吐き気がするな)

 

 早々にパンケーキを平らげ、代金を払うと店を出る。

 ちなみに代金は粛清した貴族の財産の極一部を摂取したものである。

 

 

 

「はぁ…全く度し難い」

 

 今日だけで改めて突き付けられた帝国の実態。

 一度観測し、今は(・・)許容したとは言え、こうも身近に感じると再び憤怒が湧き上がる。

 いずれ矯正するものであっても()、存在しているという事実が許せない。

 

 だが、全てを無かった事(・・・・・)にはしない。全能を誇るゲーティア(我々)ですら全てを無きものにし、尚且つ美しいもの(愛や希望)のみを救う手段が無い。光があるところに影が必ずできるように、人間の悪性と善性は表裏一体。どちらか片方だけなど人間と呼べない。

 故に、我々は妥協し、皇帝を主軸とした独裁国家を創造し、最良の王と魔神柱(我々)によって民を管理し、統制する理想国家を創り出そうとしている。

 だが、グラシャ=ラボラス()はこの過程に納得できなかった。だが答えが間違っているとは思わない。

 過程を変え、答えを変えない方法があるのか?その問いに私は大いに苦しむ。

 

 

 

 _____________

 

 

「そちらは?」

「グシオンより標的の一人の死体を発見。胴体を輪切りにされていた」

「ブエルより報告。こちらには娘の死体があった。刃物で斬られた痕跡があり、まだ死体は熱を持っている。同時に倉庫内に多数の拷問被害者発見。中には死して時間が経っていない者もおり、救護を望む」

「了解。生命院所属ビフロンスが向かう。ブエルには応急処置を頼む。最悪の場合は死の安らぎを彼らに」

「フォラスより報告。警備員の死体から呪殺の痕跡発見。帝具『一斬必殺村雨』の仕業によるものだ。よって下手人はナイトレイドである」

「マルコシアスより報告。標的と行動を共にした少年が見つからない。寝室には痕跡が残っているが行方不明。ナイトレイドに連れ去られた可能性がある」

「現場隊長バルバトスより結論。この一件はナイトレイドの仕業と断定。ビフロンスとブエルには被害者の処置を頼む。観測所一同はナイトレイドのアジト特定を求める。少年の安否が確認され次第、彼については判断しよう。ナイトレイドについては情報室と協議されたし」

「アモンより了解と報告。グラシャ=ラボラスが帰還し、我々の計画について推敲を求めている。より多くの同胞の参加を希望する。至急、時間神殿に帰還せよ」

 




グラシャさんの独白はオリジナル要素とある小説のグラシャさんが混ざってしまった結果です。あの小説が神すぎるんや…

更新は出来るだけ頑張ります。凍結はさせないぞ!
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