The Story of White Country   作:zakki0620

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第一話 はじまり

ー これはあったかもしれない国の話 ー

むかしむかしあるところに雪に閉ざされた国がありました。その国には2人の子供がいました。1人は男の子で名前はエレミヤ・ウィリアムズ、もう1人で女の子で名前はエレナ・リゼットフォン。2人は毎日のように森に行き雪の中に埋もれている木の実を探したりして遊んでいました。2人とも家族はそれほど裕福ではありませんでしたがなんてことの無い日々が幸せでした。

そんなある日のこと、エレナは父親と喧嘩をしました。父親はエレナが生まれた後母親と離婚して、その後エレナを1人で育ててきた、訳でもなくほぼ育児放棄に近い状態でした。しかしエレナはそれが当たり前だと思っていました。なぜなら生まれた時からそのように育てられてきたから。

そんな父親となぜ喧嘩をしたのか。父親は昔から賭け事が好きでした。おそらく最近負け続きだったのでしょう。お金が無くなって色々な人から借金をしていました。そんな父親がお金を稼ぐためにやろうとした事、それは仕事に精を出す事ではなく娘を売ることでした。その事を知ってしまったエレナは父親と話をすることに。その結果喧嘩へ発展してしまったのです。

「なんでお父さんは私を売ろうとするの……!やめてよ……私エレミヤと離れたくない!ずっと一緒にいるんだよ!?」

この時ばかりはいつもは何があっても顔ひとつ変えないエレナも形相を変えています。

「仕方ないだろう。俺は今金がないんだ。俺みたいなダメ人間が今更仕事に精を出す、なんて出来るわけねぇだろ?な?買われたところで新しく友達を作ればいいさ。お前ならやっていける」

「嫌だよ……私……ここを離れたくない……」

「本当は手荒なことはしたくなかったが……この際仕方ねぇなぁ……」

エレナに殴り掛かる父親。とっさにエレナは台所に逃げました。

近くにはナイフ。後の事なんて考えている余裕などエレナにはありませんでした。そのナイフを父親に向けて

「もうやめて……!私、ここから離れたくないの!今なら間に合うから、お父さんもお仕事を少しでもいいからしてみよ?ね?」

しかし父親は考えを変えなかったようです。

「分かった……でも仕事を始めるにしろお金が必要なんだ……頼む……分かってくれるよな……?俺の娘だもんな……?俺だってこんな事したくないさ、でも俺が生きていくためなんだ?一生俺の事を恨んでもいい、だから……な?」

そういうと父親はエレナを捕まえようとこちらへ向かっていきます。

 

 

エレナは何があったかよく分かりませんでした。しかし目の前には先程まで生きていた人の死骸があります。エレナも見覚えのある人です。そしてエレナは自分の持っているナイフが血塗られている事に気が付きました。自分の雪のように白い手に鮮やかな血が眩しく、エレナは目が眩みました。

そしてやっと理解しました。

「そうか……私はお父さんを殺したんだ……自分を育ててくれた人を……殺したんだ……」

その時です。エレミヤがエレナの家に来ました。

エレミヤは家の状況を見て一言

「これは、エレナがやったのかい?」

頷くエレナ。

「どうして……こんな事したんだ?君の父親だろう?君がこんなことをするなんて思えない?何があったんだ?」

「お父さんが私を売るっていうから……私怖くて……気が付いたらお父さんのこと刺してて……私も死んだ方がいいんだよね、自分を育ててくれた人を殺すなんて……」

エレナは涙ながらに説明します。

「そんなことはない。君の気持ちも良く分かる。だから……逃げよう。そうだ一緒に逃げよう!このままいたら捕まっちゃう!」

「でも、私捕まって当然の人間よ。親を殺したのよ!?」

「君がいなくなったら僕が寂しい!君がどんな人でも僕は君と一緒にいたいんだ!」

そこでエレナの考えは変わりました。エレミヤと生きたい、私の罪を一緒に背負おうとしてくれたこの人と……!

 

こうして2人の逃避行が始まるのです。

 

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