東北きりたんが、結月ゆかりを大好きな短編小説集   作:甘味処

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結月ゆかり視点です。


①ゆかりさんによる、きりたんルート突入&突破RTA

私、結月ゆかりと東北きりたんとの出会いは、彼女の姉である東北ずん子さんの家(名家らしく、すごい豪邸だった)にいつものメンバーでお泊まりに来ていた時だった。

 

 

 

 

 

「はじめまして。ずん姉さまのお友達ですね。ゆっくりしていってください」

丁寧な言葉に、丁寧なお辞儀。

初対面における彼女の印象は、小学5年生とは思えないほどに、しっかりしていて好感を持った。

けれど、一線を引いたような...物静な彼女が他者に対して作っている壁、のような物を同時に感じた。

 

 

 

 

 

「結月...さん?も、このゲームやってるんですか?って、えっ、【Yukari】って...」

神がかっている料理スキルを持つマキさん主導で昼食を皆で作り、きりたんを昼食に呼びに行くと、ドア全開の部屋で私も最近嵌っている

FPSのゲームをやっていた。

話してみると良く協力プレイをしていたフレンドだったらしく、そのまま肩を並べてゲームをすることに。

 

 

 

 

 

「ゆかりさん。このルートの方が速く行けて、有利になりますよ?...あれ?そこ飛び越えられたんですか!?ってことは...」

ふんふんと息をあらげて、密着して私が持つタブレットの画面を覗き込むころには、

きりたんへの最初の静かなイメージなど吹っ飛んでいた。

そして、心配して見に来たIAさんが現れ...そこでようやく昼食のことを思い出した私は、きりたんとセットで微笑ましいものを見る目で見られてしまった。不覚。

 

 

 

 

 

 

「この体勢、2つも画面が見れて、新・感・覚!ですね!!さあ、ゆかりさん!!夜はまだまだ長いし、がんばりましょう!」

昼食をすました後も、きりたんの部屋に誘われ、そのままゲームをすることになった。それは夕飯を食べ、一緒にお風呂に入った後も続いた。

 

昼に比べてさらに積極的に部屋に引っ張られた私は、きりたんぽやずんだ餅?型のクッションを背に、ベットに座らせられた。

そして割と遠慮の無い動きで、きりたんが私の膝の上に乗る。

私はきりたんの膝の上に手を置いて、操作を始めた。

 

 

 

 

 

 

「くぴー、くぴー」

小学生らしく夜10時を超えたあたりで私の胸を枕に寝落ちした。私も、きりちゃんごと毛布をかぶって、すぐに寝てしまったらしい。

 

朝、幸せそうなきりちゃんの寝息の他に、鳴った電子音に目を覚ますと、

抱きつくように寝入った私ときりちゃんの様子を琴葉姉妹に写真を撮られていた。画像はLINEグループに拡散済みだった。...不覚。

 

 

 

 

 

「やだ!!ゆか姉、帰っちゃダメ!!…そうだ!ここに住んで、私のお姉ちゃんになってください!!私の部屋を使って良いですから!!!」

ニヤニヤとした周りにからかわれつつも、朝食をいただき帰ろうとするとパジャマ姿で起きたきりちゃんが、

必死にしがみ付いて来て、泣いて無理を言い出した。残念ながら東北弁は話せないので《東北ゆかり》になるのは無理だと思う。

それよりも、いつも泰然として余裕が滲み出ているずん子さんの苦笑いは初めて見た気がする。

妹を寝取ってしまった謎の罪悪感があるのだが、不可抗力だ。

 

 

 

 

 

「♪~♪~♪~~」

この子の懐きやすさと言うか、チョロさ具合に将来を不安に思いつつ、何とか説得して私は帰ることができた。

ただ、帰路は私の部屋に一泊することが決定して鼻歌を口ずさむ、上機嫌な、きりちゃんの手を握りながら...だったが。

...私、押しに弱いのだろうか。自身の将来にも一抹の不安を感じた。

 

 

 

 

 

「ゆか姉!今日こそは朝までゲームしますよ!寝たらたたき起こしちゃうからね!...あっ、もちろんゆか姉と一緒なら別のゲームでもOKですよ!」

その日は敬語が崩れるほどに興奮しながらゲームをした、きりちゃんは、その代償なのか夜9時前に寝入った。

 

...のは良いのだが、寝る寸前に寝ぼけながら体の向きを変え、しがみついてきた。安心しきった寝顔と、小学生だからか高い体温に、私も睡魔に襲われる。

写真を撮られてからかわれた時に、同じ過ちはしないと誓ったの...に......zzZ

 

 

 

 

 

「くぴ、くぴー...」

次の朝、東北家のお迎えが来た。

運転手付きな黒塗りのリムジンに起さぬように きりちゃんを載せて、一連のお泊りイベントは終わりを迎えた。

 

迎えにはずん子さんのお姉さんにしか見えない絶世の和装美女なお母さんが、

『こんなに、この子が気を許すなんて...』

『結月さん、ぜひ許婚に...』

『代々東北家には、《生やす》薬があるから跡取りも問題無いから...』

とか言っていたが、そんなエロ同人誌的なブラックジョークを朝から切り返せるはずも無く、日本人特有のなぁなぁな会話で流しておいた。

 

と言うか、お宅の娘さん、多分一緒にゲームすれば誰にでも気を許す気が...ちょろすぎて不安になるレベルなんだけど。

 

 

 

 

 

「ゆ、ゆか姉...じゃなくて、ゆかり、さん。その、す、末永くよろしくお願いいたしますです...です。」

...あの時、なあなあで返すのでは無く、しっかり断っておけば良かったと後悔したのは、その日の夕方に、きりちゃんからLINE通話で、

めちゃくちゃ意識した挨拶を聞かされた後だった。色々吹き込まれて、きりちゃん自身も覚悟を決めたらしい。どうしてこうなった。

...ふ、不覚。

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