東北きりたんが、結月ゆかりを大好きな短編小説集   作:甘味処

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結月ゆかり視点に戻ります。


⑪ゆかりさんと、懺悔するきりたん

「ゆかりさん。ちょっとお話しが...いえ、懺悔したいことがあります。」

前座と成り果てた勉強を終え、メインイベントのゲームをしようとベッドに腰掛けると、きりちゃんはいつもと違い、横に座って私の袖を引っ張りながら神妙な面持ちで話しかけてきた。

 

懺悔?...と言うか真剣な所悪いんだけど、きりちゃんに真剣な表情は割と似合わない。...空気を読んで口には出さないが。

 

 

 

 

 

 

 

「その、昨日ゆかりさん、すぐに眠ってしまったじゃないですか。」

 

昨日...確かに疲れていて、夕食後はゲームをしないで眠ってしまった。

そう言えば、久しぶりにきりちゃんに抱き付かれずに寝た気がする。

 

まあ、朝起きると結局くっついていたが。しかも互いに抱き合って。...最近寒いから、きっとしかたがないはずだ。うん、しょうがない。

 

 

 

 

 

 

 

「その時にですね。あの、眠って意識が無いゆかりさんの...て、手を、使って......えっと、その、」

顔を真っ赤にしてそわそわとし出す、きりちゃん。

話しの内容が何だか不穏になってきた。きりちゃんがこれまで要求してきた様々な卑猥なことが思い出される。ネットで仕入れた情報らしく小学生とは思えないマニアックなものが多々あった。

 

...やばい、寝てる間に私何されたし。この場合でも私は小学生に手を出したロリコン判定されるのだろうか。

でも私の...手?何だろう。想像できないけど、何かマニアックなことをされたのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆかりさんの手と...こ、恋人つなぎをして、あげくぎゅーっと抱きしめて眠っちゃいました!!」

 

思わず漫画、もしくは芸人のような、ズッコけるリアクションを取る所だった。

 

...小学生か。いや小学生だったけ。いやまあ、それぐらいなら普段と変わらないし別に構わない。と言うか、珍しく反省してるみたいだったから、いつものノリでもっとヤバイことしたのかと思った。

 

 

 

 

 

 

 

「いつもは、ダメだったら止めてくれるじゃないですか。でも意識が無いゆかりさんに対してだとフェアじゃないと言うか、何だか信頼を裏切ってしまったような、罪悪感が時間が経つたびに強くなってきて......」

 

しゅんとする、きりちゃん。

...うん、この子、とっても良い子だよね。いつもの言動を見てると不安になるけど。

まあ普段欲望をぶつけてくるってことは、ある意味この娘なりの信頼の形なのかもしれない。

 

頭を撫でつつ、とりあえず抱きつくのも手を握るのも問題ないと伝えてあげる。

 

 

 

 

 

 

「ただ握っただけじゃなくて恋人繋ぎ何ですけど...あれ?つまり、恋人としても受け入れてくれたってことですか?」

 

違う。そうじゃない。

 

 

 

 

「む、むぅ。気持ちは落ち着きましたが、何だか不満です。...それなら、今すぐ手を握っても良いですか?」

別にいいよと、隣にいるきりちゃんの手と繋ぐ。もちろん、きりちゃん御要望の繋ぎ方だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆10分経過☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふへへ...ずぅっとこうしていたいです。」

手を繋いだ最初は、目を丸くして口をへの字にして借りてきた猫のように黙っていたきりちゃんだが、しばらくすると余裕が出てきたらしく、指に力入れたり、ちらちらこちらを覗きこんできたり、話しかけてきたりしてきた。

 

何だか凄く楽しそうな様子に、釣られて楽しくなってきた。

 

 

 

とは言え、手を繋いだままだとゲームができないし、ずっとは嫌かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むっ!私とゲーム...どっちを取るんですか!

!」

 

頬を膨らませ、口を尖らせるきりちゃん。

いやどっちって、きりちゃんと一緒にゲームするの楽しいから両方を取りたいんだけど...と自分でもデリカシーの欠片も無いなと思う発言をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ、うぇ...?」

そんな言葉を聞いたきりちゃんは、瞳を大きく開き、顔が真っ赤に染まった。効果音があるならボンッって感じに。

 

...私に好意をもってくれてるのは知ってたけど、今のセリフに真っ赤になって、喜ぶような所があったのだろうか?

ゲームと自分を選べないって言われたら、むしろ怒る場面じゃ?と疑問に思っていると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「同じです...私も、ゆかりさんと一緒に遊んでて、とっても、楽しい、です。」

 

繋がった手にキュッっと力を入れ、じっと視線を合わせたきりちゃんが告げる言葉にドキリとする。

 

 

 

 

数瞬前に感じた疑問が解けた。

 

楽しい事に共感してくれる事って、こんなに嬉しいことだったらしい...やばい、嬉しくて顔がにやけて、何だか照れてしまい頬が熱くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...照れてる。ゆかりさん、やっぱかわいいです」

さらにじっと覗き込むように見つめてくるきりちゃん。口元には私をからかうときに見せる不敵な笑みをしているが、いつもと違い、きりちゃんの頬も真っ赤だ。

 

 

 

何故だか、繋がった手を離したくない。いや、理由は何となく分かる。手を離すと繋がった気持ちが離れてしまうような、そんな予感のせいだ。

 

そんな気持ちもあいまってか、いつもよりきりちゃんがかわいく見える。

...いやいや、落ち着け。きりちゃんは小学生。ロリコンじみた考えは捨てるべきで...いやでも手を握ってるだけで別に変なことはしていないし、姉妹的な好意だと考えれば問題無いのだろうか。

 

 

 

 

 

その後、終わらない自問自答によく分からなくなった私は、同じく嬉し過ぎてよく分からなくなってそうなきりちゃんの提案をのみ、

お互いに片手づつ出し合って一つのコントローラを操作するよく分からない協力プレイをした。

 

握った片手の離れ難さは、次の日の朝に起きると互いに両手で抱きしめ合うために自然に離れていたらしく、無事解決した。

 

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