東北きりたんが、結月ゆかりを大好きな短編小説集   作:甘味処

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ツイッターで、次話は【入れ替わりネタ】って言いましたが、内容が18禁になって書き直し中なので別の話題を書きました。
明日9/23ずんだぱーてぃー(同人誌即売会)に頒布側として参加させていただくのですが、同じ会場で琴葉姉妹イベント?も開催するらしいので、それを記念してこの話しを書いてみました。(イタコさんゴメン)(それと特に茜さんの口調、変なところあったら訂正してもらえると嬉しいです。)
 
宣伝ですが、成年向けのゆかきり小説本を初同人なのに50部も刷ってしまったので当日買ってもらえたら凄いうれしいです。(B5、短編四話、40P程、300円予定です。)

〜追記〜
以下を修正しました。完全に勘違いしていました。誤字修正機能およびツイッターで速攻で指摘して頂き感謝です。
【琴乃葉→琴葉】


㊴三姉妹になりたい琴葉姉妹と、ゆかりさんときりたんと、ちょっとだけずん子さん【ずんぱ記念】

「それでな、葵と話し合ってたんや。苗字はどっちになるのかなーって。」

「結月きりたん、東北ゆかり...どっちもかわいいですよね。でも東北家の方々のゆかりさんを見るヤバ...情熱的な視線的に、多分ゆかりさんが嫁入りかなって」

その日、東北家でずん子さんときりちゃんと琴葉姉妹で遊ぶ約束をしていた私は、手ぶらでお邪魔するのもどうかと思ったので、琴葉姉妹と雑談しつつ近くのコンビニでオヤツを買いにきていた。私のコミュニケーション能力が及ばず、雑談の内容は変な方向に進んでしまっているが。

 

会話の内容を変えたい所なのだが、修正しようとしても姉妹のコンビネーションはすさまじく、気づいたら私ときりちゃんについて話している。

 

この姉妹、東北姉妹とは別方向に姉妹仲が良く、2人分以上の力が無駄に発揮されてる。力を合わせることで単純な足し算以上の力を発揮すると言う、少年漫画でよくあるやつだが...残念ながら私はそれを受ける側だ。友情パワーでパワーアップする主人公勢を見る敵キャラ視点ってこんなんなのだろうか。

 

...しかし会話をしているとこの姉妹、本当に阿吽の呼吸だと改めて思う。テレパシーでも使いあっているのかと思考が横道にそれていると、

 

 

 

 

《ゆかりさんっ、ゆかりさんっ...聞こえますか?》

 

本当にテレパシーが頭に響いた。

何だか凄い聞きなれた小学生女子の声な気がしたが、きっと幻聴だろう。

しかし、響いた声にとっさに脳裏に思い浮かんだ親友は、弾んだ声の調子も相まって瞳をキラキラさせた楽しそうな姿で、思わず口元が緩む。

 

 

 

「んーお菓子、どれ買おうか悩むなぁ...ゆかりさん、きりたんとずん子さんはどれが好みなん?知り尽くしてるよな?...ゆかりさん、何か良いことでもあったんか?」

「ゆかりさん?ニヤついちゃってどうしました?...もしかして、きりたんちゃんの事ですか?大丈夫ですよ。ゆかりさんが選んで上げたお菓子をあーんして上げたら、きっと喜んでくれますよ。」

両隣から覗き込んで微笑みかけてくれる2人。...うん、頭に響いた声は空耳もしくは幻聴として気にしないでおこう。2人の会話を聞くに私の風評被害は思ったより深刻そうだし。これ以上悪化させたくない。

 

 

 

《ゆかりさーん、貴女の愛しの恋人...きりたんですよ!》

しかし無常にも頭に響く声は続く。...ああ、うん。幻聴とか空耳とかじゃないや、これ。

恐らく頭の髪飾りをピョコピョコ動かしながら嬉しそうに告げる声の主は、明らかにきりちゃんだった。多分、テレパシー的な魔法を使えるようになって、さっそく試しているのだろう。いつものパターンだ。だけど、周りに人がいる今はやめて欲しい。

 

 

「へっ?きりたん?」

「ゆかりさん。きりたんちゃんはお家でお留守番ですよ?...もう少し我慢できませんか?」

思わず、きりちゃんという言葉を口から零し、2人に聞かれてしまった。何のことだか分からなくて呆けている茜さん。そして困ったように眉根をよせて、まるで私がきりたん欠乏症にでもかかっているかのように話す葵さん。思わず口元が引きつる。

 

 

《あれ?繋がってませんか?音量が足りないのかな?...でもあんまり大きく伝えると、ゆかりさんの脳がパーンって......》

何かテレパシー先からやばい事を言い始めたので、急いで返事をする。聞こえてるよ、きりちゃん。

 

 

 

 

「...あかん。葵、ゆかりさんが脳内のきりたんと会話し始めたで。...手遅れや。」

「うん、お姉ちゃん。分かってたけど末期だね。でも幸せは人それぞれだから...」

 

気の毒そうと言えば良いのか、微妙な表情でコソコソ話し合う2人の誤解を解くべく、何とか現状を伝える。いや、頭の中にきりちゃんの声が響いて...

 

 

 

「...うん。分かってるでゆかりさん。大丈夫や、帰ったらすぐにほんまのきりたんがいるからな。それまで我慢やで」

「...おねえちゃん、ゆかりさんは先に帰って貰って、きりたんとイチャイチャしてもらった方が良いかもしれないよ?」

《良かった、繋がったんですね!あっ、そうだ。コホン、...ファミチキください。》

 

天然の茜さんと冷静に心配してくれる葵さんからの、私の心の病への深まる疑惑。そして思い出したようにネタを付け足すきりちゃん。全員親友で味方で、好意的に接してくれているはずなのに、何故か私は追い詰められていた。コミュニケーションって難しい。

それと残念ながらローソンなので、ファミチキはありません。

 

 

「ファミチキ?もしかしてきりたんが欲しがってるんか?ゆかりさん分かるんか?」

「お姉ちゃん。いくらゆかりさんでも...いや、ゆかりさんならありうる、かも?」

《ゆかりさん、くっこいつ直接脳内に!?って返さなきゃダメですよ。ネタ的に。》

 

真剣に悩み始める2人にダメ出しをするきりちゃん。色々面倒になった私は、ファミチキはきりちゃんの冗談だから気にしないでと言いつつにっこり笑って買い物を再開する。困った時こそ笑顔だ。タイトル忘れたけど漫画か何かで言ってたし。...恐らくこの場で根本的な誤解を解こうとしても無理なことは分かったからさっさと買い物を済ませて帰ろう。

 

 

「そっか。冗談を言えるほど、脳内きりたんは成長してるんやね。」

「しっ!お姉ちゃん。あんまり否定しちゃダメだよ。とにかく話しを合わせて、現実のきりたんちゃんに早めに合わせなきゃ...大切な友人の危機だから、ここは姉妹のコンビネーションで乗り切らなきゃ...!!」

《あっでも本当にファミチキ買ってきてくれても、もちろん美味しく頂きますよ!...できれば、ゆかりさんにあーんして貰いたいなぁなんて......えへへ》

 

笑顔の解決力への無茶振りが過ぎたようだ。何か勘違いして燃えている琴葉姉妹と、色惚けているきりちゃん。

私は全員無視してきりちゃんとずん子さんが美味しそうに食べているお菓子を思い出しつつ買い物籠に入れた。その迷いの無さに琴乃葉姉妹に流石はゆかりさんと褒められた。

 

 

 

 

 

 

「ゆかりさん!テレパシーの新魔法どうでしたか!?待っている間ずん姉さまに教えてもらって頑張って覚えたんです。褒めてください!!ふっふっふ、これでいつでもラブラブな会話を...」

 

「あー。本当にテレパシーやったんか。勘違いしてもうた。ごめんなぁ、ゆかりさん」

「...あの、すいませんゆかりさん。私も、失礼なことを言ってしまって。」

 

コンビニからの道中、私がきりちゃんを求めて急に走り出したら危ないと手をそれぞれ琴葉姉妹と握って歩くことになった。気分は捕獲された宇宙人だった。

そして歩きながら琴葉姉妹と...テレパシーを相変わらず発し続けるきりちゃんとの会話を続けた。何か気を使ってくれているのか、琴葉姉妹は私経由で話題を(この場にいないはずの)きりちゃんにもふってくれて私がきりちゃんに聞いて琴葉姉妹に答える...なんて黒歴史的な会話をするはめになった。

 

きりちゃんとの会話中に両側から向けられる視線は、何というか、かわいそうな人を見る目だったので、東北家に着き、きりちゃんが玄関に登場して早々に自白?自供?してくれたおかげで何とか誤解を解くことができて本当に良かった。

 

 

状況が分からずはしゃぐきりちゃんと対照的に、思ったよりしゅんとして反省している琴葉姉妹。気分を持ち直して欲しくて少し俯いている姉妹の頭を撫でてみる。...対処方法がきりちゃん向けだが、私の交友関係全般に何故か通じるから問題ないはずだ。

 

 

「あっ...やっぱこれ、気持ちええなぁ」

「...うん。この前耳かきしてもらった時も思ったけど、ほんと魔性の手だよね...」

「あっ、あっ、ゆかりさん!私も!!私も撫でて下さい!!!」

 

撫でると思惑通り表情を緩めて声もゆっくりに落ち着いてくれた。残念ながら私の手は2本しかないので、きりちゃんはお預けだ。...別にテレパシーを乱用されて可哀想な目を向けられた腹いせなんかでは無い。決して。

 

 

「やっぱゆかりさん、うちにも欲しいなぁ...なあなあ、ゆかりさん。琴葉っていい苗字だと思わへん?今なら長女の座は譲って...」

「琴葉ゆかり...いい感じですね。東北家と同じ3姉妹になってバランスも取れますし。」

「東北!東北がいいと思います!!」

この後、部屋で待つずん子さんを仲間にしたきりちゃんと、琴葉姉妹の壮絶な戦い(ゲーム)が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、それじゃあ全員でゆかりさんに嫁入りして【結月】姓になるのはどうでしょう?」

「「「それだ!」」」

収集がつかなりそうな場面で、ずん子さんが天使のような微笑で冗談を言い、有耶無耶にしてくれたおかげでその場は収まった。だけど解散する際、ずん子さんは後ろから近づき私の耳元に...

 

 

 

「言質、取っちゃいましたからね」

何てそっと囁かれた。ホラーじみた囁きに背筋がぞくりとして振り向くと、ずん子さんはいつのものように微笑んでいた。

 

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