「何言ってんですか?ゆかりさんは、私にラブラブな時点でロリコン確定ですよ?」
こちらの正気を疑う様な、怪訝な顔を私に向けるのは東北きりたん...通称きりちゃんだ。
私が親友達にロリコン疑惑を向けられる元凶でもある。
今朝のことだがマキさん達と歩いていると、近くの保育園の幼児達が引率されて散歩していた。
微笑ましい光景に思わず笑みをこぼしていると...
急に、IAさんとマキさんがそれぞれ私の両腕を掴み、さらに琴乃葉姉妹が目の前に移動し両手を広げディフェンスの構えを見せた。
親友とも言えるほど親しい彼女達の急な行動に目を白黒させていると、後ろにいたずん子さんが、「本当に捕まってしまうから、きりたんだけで我慢しておきなさい...」と私の肩に手を置き、割と切に迫った声で忠告をされた。
親友達曰く、それまでも怪しいとは薄々感じていたが、ハロウィンパーティの一連流れを見た後、私の好みは《小学生以下の少女》という謎の共通認識ができたらしい。
...どうしてこうなった。絶対ずん子さんあたりが情報操作でもしてるに違いない。
そして、きりちゃんにその事を告げると文頭の言い草を受けたわけで。
思わず心が荒んでいると、きりちゃんがそっと私の手を握り、目線を合わせ、励ます様に声をかけてくれる。
「でも大丈夫です。ゆかりさんの照準は私に定まってるので、私の成長に合わせてストライクゾーンは低めから高めに自然に上がっていくはずです。時期にロリコンは卒業できますよ。だから、ね...?」
母性の輝きとも言える光を瞳に輝かせ、慈愛の微笑みを浮かべるきりちゃん。そのまま、きりちゃんは目蓋を閉じ、唇をそっと近づけてくる。そして短くなっていく私ときりちゃんの距離に、私は...
「ゆかふぃさん。頰を引っ張っらなじぇ下ふぁい」
対処として調子に乗ったきりちゃんの頬をぐにぐにと捏ねてあげた。...思った以上に良く伸びて、さわり心地も良かった。
「むぅ、好感度がまだ足りませんでしたか...まあ、ロリコンは治ってもキリコンは不治の病なので時間の問題ですけどね!」
自分のセリフが会心の出来だったのだろう。引っ張られた両頬を擦りながらもドヤ顔を見せるきりちゃん。
本来憎らしいハズのその表情も、ころころ表情が変わるきりちゃんはかわいく、愚痴をこぼす気持ちが萎んでしまう。ずるいなぁとしみじみ思う。
「うっ、ゆかりさん、急にかわいいとか言わないでください。重篤なユカコンな私には心臓に悪いです」
そしてこの恥じらいも危険だ。
いくら好意からの行動でも、押され続けたら逃げてしまいたくなるが、ふと見せる恥じらう仕草は、思わず撫でてあげたい気分にさせられ、気づけば互いに構い合ってしまう。分かっていても嵌ってしまう、最近の定番パターンだった。
「んー。ゆかりさん、撫で方が上手くなってません?...ほんとに私以外の幼女に手をかけてたりしてませんよね?」
衝動のまま撫でてあげると、謎の容疑をかけられた。まるで浮気を疑うようなじと目だった。
反射的に出そうになった、きりちゃん以外にこんな事はしない...と言う言葉は喉元で止まった。口にしてしまえば"キリコン"とやらの証明に他ならないと気づいたからだ。でも...
「ふふっ...なら、いいんです。」
胸にしまって口にしなかったはずの言葉は、どういうことか、きりちゃんには届いてしまったらしい。ニヤリとした笑みで納得されてしまった。むぅ...