東北きりたんが、結月ゆかりを大好きな短編小説集   作:甘味処

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金曜日だからきりたんをキラキラさせたかったんです。

それと後半の報告書的な文章に関しては、【流し読み】推奨です。アレです、オタクが好きな事を話す際に早口になっちゃうやつ...あんな感じになっちゃいました。



[51]キラキラする東北きりたんと、順調に外堀が埋まっていく結月ゆかり 。

「これが素の東北人。そして...これが!スーパー東北人です!!」

素の東北人って何?...とツッコミを入れるべきか悩んでいたらボケにボケが重なってしまった。

落ちものゲームで序盤の処理できないまま画面下に溜まってしまった惨状...的な後悔が私、結月ゆかりを苛む。

 

 

私をそんな微妙な心境にした元凶な東北きりたん...きりちゃんは、某漫画のサイヤ人的なセリフの後、金色に光りだした。

 

 

周囲に黄金のオーラを出しつつ”シュンシュン”とでも言うべき効果音を鳴らしている。

髪や瞳については形も色もそのままで逆立ったり変色したりはしていないが、周囲には風が荒れ狂っている。表情はまあ、いつも通りなドヤ顔だ。

 

...とりあえず屋内かつ近距離で変身するのはやめてほしい。私のもみあげが風で暴れて地味に痛い。

 

 

 

「あっ、はい」

私が髪飾りからの自傷ダメージを受けつつ、止めてほしい旨を伝えると気を高める事を止めてくれたようで風と音が止まる。ただオーラっぽい光は控えめになりつつも残ってはいるので変身したままではあるようだ。

 

それで、えっと...スーパー東北人?になれるようになったの?きりちゃん?

 

 

 

「はい!この前、ゆかりさんが私をいーっぱい愛してくれて、配信でそれをたーっぷり自慢できて...しかも!私達っ!!け、結婚までしちゃったじゃないですか!!!それを思い出してニヤニヤしてたら何か壁を越えたような感じがあって...できるようになりました!だからいっぱい、いっぱい褒めてください!!」

結婚。

何故か私がプロポーズした事になってしまった上に受け入れられてしまったという...正直無かった事にしたい黒歴史なのだが、無かった事にするにはネットを介して全世界に広がった挙句、Twitterで大量のお祝いコメントやら支援?を騙る絵やらを送ってくる人が絶えないので、困った事に自分の中ですら無かった事にできない。どうしようも無い感が凄いので、脳の片隅に無理やり追いやる...うん、認めたのは1割りだけだし、きっと大丈夫、そんな問題じゃないはず...だ。

 

それはそれとして、そんなんでスーパーサイヤ...いや、東北人になれるものなの?と聞こうとしたが、そう言えば原作?のサイヤ人も割と感情の爆発とかが大事だった気がする。きっとそんなものなのだろう。

とりあえず興奮して頬を赤くしながらもドヤ顔で褒められ待ちなきりちゃんの髪の毛を撫でる...うん、スーパーサイヤ人と違って髪の毛は変化せず、そのままでよかった。なんか金色のオーラを発しているものの、髪の毛自体は相変わらずサラサラでキューティクルで綺麗な黒色だった。

 

 

...まさかと思うけど、変身しても身体的には変化が無かったのって、私が撫でた時の撫で心地を重視してくれたから...だったりするんだろうか。ふと思いついた考えに我ながらそんなバカなって言いたいところだけど、普段のきりちゃんの様子を見るにその可能性は結構高かった。

 

 

 

「ふへへ...」

とりあえず、できなかった事ができるようになって、しかもそれが悪い事では無いのならば褒めてあげるべきだろう。そう結論づけた私は、きりちゃんを抱きしめて撫でつつ、たっぷり褒めて甘やかしたのだが...これだと、褒め方がいつもと変わりが無い事に気づく。

 

「んぅ?ゆかりさ...んぇ!?」

スーパー東北人とやらになれたのは初だし、今回はもうちょっと褒め方を工夫してみようと、きりちゃんを高い高いしながらクルクル回ってみたりした。

 

ちょっと対象年齢を下にし過ぎた褒め方だったかなと不安になったが、最初驚いた後はキャーキャー叫びながら楽しそうに笑ってくれて、安堵しつつも私自身も楽しくなってしまった。

 

そんな感じでしばらくワチャワチャクルクルした後、私達は結局いつものように勉強後、一緒にゲームして遊ぶ事に。某有名ローグライクなゲームの久しぶりな新作が出たし、早く一緒にやりたかったんだよね。

 

 

 

「あの、ゆかりさん。このゲームのお助けキャラ、本当に良い人なんですかね?実は私達を騙してたりしませんよね?」

ゲームの展開に不安気なきりちゃん。別ゲーだが...序盤からの仲間が実はラスボスで最初から裏切られていて騙されていた経験を味わって以降、何かそういう空気が一瞬でもあると疑っちゃうよね、分かる。

 

そんな感じにスーパー東北人なイベントは何事もなく終了...かと思いきや、その後の夕食にずん子さんから「力が安定してきたし、魔法少女の登録してこよっか」的な話に繋がった。

へえ、魔法少女の登録なんてあるんだ。

 

登録先は国の組織らしく、登録の際には体育館のような場所で魔法攻撃を的に当てる「魔力測定」とやらがあり、その魔法の威力によってランク付けされるらしい...と聞いたきりちゃんが、「それってアレですよね!力があり過ぎて測定機器壊して、アレ俺なんかしちゃいましたか?...的なイベントですよね!」とか、ずん子さんが内緒話で「ゆかりさん用にチアリーディングな衣装用意しときますね。登録試験当日にサプライズで応援してあげたら、きりたんきっと喜んで良い成績とれますよ」とか色々もにょる会話があったが...その日も楽しい会話が響く夕食となったのだった。

 

 

なお余談だが登録試験当日、同伴した私もついでに検査してもらって「一般人」と太鼓判を押されたり、ずん子さんが本当に用意してくれてしまったチアリーディングの衣装を押し切られて着て応援した所、きりちゃんが興奮してブロリーっぽいセリフを言い出したり、魔力測定用の的...カカシぽい人形に向け、ヤル気を出し過ぎたきりちゃんがゴン太ビームを放ち、その威力に職員さん達が少し騒然としたりしたが...まあ、測定機器が消滅とかはしなかったので、ヨシとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女名簿 登録No.〇〇

【氏名】東北きりたん

【得意魔法】砲撃魔法

【総合戦力】Aランク(限定的な状況にてSランクオーバー)...※付記参照

 

【付記①】<限定的な状況について>

 魔力試験にて同伴していたY氏(一般人のためイニシャル表記)に応援された際、当該魔法少女の魔力が倍加し続ける現象が見られた。その際に魔法少女はY氏を凝視しつつ「魔力が高まるぅ...溢れるぅ...」等の言葉を零していたため、一種のトランス状態に陥っていたとみられる。

 また試験後に魔法少女がY氏に褒められた際、消耗した魔力が一瞬で回復していた。

以上の現象より当該魔法少女、東北きりたんは「Y氏と一緒にいる」という限定的な状況においては、Sランクを超える魔法少女と評価される。

 

【付記②】<Y氏ついて>

 魔力倍加現象については魔法少女ではなく「Y氏が他人の魔力を倍加させるような異能力を持っているのでは無いか」と言う説が挙げられた。しかし簡易試験の結果、Y氏から「大量の魔力が検出」されたもののY氏は完全な一般人と断定され上記の説は否定された。

 魔力を保持しているにも関わらず一般人と断定した理由として、検出された魔力は当該魔法少女がY氏を防護するために無意識に譲渡していると判定されたことが上げられる。本来他人からの魔力の譲渡および保持する事は大小問わず違和感があるものだが、魔法少女とY氏は譲渡の事実に気づいてすらいなかった。

この事からY氏は、「当該魔法少女から無意識に大量の魔力を譲渡される程に好かれ」、「無自覚に授受する程に相性が良く」、「膨大な魔力の加護により仮にトラックに正面衝突されても傷一つ負わない」が、一般人であると結論付けられた。

 

【付記③】<魔力倍加現象の原理について>

試験中に魔力が倍加する際、魔力可視化カメラにおいてY氏から蓄えられた魔力が魔法少女に流れる映像が確認できた。魔法少女のトランス状態ともいえる状況も相まって、まるで「魔法少女がエナジーを注入されて悪堕ち」しているようにも見えた。

しかし元は本人の魔力を返してもらっているだけであり、また「本当には壊しちゃダメだからね?」とのY氏からの事前注意を魔法少女は忠実に守り、(過剰な魔力が含まれていたものの)砲撃で検査機器を破壊しなかった事から、暴走等の危険性も少ないだろうと推測された。

補遺として同現象を起こすため他の魔法少女に魔力の譲渡を試してもらったが「授受する2人がよほど相性が良く、さらに就寝時含め一日の大半で触れ合っているような間柄でなければ、譲渡された魔力が著しく減衰し実用化は現実的ではない技術」であることが分かった。

 

 

【付記④】<Y氏の保有魔力について>

上記によって魔力倍加現象の原理は判明したものの、魔力倍加中で魔力が移動しているにも拘わらず、魔力可視カメラ越しではY氏の保有魔力の減少が確認できなかった。またY氏の魔力を数値化しようとスカウター型簡易検査器を使用した所、オーバーフローし自壊してしまった。

この2点についてはY氏が保持している魔力が膨大過ぎる事が主要因だと考えられる。Y氏の魔力は魔法少女から譲渡されたものだが、日々触れ合う度に譲渡され続けているようであり、「Y氏と魔法少女が一緒に遊び触れ合う度に増えつづける」事が確認された。

触れ合った日数は現状で2年近くになるようで、少なくともY氏は魔法少女500日分以上の魔力が貯蔵されていると想定される。仮に魔法少女の魔力が10倍になるようにY氏から魔力を譲渡されても、Y氏の魔力総量は単純計算で1%も減らない。よって映像では、譲渡元の魔力減少が微小過ぎて確認できなかったと考えられる。

 

 

【付記⑤】<今後の対応について>

上記により、当該魔法少女はY氏と一緒に、平穏に過ごせば過ごす程、魔法少女として戦力を蓄える事が推測される。理論上とは言え単体で魔法少女数百倍の出力を引き出せる存在は他にいない。

また通常戦力を無効にする所謂"ファンタジーな外敵"に対抗するため、魔法少女の戦力向上は国防上必須となる。

現状、我が国には異能を持つ敵対的な存在は居ないが、将来のためにY氏および魔法少女はできる限り一緒に仲良く過ごしてもらう事が必要であり、二人の仲の良さを保つため国としてできる限りバックアップすべきである。




簡単に略すと...

エッ, イチャイチャスルホド ツヨクナル?
( ´・ω・)´・ω)(ω・`(・ω・` ) ←偉い人達
イチャイチャ サセナキャ!

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