東北きりたんが、結月ゆかりを大好きな短編小説集   作:甘味処

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⑧ゆかりさんと、霊媒師(仮)のきりたん。

※あいも変わらず、ゆかりさん視点です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆかりさん、手相を見たいので手のひらを見せてくれませんか?」

 

今日も軽く勉強を片付けられ、家庭教師な私の存在意義が問われてる気がする...そんな1日。きりちゃんの言葉は相変わらず唐突だった。

 

手相。きりちゃんにそんな特技があったとは初耳だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえ、そんな特技は持ってません。...えっとイタコ姉さま、うちの長女なんですが、霊媒師なんです。あっ、もちろん本物の。世界中を旅して活動して、旅先で出会った人達と飲んだくれてるらしく、ほとんど帰ってきませんが。」

 

無いのか。

そして霊媒師。何か胡散臭さが凄い。...あったことも無いけどイタコさんすいません。聞く限りの人物像では、気にしなさそうな人だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあそれで、魔法の才能に開花したのなら霊能力にも目覚めてないかなと。イタコ姉さまは占いとかもしてたので、手始めに危険も無くて初心者でもできそうな手相をやってみるつもりなんです。」

 

 

なるほど。

こっくりさんとかやったら、変なのに取り憑かれちゃうかもしれないし無難な判断なのだろう。...きりちゃんが取り憑かれて正気を失ったら、何故か私が被害を受けそうだし。

 

でもまあ正直魔法少女の魔法よりも何だか現実味がある。それに占いなどしてもらったことは無いので、割と興味を引かれつつ片手を差し出した。

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ...」

きりちゃんの両手の指が私の手のひらをつたう。

小学生の手だからか、小さく、やわらかく、暖かかいその手は、私の手のしわをゆっくりと沿って動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

今はかわいいと称されるきりちゃんだが、将来はイケメン方向に成長すると思う。真剣な表情にそんな感慨にふける。

 

 

...もしかして何か嫌な手相でもあったのだろうか。変わらない真剣さに、一抹の不安を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...............」

いや、ちょっと長すぎる。

と言うか、最初の繊細な指使いは消え、

今はもう、手を揉みこむ様に私の手を圧迫していた。周りの声が聞こえないほどに集中していたらしく、何度目かの呼びかけでやっと我を取り戻してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...はっ!つい、ゆかりさんの手が冷たかったので...えっと、つい。」

手相に手の温度は関係ないと思う。ついとはいったい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえその、冷たくて何だか心配になってしまって。気付いたら暖めようと夢中になってました。で、でも今はぽかぽかになって安心ですよ!ほら、次は反対の手を出してください。」

 

言われるがままに、つい反対の手も出してしまう。

いやまあ、確かに手は冷たい方で、もまれたおかげでだいぶ暖かくなった。でも手相の話しはどこいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ手相?......ああ、そうでしたね。えーっと手相の結果は、少し前に才気煥発しかも超絶かわいくて、ゆかりさんラブな上に趣味も合う運命の少女と出合いましたね。...いえ確実に出会ってます!」

 

首を傾げると、必死に人差し指で自分を指差すきりちゃん。

分かったから、出合った出合った。だからあんまり興奮しないで。

 

 

 

 

 

 

「むぅ...まあ、その少女がゆかりさんの将来結婚する人で《確定》してます。なので恋愛・結婚・趣味、全てが上手くいきパラメータ的に言うと振り切れてる感じです。し・か・も!玉の輿にも乗れるようなので、金運までもが完璧!これらは落ちることは永劫無く、末永〜く幸せになります!」

 

立板に水を流すように、淀みなく話すきりちゃんについ笑いがこぼれてしまう。

...うん。まあ、確かに趣味が合うし、一緒にいて楽しい。

これからも幸せにはなりそうかな。...運命うんぬんは別として。

だから、これからもよろしくね。と言うと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、はい!...末永くお願いします!!」

私の言葉に歓喜し、赤みがかった頬を押し付けるように抱きつくきりちゃん。

 

何か、違う受け止め方をされたような気がするけど...まあ、いっか。

 

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