衝動的に書いた、反省はしていない。
本日中に連続投稿予定
批判はウエルカムですが、根拠のない批判はご勘弁を
プロローグ前編ではデンドロのデの字も出てきません
一先ず、主人公がニートになるまでの過程がプロローグです。
では、本編開始です
プロローグ前編
□2043年5月12日 都内マンション ???
「……これ、……夢じゃないんだよね?」
そう、つぶやいた女性、“野崎花子”は茫然とした表情で自身の手の中にある物をじっと見つめていた。
それは何の変哲もない通帳であったが、問題はそこに記されている金額である。
「……800億円、……本当に入ってる。」
この大金が突然入って来たのは通帳の過去の記録と比べてみれば容易にわかることである。
しかし、彼女にはこんな大金をくれる知り合いはいないし、働いている会社も一般的なちょっと仕事量が多いだけの中小企業であるため給料である訳がない。
かと言って、法に触れることをしたわけでもなく、そんな度胸もあるはずもない。
では、どのようにしてこの大金を手に入れたのか。……それは約5か月前に取った彼女の行動が引き寄せたものである。
◇
□2042年12月27日アメリカ某所 野崎花子
(私、何でこんなところにいるのだろう…)
冬になり、凍えるように寒くなった外の空気に触れながら私はこんなことを考えていた。
私は今、会社の同僚に誘われて参加した2泊4日の社員旅行でアメリカに来ている。
現地のバスで空港から目的地に移動した後すぐに自由時間となり、各々が仲のいいグループで旅行を思う存分楽しもうとしている最中である。
正直、そこまで海外旅行自体に興味は無かったが自宅にいても自堕落な生活しかしないだろうし、偶にはいいだろうと思い参加したが、実際のところ…、
「…早く帰って、コタツに潜りたい」
と、こんな有様である。
もともと奥手な性格で、かつ必要がなければ人に話しかけなったため、社内で友好関係が築けている人間は片手で数えられるくらいなのだ。
私を誘ってくれた同僚はそのうちの一人である。
その数少ない希少な人間は大体、コミュニティーの中心にいるような人ばかりであり、もう他の人たちと一緒に街に繰り出している。
…………私が一緒に回ると思っていたその同僚も同じように
と、いうわけで現状の私は周りがキャッキャウフフと言っている中、外国に来てまで絶賛ボッチ中である。
いや、本当に私、何でこの旅行参加してるんだっけ?
て、いうか誘っておいて放置とはどういうことか、と同僚を小一時間ほど問いただしたいくらいだ。
まぁ、そんな事はしないが。
現実逃避もこれくらいにしておいて現状をどうにかせねば。
どんなに帰りたくてもここは海外、日本国内のように気軽に往復できるような場所ではない。
泣き言を言わずに、今のこの状況を最大限楽しまなければ損というもの、一先ずこのあたりを散策でもしてみましょうか。
「…………」
べ、別に寂しくなんて、ないやい!!
◇◇
いや~、危なかった。
この年にもなってまさか、迷子になりかけるとは思いもよらなかった。
運よく最初の通りまで戻れたからよかったけど、あのまま彷徨い続けてたら集合時間オーバーで他の人たちに迷惑をかける所だった。
うん、ちょっと、海外なめてた。
構造物の違いが分かりにくいし、よくわからん小道もあるし、一瞬初めて新宿ダンジョンに行ったときのあの絶望感にも似た思いが溢れかけたわ。
……あの時は危なかった、危うく入社試験に間に合わなくなるところだった。
さて、残り時間も後一時間ほどになっている。
「……もうそんなに遠くまでいけないし食事はもう済ませたから、どこか近場の店で物色でもしながら時間をつぶしつつ集合場所へ戻ろうかな。」
なんだかんだで、海外旅行を楽しんでいる私はメインストリートを歩きながら店をのぞき見し、そろそろ戻ろうかと考えてところで、ある店の姿が目に入った。
「あれは、…宝くじ?」
そこは宝くじ売り場であった。
日本で社畜生活を送る中、時々「これが当たればいいのになぁ」と、現実逃避気味に何枚か買っていた(玉砕の)経験があったので海外の宝くじがどのようなものか少し気になり、その売り場へいったん寄ることにした。
一等は日本円にして500億円、二等は300億円と、かなり高額であり日本では考えられないような金額の宝くじを売っているらしい。
まさしく次元が違うというやつだ。
きっと当選した人間はウハウハになること間違いなしなのだろうが、それは一握りの人間だけが掴めるもの、まさしく夢と言われるようなものだ。
そんなものに頼らず、地道に働いて金を稼ぎ日々を堅実に過ごすことが一番なのは私だって理解している。
言ってしまえば、勝ち目がもとからないギャンブルをしているようなものだ。
賢い人間はまず、こんなものには頼らないだろう。
「…………」
い、いや、違うしぃぃぃ、体が反射的に動いただけだしィィィ。
こ、これはただのギャンブルみたいなもんだし、ちょぉぉぉっとMっ気が強いだけで
「………はぁ、誰に言い訳しているんだか」
ま、まぁ、買ってしまったものは仕方がない。
捨てるのも勿体ないし、このまま持っていこう。
それにもう集合の時間が迫っている。
「戻るか……」
……後に私がこの社員旅行の思い出を思い返すたびに真っ先に頭に浮かぶモノが、自由行動中に売り場を見つけるたびに周りの視線も気にせず、淡々と宝くじを追加で購入していた自分の姿になってしまっているのはなぜなのだろうか…
◇◇◇
□2043年5月7日都内マンション 野崎花子
「……今日も、疲れた……」
世でいうゴールデンウイーク明け三日目の深夜、終電で自宅に帰った社畜こと野崎花子でございます、はい。
ちなみに、わが社にゴールデンなウイークはございません。
年末の旅行が異例中の異例だったのです。
少なくとも私が入社してから初めてのイベントだったのは確かですね、はい。
最近、まともな休暇がとれんくらいには忙しい。
上司の部長曰く、今が正念場らしい。
……その正念場が4年ほど続いているのはどういうことなのだろうか。
まぁ、まだ帰れるだけ私は幸せな方だろう。
世の中には会社で寝泊まりしている人間だっているのだ。
そう、私は幸せ、私は幸せ、私はしあわせ、わたしハしあわセ、ワタ…氏は…シ粟…せ………
(はッ! いかん!! 一瞬、狂気を失っていた!!!)
あっ、間違えた。
(正気を失っていた!!!!)
ふぅ、あぶないあぶない。
何とか精神のゲシュタルト崩壊だけは避けられたようだ。
……いや、なんか最早手遅れな気がするよ、私………
凶もポストを確認して早く寝よう、明日も朝は早いし。
なにか、違和感があるが気のせいだろう。
さて、ポストの中には最近じっくり読む時間がない新聞紙といまだに来る宗教の勧誘のチラシ、それと最後に分厚い封筒が一通ですか、そうですか。
新聞は新聞入れに、
そこには英語で書かれた小さな冊子と、金色の装飾が施された分厚い紙が折りたたまれた状態で
一応、仕事に必要なスキルだったので簡単な英語なら私にもすぐに読めるので分厚い紙の方を先に見ることにした。
「?…………………、ッ!!」
………………
はッ! いかん!! 狂k(ry
いやいやいや、さすがにこれはないでしょう。
いやいやいやいや、こんなアメリカンドリームなこと私に起きるわけないない。
これは、あれだ。
幻覚だ、アメリカンな幻覚に決まっている。
「もう、限界だとでもいうの、私よッ!……」
その紙のことを幻覚(?)だと判断した私は、明日の仕事のために、昔奮発して買ったソファーに寝転がり眠りにつくのであった。
翌朝、テーブルに置いたままだったその紙の存在を改めて確認したところ、
◇◇◇◇
……その後、当選のことが分かった日の翌日、溜まりに溜まった有休を使い、確認とその回収作業を始めるのであった。
こうして、税関を通った分と親への振り込みの分を引いて手元に残ったのはなんと800億円である。
そして、冒頭に戻る。
◇◆
□2043年5月15日都内マンション 野崎花子
人はありえないことが一度に起こると放心するらしい。
現状の私がそうである。
いっそ夢と言った方が、現実味がある。
なにせ、一等を二枚ですよ、二枚!!
しかもアメリカンドリーム!!!
こんなの天文学的確率じゃぁあないですか!!!!
スゲェェェェーーーーー!!!!!
と、喜んでいた時期もありました、ハイ。
今はどちらかというと不安の方が強い。
なぜなら来るのだ、奴らが!
「そのお金、世界のために寄付しませんか!!」
「ねぇねぇ、私たち友達だよね、そうだよね!今お金貸してくんない」
『もしもし花子か、オレオレ。え、誰って、親友の俺のこと忘れたのかよ~。馬鹿な奴だなあ~』
……そう、金の亡者どもが!!!
お前ら全員知らん人じゃボケ!!最後のやつとかお前が馬鹿か!!!
友達なんざ、生まれてこの方ほとんどいないわ!!!!!
ふぅ、少し目から汁が垂れてきたが一旦落ち着こう。
身内はどうにかなった。
元々堅実な生き方を体現した両親だから特にたかりに来る気配すらない。
むしろ私の心配をしてくれるくらいだ。
本当にいい両親を私は持ったものだ。
兄弟には親から私の中学時代の黒歴史を弱みに握られているのでジュースを奢るくらいが私の限界だ。
すまんな、兄と弟よ。私は自分の身の方が可愛いのだよ。
にしても情報化社会って怖いなぁ。
私、受け取るまで誰にも言わずにいたのに次の日には玄関前にいたりするんだからねえ。
一体どこから漏れたのやら、皆目見当もつかないのですがね。
さて、話を変えて私の今後の身の振り方なのだが、大体もう決まっている。
お金はある程度使ってしまおう。
私のニート生活のために!!
本日一話まで投稿予定