今週三回目の更新
今回は閑話です
え、予告と違うって?
予告とは覆すためにあるのだよ(どや顔)
普段より短めです
■???
私は生まれながらにして特別だった
周りのモノとは比べ物にならない程の才能があった
戦いにおいて天賦の才があった
生まれながらにして武人としての心得も持ち合わせていた
生まれてから三日もしないうちに私を産んだ両親の力を超えた
両親はそんな私を誇りに思ってくれた
生まれてから一週間後、群れの長を上回る力を手に入れ、群れのトップに君臨した
しかし、その強さ故に群れているはずなのに常に孤独を強いられていた
生まれてから二週間経ち、私は群れから離れて武者修行の旅に出た
あの群れにいてはこれ以上強くなれないと思ったのと、今の私には何かが足りないように思い、それが何なのかを探すために旅に出た
旅を続けて四日目、私は彼に出会えた
彼は私と同じように自分に足りないモノを探すために群れから出ていった者だった
私は彼と出会い、彼もまた私に出会うことで自分たちに足りないモノが何なのかを見つけることが出来た
しかし、私たちが望んでいたものは似て非なるものだった
私は絶対無二の好敵手を求めていた
彼は自分を愛し、自分に愛されてくれる恋人を求めていた
それぞれ違うものを探していた相反する私たちは結果的に互いの願いを体現することで探し物を見つけることが出来た
そして、私達は出会って数時間でつがいになることが出来た
それから私達は毎日のようにともに生活し、狩りをし、競い合い、そして愛し合った
まるで夢のような時間だった
こんな生活がいつまでも続いていけばいいと、私はそう思っていた
私たちがつがいになってから約2週間目のある日、彼の方から今日は別々の場所で狩りをして競争しようと提案してきた
これまでも何度かしてきた競争方法だったので私は特に異論もなく、その方法で競争を始めることにした
私は草原の方へ、彼は同族が多い森の方へと移動していく
私はいつものように、大きく成長した自身のたくましい足を用いた移動法と足技を駆使して、草原にいる
他の生き物を狩ると決まって原型を留めずに消えてしまうため、私達が離れた場所で競争をする時には
そして、強すぎる相手はスルーしつつ休憩を挟みながら狩りを続けた私は約束の時間である夕暮れ時になったので住処である穴倉へと戻っていった
夜空の輝きが見えるようになり、星の瞬きを眺めながら穴倉の周りに集まる敵を駆除しつつ彼の帰りを待っていた。
しかし、彼はそれから幾日と経とうとも帰ってこなかった。
彼がいなくなった日から私たちの縄張りの近くで、よく私たちが獲物にしていた
"奴等"はそれぞれが別々に強力な力を持ち、それに加えて殺しても殺しても数日でまた出てくる化け物だった。
私は分かってしまった。彼は奴等に殺されたのだと。
彼は隠れることに特化した雄だった。彼の隠行は感覚の鋭い私ですら見つけられないほどだ。
それに彼は自分よりも感知に長けた雄であり、自分の力量をわきまえて相手を襲う生粋の狩人だった。
その異端な能力を生まれ持ったおかげで私たちは出会うことができたわけなのだが
しかし、これまで私が遭遇してきた奴等の大半はその実力と放たれる空気が全く噛み合わないことが多かった。
私は純粋な身体能力で圧倒してきたのでなんとかなったが、彼には私ほどの戦闘能力はない。
彼の最大の長所は目の前にいても相手から認識されなくなるほどの隠密能力だ。
身体能力は他の同族より上なくらいで私とただ殴りあうだけの勝負なら十中八九私が勝つだろう。
そんな彼が私と渡り合えていたのはどんな状況下でも隠れることができたからだ。
もしも、彼の長所である隠密能力を越える力を持った相手が奴等にいたのなら、彼の勝機は限りなくひくい。
そして、彼は見誤ってしまったのだろう。相手の力を
確信は、まだない。
だが、彼は私をおいて何処かに行くような雄ではない。
もし彼が他の雌といたら、その雌を殺してから彼を半殺しにするが、そうではないのだろう
彼の愛はそんなに軽いものでは無かった
やはり、彼は、死んだのだ………
もう、ワタシは、カレには会えないのだ………
彼との永遠の別れは私の中で確信になっていった。
しかし、私は泣かなかった。
この時、いや、今の私には悲しみの感情は無かった。
私の中にある唯一の感情、それは怒りだ
勝手に私をおいて先に逝ってしまった彼に対する怒り
自分達が強者であることに驕っていたことへの怒り
彼を殺した奴等への怒り
自分から彼を奪ったこの世界への怒り
そして何よりも、彼を守れなかった
もう、二度とこんな思いをしたくない!!!
もっと速くならなければ!
大切な誰かの危機に間に合うように
もっと誰よりも高く、鳥のように跳ばなくては!
例え道が無くても駆けつけられるように
もっと知恵を身に付けなければ!
未知の現象に惑わされないために
もっと卓越した技を磨かなくては!
例えどんな敵が来ようとも対応できるように
今の私に喜も、哀も、楽もいらない
必要なのはただただこの胸に宿る地獄の炎さえも生温いと感じる怒りのみ
この怒りを糧に私は今の私よりもさらに強くなる
例え、この身が更なる異形へと変わろうとも構わない
私はもう何も失いたくない!!
◆
それからの私はただただひたすらに自分を鍛え抜いた。
同族も、異種族も、獲物も、憎き敵である奴等もたくさん殺してきた。
鋭い鋼の棒を一瞬で伸ばしてくる雄を真っ二つにした
未知の力で木々を操っていた雌を迫りくる木々ごと踏み潰した
永遠と追いかけてくる球を筒から放つ雄を球ごと粉砕した
他にもたくさんの力を見て、学び、対応し、時に自分のものにしてきた。
しかし、私は呆気なく地に伏してしまった
奴等ですらない
その相手も傷を負い、もうすでに事切れている
見事な相手だった。実力の拮抗した素晴らしい戦いだった。
だが、私はこんな終わりは望んでいない!!
私はもっともっと強くならなければならないのだ!!
こんな所で眠りに着くわけにはいかないのだ!!!
まだだ!!まだ、全然足りない!!!
こんなちっぽけな力ではまるで足りない!!!
これでは私の怒りは収まらない!!
もっと圧倒的で、絶望的なまでに強大な力が欲しい!!!
存在自体が畏れと化す、そんな力が!!!!
しかし、現実は無情だった
私の腹の傷はいっこうに治らず、傷口から血がどんどん溢れ出ていた。
段々、私の意識が、遠退いていく
それでも、私の瞳に宿る怒りの炎は衰えなかった
絶対に死ぬものかと、最後の悪あがきをしていると
それは何処からともなく落ちてきた
それは黒くて四角い形をした箱のようなものだった
とても嫌な感じがしたが、それと同時に凄まじい力の波動を感じた
このままではどのみち死が待つだけの此の身である
このまま何もせずにノタレ死ぬか、食べて死ぬかの違いだ
それにこうなる前から自分の心配などしていない。
なにも問題ない。食べてしまおう
そして、私は最後の力を振り絞りその黒い物体まで体を引きずりながら近づき、それを躊躇いなく飲み込んだ
変化は劇的だった
私には理解できない言語が私の脳裏を駆け巡り、しばらくして頭の中の言葉が聞こえなくなったとき
私の姿は変貌していた
先程まで自分の腹部にあった傷は跡形もなく消え去り、力が衰えるどころかとてつもない程の力をからだの中から感じる
鍛え上げて膨らんでいた全身の筋肉は一気に引き締まり全体的に細身になったものの、ひ弱な感じは全くせず、むしろ強大な力を一身に圧縮したような雰囲気を全身から感じさせる細さを体現していた
例外的に脚は腕と同様に長くなってはいたが、そこに秘めた力が桁違いに上がっており、その溢れだす力を象徴するかのように大きくなっていた
全身を覆う白い毛皮は光沢を帯び、柔らかそうなイメージと異なりかなり硬質になっている
感覚も鋭くなり、自身の種族が持つ独特な形をした長い耳に入る情報は前の倍以上になり、不思議なことにその情報量も問題なく処理できている
全身から感じる此の全能感を覚える程の力、私以外が此の力を手に入れればその力の強大さに溺れ、慢心していただろう
此は私が望む絶望にはほど遠い
私の途絶えることを知らない怒りを静めるには弱すぎる
此だけでは足りぬ。もっと私に力を。
更なる高みへ私は行かねば成らぬのだから
こうして、この世に一匹の修羅は生まれ落ちた
コヤツは一章のラスボスです、ハイ(唐突のネタバレ)
前に感想でオープン修羅は書いていないと言っていたのに、それに矛盾するかのように修羅が出ると言ったのはそもそも今回出るのが人外だからです
ベースになったモンスターについてはまだ内緒です。
まあ、大体検討はついていると思いますが()
激情的な怒りが【■■■■■】を食べたことで、静かなる怒りに進化
UBM特有の慢心が序盤から消えているマスター絶対殺すウーマン(基本的に目についたモノも殺す)の誕生です
自分で書いておいてなんだけどトンでもねぇ修羅を書いてしまった………
ちなみに、今回ヤられてしまった(確定)雄の方ですが簡単に言うとどこぞの落○騎士が使う"抜き足"みたいのを使うことが出来ました
一体、誰にヤられたんでしょうかね?
………~♪(下手な口笛)
名前と能力の詳細は一章の終盤で判明させます
そして、たくさんの感想と評価、ありがとうございます!!
今後も皆様の期待に応えられるモノを書いていけるように頑張りたいと思います!!(なお不定期更新)
次回は普段通りに月曜日に第八話を更新しますデス(いや、マジで)