オッス!第十一話ダ、ヨーン!!
前回の話が意外にも好評で作者びっくりでした
そんで週末に更新してないのにいつの間にか日刊ランキング入りしててさらにビックリしました!!
これも拙作を読んでくれた読者の皆さんのおかげです
ありがとうございます!!
それと沢山の感想ありがとうございます!!
今回の話ですが寝子たちの日常の一部を紹介します
かなり強引なオリジナル設定が今回の話には含まれています
違和感があったら何かしら感想に書いてもらえると嬉しいです
大幅な改変はしませんが対応はします
輝け!我がオリ設定タグ(+α)!!
あと、活動報告にも書きましたが評価付与欄の設定をコメント必須から任意に変更しました。
ですが、なるべく何がよくて何がダメだったのかも書いてもらえると嬉しいです
□【式神術師】ギルド 【式神術師】夜ト神寝子
「依頼達成の確認が出来ましたので、こちらが今回の報酬となります」
「ありがとうございます」
私は今【式神術師】ギルドにある受付で高位の【式神】、具体的には亜竜クラスの召喚モンスターを召喚するクエストに成功し、報酬としてその【式神】を呼ぶための媒体と8万リルを受け取っていた。
なぜこれほどの報酬を召喚するだけでもらうことができるクエストがあるのか。その理由はモンスターの召喚の仕方にある。
まず、【召喚師】や【式神術師】は自身のスキルを用いてモンスターを召喚することが出来る。その召喚の仕方はつぎの二通りである。
一つはコストを払うだけでモンスターを召喚する方法である。この方法で召喚したモンスターは成長することはないが、倒されても召喚までのクーリングタイムさえ過ぎれば再び召喚することが出来るメリットを持っている。
二つ目は召喚するモンスターに対応した媒体を用意しコストを払うことで召喚する方法である。こちらでは一つ目とは違い、召喚されたモンスターは得られた経験値から成長することができ、強力なモンスターへと育成することが出来る
しかし、その召喚モンスターの媒体が破壊されるとその召喚モンスターを二度と召喚できなくなるというデメリットも同時に抱えているのだ。まあ、その代わりに媒体さえ破壊されなければ一つ目の方法と同様にして再召喚することが出来るのだが
これらの要素の他にこの二つの方法には明確な違いがある。それが召喚されるモンスターに知能があるか否かだ。
媒体なしの召喚モンスターにはこれがなく、媒体がある召喚モンスターにはこれがある。もちろん、前者にもある程度の意思は存在しているのだが、自分なりの価値観といった個人が本来持ち合わせている感情がまずない。そのため、召喚した主には従順な姿勢を示し特定の状態異常にでもならない限り、召喚主を裏切る行為をすることはほとんどない。
しかし、後者は違う。媒体を持つ召喚モンスターにはテイムされたモンスターと同様に自分の意思で自分が思うように行動することが出来る。そのため、召喚主が気に食わない場合、召喚された瞬間に味方に対して攻撃を仕掛けるなんてことも普通にある。特に力を持った個体にはその傾向が多く、テイムモンスターと同じように自分のことを認めさせないと安心して使うことが出来ないため上位の個体が格下の召喚主を選ぶことはまずほとんどない
さらに言うとテイムモンスターと違い寿命で力尽きることがないため主に先立たれる召喚モンスターはごまんといる
しかし、長年の間使われてきたモンスター達は総じてレベルが高く、心を許してくれるハードルもだんだん高くなっていくため売りに出しても使えないどころか死の危険が付きまとっている一種の呪いのアイテム扱いになっているのだ
そのため我の強い個体の媒体は商売として使うのも難しく、命の危険を冒してまでチャレンジする人間がおらず、使い手のいない多くの媒体が箪笥の肥やしになってしまったのだ。
なまじ能力が高い個体が多いので捨てることもためらわれてしまい、如何したものかと考えたところで出来たのがギルドによるクエストの発行である
ギルドを通じて過去に主を失った召喚モンスターのうち召喚主をえり好みするタイプのモンスターが入っている媒体を集め、召喚にチャレンジできるようにしたのだ
さらに、チャレンジに成功した際に難易度に応じた賞金を用意することで【式神術師】系統のジョブに就く者に積極的に挑ませるようにしむけ、召喚モンスター達に新たな出会いの機会を与えたのだ
ただ挑戦する際に挑戦者は失敗や成功に関わらずに一定の料金を支払う義務が発生する
これはギルドがあらかじめ媒体の購入していることや、資金を出す関係で収支を合わせるためしなければならない仕方がない処置ではあるのだが、式神に加えて賞金も貰えることからつられてやってくる挑戦者も多いらしい。オプションでさらに課金することで不測の事態に対応できる職員を伴えるのも挑戦者を増やしている要因でもあるだろう
成功率が低いため他の【式神術師】系のジョブクエストに比べて人気はないが、成功すれば強力なモンスターと賞金を手に入れられることから一日に5人前後で受けられている一種のギャンブル的な要素を含んでいるクエスト、それが、私が先ほどまで受けていた召喚クエストである
モンスターに襲われる危険があるクエストではあるが、安全確保もできるためトラウマ克服のために進んで受けてみることにしたのだ。それに意外と召喚する前から媒体で呼び出せるモンスターと私の相性が何故かは知らないがなんとなく分かるので、今のところ確実に相いれないタイプだと感じた式神を召喚していない。そのおかげで危険な目にもあってはいないのだ
ティアンの熟練の【式神術師】の人に聞いた話なのだが、時折【従魔師】でいうところの《審獣眼》のように成長に期待でき、自分と相性のいい召喚モンスターを見抜くことが出来る天然のスキルを持った人間が現れるらしく、私にもその才能があるらしい
その証拠に今のところこのクエストを受けて召喚したモンスターはすべて手なづけている。私がこの手段で手に入れた召喚モンスターは【鎌鼬】に【覚】、そして先程手に入れた二体の【狛犬】の四体である。どのモンスターも亜竜クラスの中でも上位の力を持つモンスターでありかなりやんちゃなモンスター達だったが真正面から向き合ってモフモフしたらすぐに懐いてくれた。
先程の二匹の【狛犬】を同時にモフモフするのには少し手を焼いたが何とかクリアすることができた
しかし、その様子を見ていた立会人のギルド職員さんが恐ろしいものを見るような目で私を見ていたのはなぜなのだろうか?
まあ、こんな感じで【式神術師】になってから一週間のうちに戦力を充実させている私であるが、今日は午後からギックリ腰になった装備屋のオジさんのところにお手伝いをしに行く約束があるので時間がかかる狩りにはいけないことから、これからどうしたものかと考えていた。
午前中は暇つぶしと戦力増強もかねて召喚クエストを受けたのであるが、いつもなら最低でも40~50分ほどかけて複数の媒体にチャレンジしていたところを今日は10分もかからず終わってしまったため、現在かなり時間を持て余しているのである
ちなみに一度のチャレンジでかかる費用は安全面を加味して最低でも5000リル程なのだが、現在の私の資産は今までの稼ぎと一週間前に倒した【オーガリーダー】の報奨金を手に入れたことで軽く300万リルを超えている。そのため、一日に十体単位でチャレンジしても他の稼ぎで相殺できることから、懐へのダメージはそんなに大きくはない。まあ、今のところは自重して二日に一回程度に抑えてはいるのだが。
ふむ、今日は少し冒険してみよう。
いつも私がチャレンジしていたのは亜竜クラスのモンスターが入った媒体だけなのだが、今日は純竜クラスのモンスターに挑戦してみることにしたのだ。現在の私のレベルは37になり従属キャパシティーも増えてきているし、ソロで活動しているためパーティーの枠を気にせずに使うこともできるのでお蔵入りになることはまずないからだ
それに今までの傾向からモフモフしているタイプの召喚モンスターなら手なずけられる可能性が高いので、その方面で条件を縛れば達成できるかもしれないと思ったのも私が成功させる自信を持っている理由の一つだ
先程の二体もこの基準で試してみて引き当てたのでかなり確率は高いと思う。もちろん、挑戦するのにかかる費用が最低1万リル以上ということでかなり高額なことになっているが成功すればリターンが大きいので問題ないだろう
「いや、その考え方はアウトなのです、マスター」
そんなことを考えていたら、目を半眼にしてこちらを見ているザシキワラシからストップが掛かってしまった。
むぅ……、ダメなん?今回だけのお試しってことで、十連で受けてちゃダメなん?
「ダメなのです!!これまで失敗してないからといってその思考は危険なのです。そもそも当てにしている性格の合うモンスターがいなかったらどうするのですか!先程もらった報酬を加えても完全に今日の稼ぎが大赤字になるが目に見えているのです!!」
「うげッ!」
ザシキワラシに正面からド正論で論破されてしまい、私はうねりを上げて一歩後に後退ってしまった。
この子が孵化してからというもの、私はギャンブルに近いことをしようとすると今回と同じように正論によって説き伏せられてしまい、基本的に贅沢なことが出来なくなってしまっているのだ。賭博は言うまでもなく、装備屋にあるガチャは一度目のチャレンジで外してしまったため、最低金額でしかお許しが出ていない。
またこれが、ギャンブル好きな私がLUC補正の高い【賭博師】に就いていない最大の理由の一つでもある
しかし、ダメと言われたら余計にやりたくなってきてしまったな
よく分からない反骨精神に駆られた私はザシキワラシに切り札を切ることにした。その切り札とは………
「いーやーだぁ!!やりたいやりたい!!失敗したら一週間はこの手のクエストは受けないからおぉぉねぇぇがぁぁぁいぃぃぃ!!!」
と、言いながら私はその子供らしく細くて短い足に縋りつきながら駄々をこねた
我ながら見苦しいまでの泣き落とし&駄々である
若干引き気味に私を見つめるザシキワラシだったが進んで条件を提示したのが良かったのか、ため息をついたのちに私にこう言い放った
「はぁぁぁ、仕方のないマスターなのです。今回だけは許してあげるのです。ですが、失敗しようと成功しようと週に一回までのチャレンジしか今後は認めないのです。それでもいいのならお止めはしないのです」
うぐッ!条件が厳しくなってしまった。しかし、今後も同じ要求をしても同じ返答になってしまうのもこれで確定してしまった。墓穴を掘ってしまった感じがするが、これはもう腹をくくるしかないようだ。
「うぅぅぅぅ~、仕方ない。その条件で、飲んであげしょう!!!!」
断腸の思いでそれをハッキリと述べるとザシキワラシは呆れた様子でこちらを見てくるだけで特に何も言わなかった。どうやらOKが出たらしい。
犠牲は大きかったがこれで心置きなくチャレンジできる。周りからの視線を集めていた私たちはそれを特に気にすることなく、再びギルド内の受付に向かっていった
◇
クエストを始めて十数分後、ギルド内にある召喚クエスト専用に戦闘を前提に用意された道場風のスペースに私はいた。既に五つの媒体に挑戦しているが良さそうな個体とはまだ出会えていない。一体だけ良さそうのもいたが何故かはわからないがロクでもないことが起きそうな気配がしたので悩んだ末に召喚するのには至らなかった。ちなみにそのモンスターの名前は【狗神】である。
この時点で保険として警護の人を雇ったお金も含めて7万リルも消費しており、流れ的にザシキワラシの懸念が現実になりそうになっているため内心かなりビビッている。もう前金の5万リルも払い終えているので後にも引けず、隣で私の心を読んでいるためかどこか呆れ顔になっているザシキワラシの方を見ないように努めていた
今はギルドの職員さんに新しく挑戦させてもらう媒体を五つ用意してもらっているので、元が取れることを祈りながら大人しく座して待っているところだ
「お待たせしました、夜ト神さん」
そう言いながら入り口からギルドの女職員さんが両手で端を掴むように箱を持ちながらこちらへとやって来た。この職員さんとは最近よく召喚クエストを受けていることもあり、すっかり顔なじみになっている
「いえ、こちらこそいつも無理言ってすいません」
「お気になさらないでください。私達もお得意様相手に手も抜けませんので」
実のところを言うと、私ほど頻繁に召喚クエストを受ける人間はそこまで多くはないらしく、職員さんから意訳ではあるが「貴方様のようなカモを逃がすわけにはいきませんので」みたいなことを前に言われたことがある。
そういうことで私というカモを逃がさないために、余り実行する人間はいないが一度に複数体の召喚に試みることを許可してくれているのだ
(さて、そろそろチャレンジしてみるか)
私は心の準備を済ませ、媒体の入った箱を女職員さんから受け取り中身を拝見させてもらった。中には召喚モンスターを呼び出す媒体として天地では最もオーソドックスなモノである厚紙や木片で作られた人型が、計5つ入っていた。人型には五芒星が書かれており、その中にそれぞれに「虎」、「狼」、「狐」と、いった文字が書かれている。
そして箱が届けられていた時から薄々感じていたのだが、この人型達の一つからこれまで感じたことがないくらいのシンパシーにも似たよく分からない何かを感じ取っていた。これと同じような感覚を今の手持ちの四匹を手に入れた時に感じたことがあるが、これほど強烈な感覚は初めてだ
そして、その厚紙で出来た「虎」と書かれた人型を迷わずに優しく取りあげると警護の人と女職員さん、ザシキワラシに視線を巡らせて後に召喚の準備を行う
ジョブによるステータスと装備や〈エンブリオ〉の補正を受けた私のMPは約4000となり、初期値と比べてかなり大きくなったそれをすべて使い切るほどの勢いで人型へと注ぎ込んでいく。そして、途中で【MP回復ポーション】を服用してやっとぎりぎり召喚するのに必要な分のMPを注ぐことが出来た。若干MPの使い過ぎでふらふらするがそれを我慢しながら、これから召喚することを周りにいる面々に告げる
「では、行きます!!《式神召喚》、【鵺】!!!」
スキルを発動し召喚するそのモンスターの名前を叫ぶように呼ぶ
すると、私が持っていた人型が一瞬だけ光を放ち、それがすぐに収まると私の前に大きな体を持つ獣が現れた
それは大きくて黒い鬣に覆われた虎のような顔に、橙色と黒色で縞々になっている毛皮で覆われたクマのように大きな胴体、そしてアナコンダのように大きな蛇の尾を複数持つ妖怪だった
その名も【鵺】
明らかに強者の風格を持つその妖怪を視界に入れた途端、この場にいる人間はその雰囲気に飲まれてしまいその警戒心を最大にまで上げていた。
………この私を除いて
◇◇
…………【鵺】と相対して数分後
「よ~し、よしよしよし、ここがいいのかなぁ~?」
「Gurururu♪~」
【鵺】は私にその身を許し、嬉しそうに滅茶苦茶モフモフされていた。
この子は喉元を撫でられるのが好きなようで、先程から力加減を変えながら撫でていると気持ちよさそうな反応を返してくれた。私も少し硬質な毛皮だけど思う存分モフモフできて最高である。これこそが最強のwin-winな関係というやつなのかもしれない。
私と【鵺】がここまでの関係に至るまでさほど時間はかからなかった。私が【鵺】に聞いて分かったことなのだが、この子が今までやって来た挑戦者を主人として認めてこなかった理由は自分のことをただの戦う道具として求めていたことが原因だったらしく、前の主人のように心の底から自分を可愛がってくれる主人しか認めたくなかったのだとか。
要するに、ただの甘えん坊さんだったのだ。
周りが恐ろしいものを見るような眼差しをこの子に送る中でなぜ私だけ自然体でいられたのかと言うと、この子の目がうちの実家で飼っている猫が私に構ってほしい時にする目によく似ていたからだ。本当にそれ以外に理由はなく半分くらい直観に任せた判断だったが、こうして絆を結べているのだから私の勘も捨てたもんじゃないと思えてくる。
そして私は抱き着くのをやめて【鵺】の正面に向き直して、これから私に付き従ってくれることを認めてくれた【鵺】に改めて挨拶をした。
「これからよろしくね。【鵺】」
「GUAU!!」
こうして、私は純竜クラスの召喚モンスターを手なずけることに成功したのであった。
◇◇◇
【鵺】を手に入れてからも週に一度、味をしめて召喚クエストを受けている私なのだが、その後のチャレンジの結果はまるで運を使い果たしたかのように数ヶ月くらい、成功しなくなるのであった。
例え変態の国に行かずともモフモフを求めるブレない主人公であります
ガチャを我慢してる分、今できる超スリリングな賭け事がこれしかないため、欲望がトラウマを上回り今回のような奇行に走りました
うちの作品の【鵺】さんですが、作者のイメージは喰霊に出てくるラングレンの尾が少ないバージョンですね
あと、召喚クエスト(捏造設定)以外にも召喚モンスターの媒体を取り扱っている店で何体か買っています。
ただ、それなりの性能を持つ個体を買うとなると懐が寂しくなるので、節約のためにもクエストを受けることをザシキワラシは許しています
ちなみに主人公が初めてガチャをしたときの戦績はランクFの【おにぎりセット】、ランクEの【掃除セット】、唯一のランクCであったのは【騎馬民族のお守り】です
この三つが後ろから順番に出てきました
次回は原作でも屈指のあのネタアイテムが登場します