「トナカイさん!トナカイさんはいますか?」
ある日のカルデアのこと。マイルームでくつろいでいたマスターの元に一人の子供がやって来た。
彼女の名前は『ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ』。ジャンヌ・オルタが金ピカ王の薬を飲んで幼女化してしまった姿である。
そして彼女はあろうことかサンタを目指した。そう、一代目を目指し、怪しいアイランド仮面に教えを乞い、マスターと一緒に成長した彼女。
今では様々な周回で役に立ってくれている。昨日も一緒に種火を集めた。今日は周回の予定はないのだが…なんの用だろうか。
「あ!いました!」
「うん。なんの用かな?今日は一日お休みの予定だけど。」
「いえ!サンタにお休みはありません!ついこの間後輩もできましたし!私は頑張るのです!」
「そっかー。偉いね。」
近寄ってきたジャンタの頭をナデナデ。少し肌が赤く染まっている。そんなに急いで来たのかな?廊下を走ったら危ないよ?
「えへへ…それでですね…」
「うんうん」
ニコッと笑いながら頭をナデナデし続ける。可愛いなぁジャンタは。成長したらツンデレになっちゃうからね。正しく育てば…でもジャンヌの頭は撫でられないなぁ…セクハラになっちゃう。おじさん怖い。
「あの…トナカイさん?」
「でも露出多すぎるのも…うん?なにかな?」
「頭…」
「あ、嫌だった?ごめんね。」
「いえ!嫌ではない…のですが…その…えっと…」
ありゃ…やりすぎたかな。ちゃんと話を聞いてあげよう。
「おいで」
一旦手を頭から離し、脇に両手を入れて持ち上げる。
「えっ?あっ、あの…」
「まぁまぁ」
そのままベッドまで移動して、縁に座り、股の間にジャンタを座らせる。
これならジャンタの背かけにもなれるし、ぎゅっと抱きしめられるから落ち着く。ゆっくり話しも聞けそうだ。
「あ…あぅ…」
「そんなに小さくならないでいいよ。ほら、なんでも言ってよ。俺も暇だったからさ、ゆっくり聞くよ。」
「ぅぅ…トナカイさん…」
動かなくなっちゃった…まるで初めて家に来たウサギみたい。ふふふ…小動物可愛いよね…
でもこのままじゃ話が聞けない。よーし…
「こしょこしょこしょ…」
「やっ!ちょ…トナカイさ…やめ…あっ!あはははは!!!」
唐突に脇に手を入れ、思いっきりくすぐる。ふふ…股にすっぽりはまってるから逃げ道はないんだぜ!
「ほれほれ、話さないとずっとくすぐるよ?」
「話す!話します!話しますからやめてくださいぃぃぃ!!!」
「はぁ…はぁ…トナカイさん…ひどいです…」
「ごめんごめん。でも元気でたでしょ?」
「べ、別に落ち込んでたわけじゃ…」
「ん?」
「な、なんでもないです!」
うん。元気でたみたいだ。良かった良かった。
「話せる?」
「あ、はい。私はサンタなんですよ。」
「そうだね。」
知ってる…なんて言わない。絶対ほっぺプクーってして睨んでくるから。あれ?可愛いな。やってみようかな。
「なのに私働いてないと思うんです!」
「いやいや、そんなことないよ。いつも周回がんばってくれてるじゃん。」
「それはトナカイさんのサーヴァントなら当たり前です!それとは別になにかしたいんです!」
お、おぉ…すごいな。最近は引きこもりの子がいたり、休みの日はずっとゲームしてる子もいるのに…
偉いねぇ…
「あ、あの…あまり撫でないでください…話が進みません…」
「お?あら、ごめんね。無意識に手が…」
「また後でいっぱり撫でてくださいね!」
「おう!」
もちろんです!いくらでも撫でてあげますとも!
「また話が脱線しました…」
「お、脱線なんて知ってるの?偉いねー」
「えへへ…あ!こほん!それでですね?私は考えたのです!」
「やっとか。ここまで長かったね。」
「それはトナカイさんが…こほん!私は人助けがしたいのです!」
「うんうん。それで?」
「お休みの日にジャックさんやライムさんとかくれん…いろんなところに行ってみたりしてるんですけどね。そのときにいろんな方々が『困ったな~』って言ってるんです。」
「ほぉ。かくれんぼか。今度俺も誘ってね。」
「はいもちろんで…違います!皆さんが困ってるんです!それを助けるのがサンタの役目だと私は思います!」
「なるほど。それで?」
「でも私だけじゃ助けることができません。だから…」
俺のところに来た…と。なるほどね。やっとなんで俺のところに来たのかわかった。
つまり…こういうことだ!
「宣誓!俺たちは!ここにカルデア相談所を設立します!」
「え…?突然どうしたのですか?」
「違うよ。そこは『オー!』だよ。ほら。もう一回。」
「お、オー!」
「よし。じゃあ困っている人を助けにいこう!」
「はい!」
こうして俺とジャンタの人助け、『カルデア相談所』が始まった。
さて。どんな人がいるのかな?
あ、仕事をサボってお菓子食べたい、とかマスターを自由にしたい、とかダメだからね。
隣の部屋のやつの歌声が音痴すぎる。止めさせろ。とかもダメだからね!
いや、ムリだからね!できる範囲でよろ!