日向は悩んでいた。
今のままで、本当によいのだろうか。
このまま、瑞雲を瑞雲していて、本当によいのだろうか。
確かに、瑞雲は瑞雲であるが故に瑞雲足りうる。だが、日向が瑞雲ではなく日向であり、瑞雲であるが故に瑞雲足りうる瑞雲には、あまりに日向は瑞雲だ。
そう、日向は瑞雲ではない。
その瑞雲ではない日向にこれから先、瑞雲を瑞雲する瑞雲が瑞雲だろうか。
否、このままではいずれ、遠くない内に日向は瑞雲に相応しくなくなる。
ならばどうするべきか。
瑞雲はただあるだけで、瑞雲足りうる。
であるならば、瑞雲を志す日向も、そうあれば瑞雲足りうるのではないか。
そうであるならば、日向の取る行動は一つしかない。
このまま瑞雲足りうる資格を失うならば、日向であり続ける理由は無い。
そう決心した時、日向の中で何かが噛み合った。
ああ、そうか。
これが天啓なのか。天が囁いている。
汝、瑞雲なれと。
その日、日向は日向を捨てた。
〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃
重巡棲姫は取り合えず、逃げた。
よく分からないし、分かりたくもない。分かったら終わりの気がした。
兎に角逃げた。
逃げて逃げて逃げて逃げて、逃げ切った先に、奴は居た。
先回りされていたのだ。
あの緑色を視認し、来た道を戻ろうと急ターンを掛けた重巡棲姫だが、膝に瑞雲が突き刺さりこけた。
「ヴェアアアアアアアア!」
叫ぶ重巡棲姫、実にうるさい。
膝に突き刺さった瑞雲が瑞雲してきて、断続的な
「ヴェアアアアアアアア!」
また叫ぶ重巡棲姫、本当にうるさい。
「・・・ズイウンファイッ!」
意味が分からない。
日向が二足歩行の瑞雲になって襲ってきた。
自分はデパートで買い物をしていただけなのに、日向が二足歩行の瑞雲になって襲ってきた。
本当に意味が分からない。誰か助けてほしい。
「ヴェアアアアアアアア!」
ズイウンマンの右瑞雲が重巡棲姫のボディを抉り、倒れた重巡棲姫にマウント。
右瑞雲左瑞雲右瑞雲左瑞雲右瑞雲左瑞雲右瑞雲左瑞雲
左右の瑞雲コンビネーションが、重巡棲姫の顔面に叩き付けられ、脳が左右に揺れる。
「ヴェッ! ヴェアアアアアアアア!」
誰かこいつを何とかしてくれ!
重巡棲姫は叫ぶが、言葉にならない。実にうるさい。
尻尾か何か、自分でもよく分かってないナメクジみたいな何かでマウントを返して、いざ反撃。
「フロントズイウン!」
しかし、新たな瑞雲がそれを阻む。フロントズイウンだ。
「ヴェッ?!」
よく分からない瑞雲に阻まれ、だが反撃に繋げられる隙を突いた。
だが、重巡棲姫が見たものは、両瑞雲を突き出したズイウンマンだった。
「瑞雲嵐!」
右瑞雲を左回転、左瑞雲を右回転、その回転の間に発生するのは瑞雲的小宇宙。
「ヴェアアアアアアアア!」
重巡棲姫は轟沈した。