ズイウンマン   作:ジト民逆脚屋

2 / 2
あの日の私を取り戻そうとしました


帰ってきたズイウンマン

日向は瑞雲である。瑞雲である日向は、つまる所瑞雲であり、瑞雲である為に瑞雲らしい行動を心掛けている。

しかし、しかしだ。瑞雲は瑞雲であるから瑞雲であり、瑞雲らしい行動を心掛けている時点で、それは瑞雲とは言えないのではないか。

昨今、巷に蔓延る誤った瑞雲の扱いに、日向は何も出来ないでいた。

つまり、今の日向は瑞雲とは言えないただの日向でしかない。

しかし、瑞雲とは瑞雲であるが故に、それ故に完成された存在である。

であるならば、未だそれに至らぬ日向は瑞雲ではないが故に、それに至る為の日向の行為は無駄ではない。

つまり、瑞雲至らぬ日向は未だ瑞雲足り得ないが、しかし確かに瑞雲である事の証左である。

瑞とはめでたいしるし、瑞雲とはめでたき時に現れる雲。

おお、なんという事か。

まるで日向の歩みを祝福するかの如き言葉ではないか。

真、瑞雲とはよく言ったものである。

この日、蒙を啓いた日向は、行動を始めた。

全ては正しき瑞雲の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジウン、或いはズィウンよ……

我らの祈りが聞こえぬか……

三菱の日向にそうしたように……

我らに翼を与え給え……!

我らに翼を与え、人の愚かさを克させ給え!

海に浸かり、最早見えぬ暁の果て……

空よ……!

やがてこそ辿り着き、やがてこそ語り合おう

 

 

ズイウンランド、正しき瑞雲を啓蒙する会、ハッピーズイウン教、真理ズィウン派、正統ジウン派、聖ジウン会、ありとあらゆる瑞雲を信じる者達が集まる聖なる地にて、この様な禍々しい聖句が厳かに論じられていた。

 

おお、ジウン、或いはズィウンよ

我らの祈りが聞こえぬか

しかし我らは夢を諦めぬ

海に沈んだ水底の底で、見果てぬ暁を求めよう

嗚呼、夢は覚めず巡り、瑞雲もまた巡る

今宵もまた、同じ様に

 

それは最早、瑞雲を讃える聖句ではなく、瑞雲を求める己達への賛美と成り果て、瑞雲は瑞雲ではなくなってしまっていた。

瑞雲は瑞雲故に求めるものではなく、ただそこに在るもので在ると同時に、人には人の瑞雲があり、己の内にこそ己の瑞雲を求めるべきなのだ。

他人の内に、己の瑞雲を求める行為は、それこそ瑞雲を瑞雲ではない瑞雲に貶め、瑞雲から遠ざかる瑞雲となる行為に過ぎ瑞雲。

その様な行いを許す瑞雲ではない。

 

「ズイウンファイ!!」

 

見よ! 正しき瑞雲のエントリーだ!

 

「アイエエエエ! ズイウンマン?! ズイウンマンナンデ?!」

「イィヤー!」

「グワー!」

 

驚くダークズイウン達に、ズイウンマンの右瑞雲が炸裂!

ダークズイウンは爆破四散!

 

「おのれ、ズイウンマン! 何故ここが分かった?!」

「ダークズイウンよ、私は瑞雲の加護がある。つまり瑞雲判断だ!」

 

ズイウンマンには、瑞雲の加護がある。それは瑞雲が瑞雲として瑞雲する為に必要な瑞雲であり、瑞雲の使者たであるズイウンマンには必須瑞雲。

つまり、瑞雲の加護を持つズイウンマンこそ、正しき瑞雲なの瑞雲!

 

「認めん……、認めんぞ! 我らは瑞雲を貶める全ての鎮守府を瑞雲に染める。つまり、正しき瑞雲の布教者だ!」

「否! 瑞雲とは、瑞雲であるが故に瑞雲なのだ! 瑞雲は常に人々の心の中にある! 貴様らはそれを歪めた! ズイウンアローイヤァァァ!」

「アバー!」

「ズイウンナイフ!」

「グワー!」

「ズイウンフォール」

「アバー!」

 

哀れ、ダークズイウン達は瑞雲を間違え、瑞雲を哀しませた罪により爆発四散!

これにより悪なる瑞雲は去った。

しかし忘れてはならない。

瑞雲は全ての人々の心の中にあるものなのだ。

つまり、瑞雲は瑞雲であり、瑞雲とは瑞雲という事だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。