東方銃神録   作:照喜名 是空

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八雲紫

俺たちは戦った。戦って戦って戦い抜いた。

それはまるで祈りのようだった。

地の果てまでも燃やし尽くすような闘争の果てに日本は一度、統一された。

 

そうして生き残った妖怪たち、その最後の戦いに俺はいた。

 

「八雲紫……やはりお前は最後まで立ちふさがってくるか。

何が違う?お前の目標、妖怪を生かすことと。

俺は俺で妖怪と人を共存させている」

 

眼前には雲霞のような妖怪の軍勢。

後ろには雲霞の様な俺の信徒の軍勢。

 

「あなたの下僕どもはもはや妖怪と呼べないわ。

貴方の手によって作られたもはや別種。新たな人間。

ええ、認めませんとも。われわれは生き延びる。生き延びてみせる」

 

「そうして秘境に引きこもって隠れて暮らすのか。

外の人間を見下しながら。くだらない、くだらないよお前」

 

「あら?何が違うのかしら。

人間に食べられる脅威を与えるのと。

妖怪に人を食べない統制を与えるのと。

理想郷など存在しない」

 

「それで、お前は幻想卿を作る、か……」

 

「ええ、貴方のいない世界で私たちは自由に暮らすのですわ。

だけど、あなたが邪魔」

 

「ああそうだな、あんたは邪魔だ」

 

「美しく残酷に死ね!」

「無残に泥にまみれて死んでしまえ」

 

そうして、戦いが始まった。

 

紫はたくみにスキマを使い軍勢を移動させて襲撃を行う。

俺の軍勢は河童によって量産された銃剣つきミニエー銃を手に方陣を組む。

 

弾幕が双方で張られ、次々に死んでいく。

 

俺と紫の戦いは千日手に入っていた。

 

俺が音速に迫る高起動で弾幕が意味を成さなくなる遠方から狙撃を行えば、紫は夢と現の境界をいじって物理攻撃を無効化する。

紫がスキマを使って奇襲を行えば爆薬と煙幕で距離をとる。

 

幽香が、幽々子が暴れて軍勢を崩していく。

 

紫の弾幕はとてつもない。本人が見えないほどに花火のような妖力弾が飛んでくる。

円形に六芒星の魔法陣が、正六面体の箱が回転しながら弾幕を撒き散らす。

 

俺はいそいでアフターバーナーのように神力を放出しながら3秒ほどで2km先に飛び、すぐさま狙いを定めて紫本人を撃ち貫く。

だがだめだ。あの目玉のあるスキマが開いて弾丸を吸収するか、紫本人がゆらりと揺らめいて弾丸を透過するばかり。

 

だがやつも攻めあぐねている。近寄れば俺の暴力が襲うか、おれ自身があっという間に逃げる。

スキマの前には距離は無意味だが、すばやさでいえばこちらに圧倒的な有利があった。

 

「さて時間ね。星蓮船が来たわ。

境界を司る私にはあなたの攻撃も軍勢も無意味。

私は私の幻想卿を作るのにふさわしい場所を探しましょう」

 

そういうと紫の軍勢はスキマに消えていく。

 

「あなたとあなたの軍勢は超えてはいけない境界を越えたわ。

そう、人と妖の境界を。

わたしはあなたと私の間に呪いをおきましょう」

 

遥かかなたに小さな小さな船影が見える。

だめだ、ここからでは届かない。

 

「では、さようなら」

 

そういうと紫は消えていった。

討ち取れなかった。やはり俺はあの女には敵わないのか。

結局無駄に軍勢を消費しただけで終わった。

 

あちらさんは最後に一発かまして消えていった。

おそらくは大陸で幻想卿を作るのだろう。

俺は付き従う妖怪のガス抜きに使われたわけだ。

 

くそっ

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