東方銃神録   作:照喜名 是空

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それから

かくして、神々の中でも崇仏派と廃仏派が別れ争っている。

国の中は大荒れだ。

俺たちザミエル教徒は早々に仏教徒を守護すると宣言し戦争に参加した。

ただしミソなのは俺たちは仏教徒を守護するのであって、俺たち自身は別に仏教を信じてはいないということだ。

仏教徒のやつらにもザミエル教を支持するように脅しをかけている。

 

曰く仏教は人道を行く宗教、ザミエル教は天道を行く宗教。

それぞれの種族には違う方便が必要だ、とか。

 

どちらもいずれは輪廻して同じ浄土へいけるとか。

 

それら適当な方便を述べてなんとなく神仏習合的な空気を流した。

仏教派と神仏習合派、神道派というロウ、ニュートラル、カオス的な道筋を作った。

 

だが結局は仏教と神道は白黒上下を決めるために争う。

 

まあ結局は皇后の一人である豊御食炊屋姫、後の推古天皇と、皇子の一人、穴穂部皇子の対立であり、

豊御食炊屋姫の傘下である蘇我馬子と穴穂部皇子の後援者である物部守屋の対立なわけなんだが。

つまりは、よくある宮中の権力闘争にすぎない。

 

蘇我氏は穴穂部皇子を謀殺し、その勢いで物部氏を討伐に向かう。

 

そしてそれは仏教派と神道派の最終決戦だった。

 

物部氏は三度蘇我氏を退け、四度目で厩戸皇子が仏教の四天王を召還して勝ったそうだ。

 

俺は軍勢を貸し与えただけでこの戦には参加しなかった。

 

神々の恨みを買うのが面倒だったからだ。すでに買っているが、呪いをかけられるほどではない。

 

神奈子は八坂の神だ。八坂神社の祭神はスサノオ。つまり上司がさっさと崇仏派になってしまったためこの戦いには出なかった。

諏訪子も軟禁状態らしい。

 

そうして、厩戸皇子は官僚制を敷き国の形が整った。

 

町はもう木造建築というだけでもはや現代と変わらん。

いまだにラジオばっかりでテレビがないがね。

鉄道には蒸気機関が走っているし。河童の連中もよくやるよ。

イメージとしては明治時代風か?

 

だが俺はそんな国に背を向け高句麗に行く。

隋の国から援軍要請が来たからだ。

これを契機に俺は東南アジアの国々をまとめるつもりだ。

あちらの国々の妖怪や神々はあまり知らないが……

まあまったく知らないわけじゃないのでなんとかなるだろう。

ただ問題はあの風土だ。常に食べるものがある暢気な場所で俺たちのやり方が通用するだろうか?

まあいってみるしかない。

 

「止める機会は作りましたよ。それを蹴ったのは君です」

 

聖徳王が俺を見る。

 

「知ってるさ、ちょっと暴れてくる」

 

俺たちは行く、外洋へ、外洋へ!

 

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