Fate/Grand Order 白銀の刃   作:藤渚

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銀さんと万事屋+α チキチキ冬祭り

 

「えーどうも皆さん、明けましておめでとうございます。この度は万事屋の皆がメインの回になるので、多分出番が(ほとん)どないであろう藤丸立香でっす。何で俺が普段滅多に使われない前書きにいるのかと言うとですね、此度(こたび)小噺(こばなし)ではFGO亜種特異点及び二部に伴うキャラクター等のネタバレが含まれているため、その注意を伝えてこいとダヴィンチちゃんより(たまわ)ったからなのです。もし1.5部かつ第2部(ロストベルト)の三章までをを未プレイで、ネタバレなんざクソ喰らえェェェェェッ‼という方がございましたら、旋回して戻るか今すぐブラウザを閉じて…………あ、マシュが呼んでる。それじゃあここまで飽きずにしっかりと読んでくれた皆さん、今回の小噺も楽しんでくれると嬉しいな。じゃっまた後で!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しんしんと積もった雪に覆われた、どっかの特異点か異聞帯的なところで、『それ』は唐突に始まったのであった───。

 

 

『あー、テステス聞こえてる?うん聞こえてるね……やっほ~カルデアの諸君、それにお集まりいただいた英霊(サーヴァント)の皆!見た目は美少女、中身は天才、小さくなっても頭脳は同じ、皆のレオナルド・ダ・ヴィンチちゃんだよ!』

 

 

「「「イエエェェェェェェイッ‼」」」

 

 

『いや~それにしても昨年末のプロローグから夏に始まった二章まで、舞台はずぅっと雪に覆われてるね。寒い、とにかく寒いったらない。え、三章は雪なんて無かったよって?いいんだよ~今回の小噺の舞台とこじつけたいんだから、細かいトコは突っ込まない!とにかく、自然の摂理といえ寒さはいけないね、人間(ひと)も英霊も駄目にしてしまう。とはいえ今は人類史の危機だ、こんなシケた(ツラ)してちゃあ皆の士気もガタ落ちだよ!とあるスナックの女性(ママ)の言葉を借りれば、雨が降れば行水!槍が降ればバンブーダンス!どんな時もエンジョイする心意気を忘れてはいけないよ!ってなわけで、そんな彼女の案に私も便乗してみたのさ。題して……………第一回チキチキ☆カルデア雪祭り!今ここに開催を宣言するよっ!』

 

 

「「「イエエェェェェェェイッ‼」」」

 

 

『雪がなんだ⁉寒さがなんだ⁉こちとら人理を修復した泣く子も黙るカルデア一派だぞコノヤロー!ということで、まあ大雑把(おおざっぱ)な内容としては日本の北国で行われている祭りみたいなもんさ。各個人、(ある)いはチームを組んでこの腐るほどある周りの雪を使って素晴らしい雪像を造ってくれたまえ。ああ勿論、そちらに参加しない人達も楽しめるように、色々な出店(でみせ)やちびっこ広場も設営しておいたよ~。そしてそしてぇ、この雪像グランプリで見事優勝に輝いた者には、な・な・何と!NY祭の時のものと同様の聖杯をプレゼントしちゃうぞ!みんな~聖杯欲しいかぁっ⁉』

 

 

「「「イエエェェェェェェイッ‼」」」

 

 

『うんうん、いいねいいね~。会場も(あった)まってきたことだし、この熱気で雪が溶けてしまう前に、よーいスタートっ!』

 

 

 

 

 

 

 わいわい、がやがや。賑やかな声が溢れる雪祭りの会場内。

 カルデアの職員達やサーヴァントの面々の手により、大中小の様々な雪像が造られていくこの場で、万事屋の三名もまた同様に(いそ)しんでいた。

 

 

神楽「銀ちゃーん、新八。雪持ってきたアル。」

 

銀さん「おう、サンキュー神楽。」

 

新八「ありがとう神楽ちゃん、こんなにたくさん大変だったでしょ?」

 

神楽「ふふん、神楽様にかかればこんなのお茶漬けさらさらネ!」

 

銀さん「お茶の子さいさいな。とりあえず雪その辺に置いといて、こっちの方手伝ってくれ。」

 

神楽「あいあいさー。」

 

新八「ところで銀さん、さっきからずっと気になってたんですけど、どうして今回は「」(かっこ)の前に名前の表記がされてるんでしょう?本編なら分かるんですけど、ココって書いてる奴の小噺という言い訳を用いた小ネタ帳みたいなコーナーなのは分かるんですけど、いつもはこんな風な形式にしたりなんかしないでしょ?読んでくれてる人達もきっと首を傾げてると思うんですけど。」

 

神楽「あ、ホントだ。しかも銀ちゃんだけちょっと違うアル。いいな~私も変えたいヨ!」

 

銀さん「ああコレか?何でも今回の小噺はいつもより出てる奴が多いらしくてだな、読んでる方も書いてる奴も混乱しないためのモンだそうだ。(ちな)みに縮んだダヴィンチ(いわ)く、こっちから簡単に(いじ)れるっぽいぞ。」

 

千年に一度の宇宙一チャイナ系美少女銀魂ヒロインの神楽ちゃん「おおっ、コレは面白いアル!」

 

ルックス身長共に高スペックなカッチョイイ主人公の銀さん「いいねいいね、これだけ設定つけときゃ初見の奴らも俺らがどんなキャラか容易にイメージ出来んだろ。」

 

パチ君「盛りに盛り過ぎだろォォォッ‼アンタら無駄に長ェんだよっ‼台詞の前に一々そんな文字数使ってたら、読んでくれてる人達も書いてる方も余計面倒くさ……ってアレレェッ⁉いつの間にか僕のも変更されてる、って何コレ⁉」

 

ルックス身長共に高スペックな実写キャストは小〇旬の元攘夷志士最強白夜叉な銀魂の主人公カッチョイイ銀さん「あ~それな、お前が「ところで銀さん~」の後に長々と台詞が続いてた最中、すぐ横を通りすがってったアストルフォが鼻唄歌いながら書き換えってたぞ。」

 

パチ君「えっ、アストルフォ君が………んもう、しょうがないなぁ。別にこれで僕だと分からないわけじゃないですし、銀さん達みたいにやたらと文字数食うばかりに長ったらしくもないからね。」

 

千年に一度の傾国の美姫にして宇宙一チャーミングなチャイナ系美少女ヒロインの神楽ちゃん「何だヨ駄眼鏡、可愛けりゃナニがあろうが無かろうが見境ねーのか。」

 

パチ君「いや、別にそういうわけじゃ……とにかく、二人とも早く元に戻してくださいよ。このままじゃ読みづらいったらありゃしない。」

 

銀さん「ちぇー、わぁったよ。」

 

神楽「ぶ~、もっとステータスに色々と追加したかったアル。」

 

パチ君「はいはい、また今度機会があればね…………あれ?そういえば神楽ちゃん、定春と一緒じゃなかったっけ?」

 

神楽「おー、定春なら向こうでロボと赤兎馬と遊んでるネ。ほら、あっちで楽しそうに追いかけっこしてるアル。」

 

銀さん「………いやアレな、追いかけっこじゃなくて馬が獰猛(どうもう)な二匹の獣から必死に逃げ惑ってんだと思うんだけど。しかしまあ、強者が弱者を喰らい己の(かて)とする、食物連鎖という自然界の厳しさをこんな間近で見られるとはなぁ。折角のいい機会だ、お前らもじっくり観察しておけよ。」

 

パチ君「何呑気なコト言ってんだアンタァァァァッ‼早く赤兎馬さんを助けないと、あの人……いや馬か、が本当に食べられかねませんって!」

 

銀さん「馬刺しかぁ、いいな~最近食ってねえな。」

 

神楽「私は煮込みが好きアル。お肉と(たけのこ)と糸こんにゃくをじっくり煮込んだあの残り汁をご飯にかけても最高ネ。」

 

パチ君「腹の空く話してる場合かァァァァッ‼んな呑気なことしてる場合じゃないでしょアンタら!マズいですよアレ、あの二匹の目には赤兎馬さんなんてちょっとすばしっこい桜肉にしか見えてませんよ!早く助けてあげないとっ!」

 

銀さん「心配すんなって新八。ほら見ろ、たった今動物会話持ちのサーヴァント二騎が急いで突っ走ってったぞ。」

 

神楽「金時(きんちゃん)も水着牛若丸(ウッシー)もいることだし、きっと大丈夫アル。ほら、ヘッシーもあんな必死にロボにしがみついてることだし、後は任せても平気ネ。」

 

パチ君「そ、そうかなあ………後で赤兎馬さんやヘシアンさん達に、きちんと謝らないと。」

 

銀さん「それより新八、土台のほうはもう出来たのかよ?ツッコミだけでなく手もちゃんと動かさねえとなんねえぞ。」

 

パチ君「ちゃんと作業もやってますって、こんな具合でどうですか?」

 

銀さん「おーおー流石はぱっつぁん。イイ仕事すんじゃねーか。もうコレ土台だけでグランプリいけんじゃね?」

 

パチ君「何寝ぼけたこと言ってんですか、周りよく見てくださいよ。今回の雪祭りはかぶき町で行われてたヤツより、明らかにハードルが高くなってんですから。それに英霊(サーヴァント)の人達の中には、こういった芸術部門に特化してる人だっているんですし、生半可な作品じゃあ優勝狙うなんてまず無理ですよ。」

 

銀さん「ったく、どいつもこいつも賞品に目ェ血走らせやがって。人間だろうがサーヴァントだろうが、聖杯を欲するってトコだけは変わんねえらしいな。」

 

神楽「そういう銀ちゃんは、聖杯欲しくないアルか?私は欲しいネ!だって願い事何でも叶うんだヨ、積年の夢だった毎日酢昆布とTKG(卵かけごはん)食べ放題を実現させたいアル!」

 

銀さん「おいおい、万能の願望器にかける願い事がソレかよ。ったく、根っからの貧乏性はこれだからよぉ。何でも叶うっつーんだから、もっとビックな理想を抱いてもバチなんざ当たらねえだろ。例えばだな、毎日三食高級寿司とA5ランク級の焼肉を食べ放題、あとデザートにはスウィ~ツバイキングも欠かしちゃなんねえだろ。」

 

パチ君「そういうアンタだって、神楽ちゃんとそこまで大差ないでしょ……………というか冒頭からずっと気になってたんですけど、僕ら一体何の雪像を作って─────」

 

 

 

神楽「銀ちゃーん、玉こんな感じでいいアルか?」

 

銀さん「おーイイねイイね、それじゃあその間にこの棒を置いて、っと。」

 

 

 

 神楽が均等の大きさに作った雪玉、土台の上に間隔を開けて並べられた二つの間に、銀時は担いでいた太くて大きな雪の棒を慎重に下ろしていく。

 

 お分かり頂けただろうか、彼らが今作ろうとしているものの応えは、(ただ)一つ─────

 

 

 

パチ君「いやこっちの連載も終わるううゥゥゥゥゥッ‼」

 

 

 敏捷EX並みの速度で銀時の横をすり抜け、新八は渾身の力で片側の玉を蹴り飛ばす。

 

 某稲妻サッカーの必殺技に匹敵するやもしれぬ勢いで飛んでいった雪玉は宙で弧を描き、勢いを殺さぬまま他チームの制作している雪像へと直撃した。

 

神楽「あぁ~っ何すんだヨ馬鹿眼鏡‼せっかく綺麗に作ったのにぃっ‼」

 

パチ君「作ろうとしてるモンが汚ェよっ‼何でFGO(こっち)の雪祭りでも猥褻物(わいせつぶつ) (こしら)えようとしてんだアンタらァッ‼」

 

銀さん「猥褻物とは失礼だな。お前また勘違いしてるようだから教えてやるけどよ、これは銀魂を知る者ならば誰でも知り得る、そしてD〇ESの最新アルバムのジャケットとタイトルをも飾った、かの有名な大砲だぞ。その名もズバリ────」

 

神楽「ネオアンチクロサイケデリックあん肝砲アル!あれだけ有名だってのに名前すら思い出せないなんて、オメー何年銀魂にいるんだヨ?また一巻から童貞レベルも1でやり直すか新八ィ?」

 

銀さん「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だろ、お前も一巻からやり直してこい神楽。」

 

パチ君「そんなことよりアンタら、ここは僕らのいたかぶき町じゃないんですよ⁉あっちじゃあ周りでも似たようないかがわしいものを作ってたから、僕らのも多少紛れる感じで何とか誤魔化せましたけど、ここでそんなモン作ったら優勝どころか運営側に叱られ─────」

 

 

??「くぉうらァァァァッ貴様らああァァァァッ‼」

 

 

銀さん「ん?何だオイ、丸さを増したミ〇ュラン〇ンが叫びながらこっちに走ってきやがったぞ。」

 

神楽「銀ちゃん、ミ〇ュランよりベイ〇ックスのが近い気がするヨ。」

 

パチ君「いや、ミ〇ュラン〇ンでもベイ〇ックスでもなく、白い防寒着を着込んだ新所長さんですよ。何だか凄く怒ってるような………あっ転んだ。」

 

 

新所長(ゴッフ)「あ痛たたた……私としたことが、派手に尻を強打してしまった……。」

 

銀さん「大丈夫かよミ〇ュラン、あれだけ派手に転んだら尻割れてんじゃねえのか?」

 

新所長(ゴッフ)「誰がミ〇ュラン〇ンだねっ‼全く君は、初対面の時から本当無礼な男だな。大体サーヴァントとはいえ、いい若いモンがそんな死んだ魚みたいな目をしていたらいかんよ………いや、君なんざに気を遣われなくとも、こう見えて私は結構鍛えてるからね。この美尻(ヒップ)だって別に何ともな────あ、あれ?割れてる、私の美尻が真っ二つに………いっ嫌あああァァァァッ‼誰か、誰が急ぎ救護班ををォォォォォッ‼」

 

パチ君「新所長さん落ち着いてください、尻は元々割れてるものですから。」

 

新所長(ゴッフ)「ハッ!ししし知ってたぞ、そんなコトぐらい!ほんのちょこっと君達の低俗なノリに付き合ってあげようと、寛大な私なりの心遣いだ!感謝しなさいよっ!フンッ!」

 

神楽「それで、何か用かヨ?ベイのマックス。」

 

新所長(ゴッフ)「誰がベイ〇ックスだっ⁉あと伏せるならしっかり伏せなさいチャイナ娘!夢の国は相手に回すと本当恐ろしいんだから、ムジーク家の全主力を以ても太刀打ち出来るかどうか………ハッ!いかんいかん、わざわざ私がここまで赴いてきた本当の目的を忘れてしまうところだったよ。では改めて…………くぉうらァァァァッ貴様らああァァァァッ‼」

 

銀さん「あ、そっからやり直すんだ。」

 

新所長(ゴッフ)「貴様らのとこから飛来してきた雪の弾丸が、我がカルデアチームの制作する雪像に直撃したではないか!折角私の指揮する元に、ミケランジェロもおったまげなクオリティの精巧(せいこう)なムジーク像が、もうじき完成するとこだったというのに!」

 

パチ君「あ、それ蹴り飛ばしたの僕です………本当にすみませんでした。」

 

新所長(ゴッフ)「むっ………うん、まあ。非を認め素直に謝るんなら、許してやらなくもないよ。私の寛容な精神に深く感謝するといい。」

 

銀さん「しっかし所長さんよ、また随分とデカいミ〇ュラン〇ンの雪像だな。あんなん的にしてくださいって存在だけで訴えてるようなモンじゃねーか。」

 

神楽「違うヨ銀ちゃん、あれはどう見てもベイ〇ックスアル。頭は吹き飛ばされて無いけど、あのずんぐりした体とよく出たお腹、間違いないネ。」

 

新所長(ゴッフ)「どっちも違うわ馬鹿共っ‼ムジーク像だって私さっき言ったじゃん?聞いてなかったの君達ィ⁉全く近頃のサーヴァントときたら…………っと、こんな所で時間を浪費している場合ではなかった。おーいラド〇リフ君!至急ムジーク像の修復に取り掛かってくれたまえ!」

 

ラド〇リフ「ダニエルじゃねーよムニエルだっつってんだろ‼性別と眼鏡以外掠りもしてねェじゃねーかっ!!死の呪文(アバダゲタブラ)唱えてやろうかオッサン!」

 

新所長(ゴッフ)「こらああァァァァッ‼私の景仰(けいこう)するハ〇ー・ポッ〇ーはそんな悪の呪文を使ったりなぞするものかっ‼それでは諸君、くれぐれもまた雪の弾丸を飛ばしてくることのないようにな、私は忙しいので失礼するよ────って、オイ何してる貴様らっ⁉修復が面倒だからとムジーク像をドラ〇もんに改造しようとするんじゃない‼コラッやめんかああァァァァッ‼」

 

 

 

パチ君「………行っちゃった。新所長さんも色々と大変だなぁ。」

 

神楽「やった~!遂に完成したアル!」

 

銀さん「一時はどうなるかと思ったがな、ネオアームストロングサイクロン………ああもう、長ったらしくて読むのも書くのも面倒だな。こっからは縮めてNASJA砲と表記させてもらうことにしよう。」

 

パチ君「ってこっちも大変だああァァァァッ‼ちょっと目を離した隙に猥褻(わいせつ)物陳列罪に即引っかかりそうなトンデモオブジェがとうとう誕生しちゃったよ‼マズいってコレ、誰かの目に触れる前にまた僕がこの手で────」

 

 

 

??「まあまあ、こちらはまた一段と賑やかですこと。(わたくし)達もお喋りに混ぜてはいただけないかしら?」

 

 

 

 突如、背後から掛けられた声に、揃って振り向く万事屋一同。

 そこにいたのは、穏やかな微笑みを湛える高貴な身なりの少女。そして彼女の背中に身を隠すようにしてこちらを(うかが)う、銀灰色の髪色の青年。

 

 

パチ君「ええっと…………失礼ですが、貴方がたは?」

 

皇女(アナスタシア)「あら、そういえばきちんとご挨拶をしていなかったわね。ごめんなさい………それじゃあ改めて、私はキャスターのサーヴァント・アナスタシア。「」(かっこ)の前の名前に表記されているルビにも、そう書かれているでしょう?」

 

神楽「おおっ!もしかしてガチのア〇雪アルか⁉それならあの歌いながら氷でお城作るヤツ見せてヨ!最後はちゃんと「少しも寒くないわ」って台詞も忘れずにな!」

 

銀さん「バッカおめー、そりゃ(ア〇)じゃなくて(エ〇サ)のほうだっつの………で、お前の後ろでコソコソしてやがる、そこの陰キャが何(モン)だ?」

 

??「………………(コソコソ)」

 

皇女「ほらカドック、何をそんなに怖気づいてるの?貴方もきちんとご挨拶なさいな。」

 

??「……………(サッ)」

 

皇女「んもう、仕方のない()()()()だこと。」

 

パチ君「あ、あれ……?ちょっと待ってください。その人がアナスタシアさんのマスター?ってことは、まさか……⁉」

 

皇女「あら、貴方は私達のことをご存知のようね………ええそうよ。私とマスターである陰キャと呼ばれた彼、カドック・ゼムルプスは、かつて異聞帯となったロシアを統括(とうかつ)していたわ。貴方達カルデアの敵である、クリプターと呼ばれる存在としてね。」

 

銀さん「ほーん………で、その敵側だった連中が、何で今更こんなトコに現れてんだよ?再戦(リベンジ)でもしに来たのか?」

 

皇女「あら、そんな無粋な真似事など微塵も考えてはいないし、する必要もないわ。だって私、もう二部(ほんぺん)からはクランクアップした身ですもの。」

 

パチ君「くくく、クランクアップゥゥゥッ⁉そんな設定アリなんですかぁ⁉」

 

銀さん「あのなぁ、ぱっつぁん。ここは色んな設定やIfが溢れかえった二次創作作品の中でも、特に何でもアリな無法地帯の小噺エリアだぞ?かつて世界の命運をかけて死闘を繰り広げた相手だろうが、出番が終わりゃあ只の一般凡人(ピーポー)英霊(サーヴァント)だ。互いにいがみ合う理由も無くなっちまえば、後は自然と酒でも酌み交わす間柄になるってモンよ。」

 

皇女「ふふっ、白銀の剣士(セイバー)さんの(おっしゃ)る通りだわ。カドックはまだ出番が残っている身でしょうけど、私はもう自由(フリー)ですもの。今日はこうしてお祭りを楽しませていただいてます。」

 

パチ君「そ、そうなんですか………ってことは、アナスタシアさんやカドックさんと同様に、今まで空想切除(クリア)してきた異聞帯の他のクリプターやサーヴァントの皆さんも、今はここにいるってことですか?」

 

神楽「そういえば、さっき定春と雪集めに行った時に、マシュが見たことある奴と仲良さそうに何か作ってたネ。」

 

皇女「それはきっと、オフェリアと一緒にいたのね。彼女達は大きな雪像は作れないから、小さな雪のウサギをたくさん作るんだって張り切ってたわ……………ところで、ぱっつぁんさん達はどのような雪像を作ってらっしゃるの?」

 

銀さん「お~そんなに見たいか?優勝間違いなしの俺達の力作を。」

 

神楽「仕方ねーな、特別にちょっとだけアルよ?次からは見物料取るからナ?」

 

パチ君「おわぁぁァァァッ‼ややや、やめてくださいよ二人ともっ‼あわわわ、見ちゃ……見ちゃ駄目ですアナスタシアさんっ‼あと僕の名前は志村新八ですっ‼」

 

皇女「‼─────まあ、これは………‼」

 

パチ君「あ、ああぁ~終わりだ………こんな猥褻(わいせつ)物を公共の目に(さら)す羽目になるなんて、この作品もう続けていけなくな────」

 

 

皇女「ほらカドック、貴方も御覧なさいな。とても見事なネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲、略してNASJA砲だわ。」

 

カドック「…………ああ、本当だ。中々完成度高けーなオイ。」

 

パチ君「えっ────ええええええええっ⁉ななな、何で知ってんですかアンタらぁっ⁉」

 

皇女「あら、ご存知ないかしら?かのロシア革命で起こった内戦時、『悪魔の(いかずち)』として恐れられ、その名を知らしめた脅威的破壊力を誇る軍事兵器なのよ。あのイヴァン雷帝も感銘を受けて、異聞帯で開発を試みたのだけれど、自身の身体に装備する段階で幾つもの問題が発生したために、計画は中止になってしまったの………でもまさか、あの『悪魔の雷』がこんなところで雪像という形でお目にかかれるだなんて、とても光栄だわ。」

 

パチ君「………あの、(ちな)みにイヴァン雷帝さんは、身体のどこにNASJA砲を取り付けようとしたんですかね?」

 

銀さん「んなモン今更聞かなくったって、大体分かんだろーがよ。あの通りの巨体にNASJA砲つけるトコっつったら、もう一箇所しか思いつかな────」

 

パチ君「やめてええェェェッ聞きたくない‼読んでる側の人達も大凡(おおよそ)で検討ついてるかもしんないけど、頭でイメージしたくないからそれ以上言わないでェェェェェッ‼」

 

カドック「……………(ジー)」

 

神楽「おい、そこの厨二患ってそうな陰キャ。さっきからずっとこっちにガンくれてっけど、言いたいことがあるならさっさと言うヨロシ。」

 

皇女「もうカドックったら、彼らに会いに行きたいと言い出したのは貴方でしょう?いつまでもそうしていないで、しっかりなさいな。」

 

カドック「う………うん。」

 

パチ君「え?カドックさんが僕らに……?」

 

皇女「正確には、そこの白銀の剣士(セイバー)………ええと銀時さん、でよかったかしら?ごめんなさい、カドックの口から何度も名前を聞いてはいるのだけれど、あまりはっきりと覚えていないもので。」

 

銀さん「おお、別に間違っちゃいねえけど………つか、どういう(ゆかり)でクリプターのそいつが俺のこと─────」

 

カドック「あっ、あの‼」

 

銀さん「うおぉっビックリした!何だよ~いきなり大声出して。」

 

カドック「えっと、その………何ていうか………。」

 

皇女「ふふっ、カドックったら早く(おっしゃ)ったらどう?貴方が購読している、週に一度発売のあの雑誌。その中でも特に熱心に読み(ふけ)っているお話の主人公が、今目の前にいるのだから。」

 

カドック「あっアナスタシア!そういうことは僕が自分の口で……っ‼」

 

銀さん「はは~ん?何だよそういうことかぁ。つまりお前はジャンプの愛読者の一人で、その中でも俺達が活躍してる『銀魂』の、それも主役であるこの俺・坂田銀時のファンってわけだな?んん?」

 

カドック「えっ、あの────」

 

銀さん「いいっていいって照れなくても~。今日の銀さん超機嫌いいからさ、普段はお断りだけど今だけ特別に握手してあげちゃう!ハイ手ェ出して~?」

 

カドック「あ、ど……どうも……。」

 

神楽「………なあ新八、あのカドックとかいうヴィジュアル系(もど)き、あんまり嬉しそうな顔してないアルな?」

 

パチ君「言われてみれば確かに………もしかしてカドックさん、違う用があって僕らの所に来たんじゃあないのかな……?」

 

皇女「そうだわ銀時さん、私もカドックに雑誌を読ませてもらったのだけれど、貴方達の他にも沢山の方々が登場していらしたと思うの。その方達も今カルデア(こちら)にはいらっしゃるのかしら?」

 

銀さん「ん?ああそうだな、ヅラは向こうでオ〇Qの雪像作ってるって聞いてるし、高杉とまだこっちの本編にはまともに出てねえ真選組の連中も─────」

 

カドック「た、高杉だって⁉それに真選組も、土方十四郎もこの会場にいるのかっ⁉」

 

銀さん「えっ⁉あ、え、う、うん……。」

 

カドック「そうか、そうなのか……!ありがとう、その事実を確認出来て本当によかった。GIGAに移籍しても欠かさず読んでるよ、これからも頑張ってくれ!」

 

銀さん「あ、はい……。」

 

カドック「よし、こうしちゃいられない!行くぞアナスタシア!(ダッ)」

 

皇女「もう、カドックったら………それじゃあ私達はこれで、グランプリ目指して頑張ってくださいな。」

 

 

 

神楽「……銀ちゃん、元気出せヨ。相手がスギっちやマヨじゃ仕方ないネ。」

 

パチ君「そ、そうですよ銀さん!カドックさんの推しが高杉さんや土方さんだとしても、銀さんにだってさっき頑張ってって言ってくれたんですし!」

 

銀さん「……もういいよ、そういう中途半端な慰めは(かえ)って傷つくからさ…………あ~もう!こんなトコでうじうじしてる暇なんざ俺らには一刻も許されねえ!こうなったら本気でグランプリ狙って聖杯ゲットしてやらぁ!おい新八っ神楽、この雪像もっとド派手にすっから手伝え!」

 

神楽「あいあいさー!」

 

パチ君「ちょっと、もうその辺でよした方がいいんじゃないですか?現時点で放送規制に引っかかりそうだっていうのに、これ以上卑猥度数上がったら僕ら本当にこの作品ごと消されちゃいますよ?」

 

銀さん「新八、お前は何をそんなに恐れてんだよ?第一公式(FGO)だって去年配信した二部の三章、アレも中々(シモ)いタイトルだったじゃねーか。」

 

神楽「えっと確か、人智統合真国CHIN(チン)……だったっけ?」

 

銀さん「そうそうCHIN(チン)だよCHIN(チン)。二回言うとCHINCHIN(チンチン)じゃねーか。就学前から小学生までの主に男子が大喜びするワードだなオイ。」

 

パチ君「CHIN(チン)じゃねーよSIN(シン)だよっ‼確かにSNSのほうでも散々(ちん)だの騒いでましたけども─────」

 

 

??「む?其処(そこ)(わっぱ)、朕を呼んだか?」

 

 

 またも背後から突然呼びかけられ、咄嗟に振り向く新八始め万事屋一同。

 輝かしいオーラを放ってそこに立っていたのは、ド派手………んんっ失礼、絢爛たる装いの男とも女ともつかない一騎のサーヴァント。

 

 

パチ君「ってうわああアアァァァッ⁉ししし、始皇帝さんんん⁉」

 

朕「うむ、朕こそ始皇帝であるぞ。」

 

神楽「なーなーCHIN(チン)、その恰好寒くないアルか?」

 

朕「これこれ、朕のことはCHIN(チン)ではなく始皇帝と呼ぶがよい。まあ朕は天子である故な、其方(そなた)ら並のサーヴァント達のように(やわ)いものでは…………ハ、ハックチョン!」

 

銀さん「ああもう見てらんねえや、こっちまで寒くなってきやがる。ほら、銀さんのマフラー貸してやっから巻いとけ。少しは(あった)かくなんだろ。」

 

パチ君「始皇帝さん、指の先も真っ赤じゃないですか。僕の手袋でよかったら、どうぞ使ってください。」

 

神楽「それじゃあ私はこの帽子貸してやるヨ、汚したり穴開けたりすんじゃねーぞ?」

 

朕「うむ、うむうむ……!良いぞ、これは何ともポカポカだな!どれも少々毛玉が立っているのが些か気になるが、凍える大気から朕を防いでくれることに変わりはない。」

 

銀さん「へいへい良かったね、ところで始皇帝のアンタがこんなトコで何してんだ?いっとくけど、こっちはグランプリも聖杯も譲らねえぜ?」

 

朕「むっ、其方は確か異世界から来たセイバー………話に聞いていた通りに、不遜な態度の男であるな。そう構えずとも、今の朕は別に聖杯とか欲しくないし。今回は雪祭りの雪像部門に関わる審査員の一人として、こうして会場内を見て回ってただけであるぞ。」

 

パチ君「ええっ⁉始皇帝さん、審査員なんですか⁉」

 

銀さん「それならちょうどいいや、俺ら万事屋の渾身の作品見てってくれよ。」

 

神楽「あまりのクオリティに腰抜かすんじゃねーぞ?」

 

朕「ほう?そこまで自身があると申すのか、朕ちょっとワクワクしちゃうぞ?」

 

パチ君「やめてェェェェェッ‼いくらさっきアナスタシアさん達から絶賛されたからって、始皇帝さんも同じ反応するわけが無いって‼」

 

朕「‼───な、何とこれは………っ⁉」

 

パチ君「ああぁ~もう終わりだ………ましてや審査員の目にこんな猥褻物(モノ)が触れたんじゃあ、僕ら失格で済まされる話じゃな────」

 

 

朕「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲、略してNASJA砲ではないか!完成度高けーなオイ。」

 

パチ君「あれええェェェェェッ⁉デジャヴ⁉これってデジャヴュうううゥゥゥッ⁉」

 

朕「朕が異聞帯を統べる始皇帝であった頃、更なる兵器の製造を試みようと(いにしえ)の書を漁っていたところ、『神々をも恐れる最古の兵器』という肩書と共にこの恐るべき大砲が記されていたのだ。早速韓信らに設計・製造を命じ、朕自身もその解析を試みたものの……長きに(わた)る歳月をかけても尚、最古の兵器の形すらも生み出すことは叶わなかった。だがしかし、今朕の二つの(まなこ)に映るそのNASJA砲の輝かしい姿、正にあの日あの時朕が文献で見たそのものの姿をしているではないか………!」

 

パチ君「………銀さん、異聞帯(ロストベルト)というものが誕生したせいで、人類史がどエラい方向に向かって行っちゃってるんですけど⁉」

 

銀さん「まずいなこりゃ、このまま行くとどの歴史においても、必ずあのチ〇コ砲が絡んできちまう。藤丸達の守ってきた人類史を、あいつ等の未来をチ〇コで染めさせてたまるかってんだ!」

 

パチ君「とうとうこの人認めたよ!アレがチ〇コだと認めちゃったよ‼」

 

朕「因みに朕がNASJA砲を完成させた暁には、自身のこの躯体に装備させる寸法であったのだがな。例えばホラ、ちょうど空いてる股間とか。」

 

神楽「いいな~、私の股間も空いてるからNASJA砲つけたいアル。何かカッケーじゃん?」

 

朕「そうか、カッケーか………今まで実用性ばかり考えていた故な、そのようなことは考えたこともなかった。よし娘よ、朕がNASJA砲を完成させたその時には、其方にも朕と同じモノを特別に拵えてやろう!どうだ~嬉しかろう?」

 

神楽「キャッホー!CHIN(チン)とお揃いアル!」

 

パチ君「ってちょっとォォッ‼僕らが離れた少しの間に、こっちの話もエライ方向に行っちゃってるゥゥゥゥゥッ‼」

 

 

??「あっいたいた、おーい銀さ~ん!皆~!」

 

 

銀さん「あ?このどことなく間の抜けた声は……。」

 

藤丸「間の抜けた声で悪うござんしたね。皆さん冒頭ぶりで~す、カルデアのマスター藤丸立香だよ。」

 

朕「ほう其方か、ああもう~そのように顔を真っ赤にして、朕のマフラー(正確には銀時の)使うか?」

 

藤丸「いいよいいよ、ていうか始皇帝のほうが寒そうだし………ああそうだ、向こうでお汁粉作ったんだって、皆も食べに行こうよ。」

 

神楽「お汁粉⁉食べたい食べた~い!CHIN(チン)も早く行こっ!」

 

朕「はっはっはっ、こらこら急かすでない。」

 

パチ君「それじゃあ、僕らも少し休憩にしましょうか。」

 

銀さん「そうだな、お汁粉お汁粉~♪」

 

藤丸「作ったのエミヤだからね、もしかしたら早くしないと売り切れちゃうかも─────」

 

銀さん「何ィっ⁉こうしちゃいらんねえ、エミヤ特製の汁粉は俺のモンだあぁっ‼」

 

藤丸「あぁっ銀さんズルい!俺だって負けないんだからっ!」

 

 

 

 

 

 

 寒空の下に響く、賑やかな彼らの楽し気な笑い声。

 

 

 

 

 今年もどうか、良い年でありますように─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

銀さん「あれ?そういや雪像コンテストの結果ってどうなったの?」

 

藤丸「えっと、あの後何やかんやありまして、銀さん達万事屋チームと僅かな票の差で、ゴルドルフ新所長率いるカルデアチームが作ったドラ〇もん像に優勝が決まったよ。」

 

皇女「あら、これは見事なドラ〇もんだわ。」

 

朕「朕はNASJA砲に票を入れたんだけどな~………うむ、しかしこの全体的にずんぐりとしたフォルム、(まご)うこと無きドラ〇もんであるな。」

 

新所長(ゴッフ)「ドラ〇もんじゃないってば!ムジーク像だってば………えっと、そんなにドラ〇もんに見えるかな?私……………ねえ?」

 

 

 

 

 

 

 

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