Fate/Grand Order 白銀の刃   作:藤渚

43 / 44
《※始めに》
・こちらの小話は『不定期開催 銀さんと××』同様、会話形式のものとなっております。

・『白銀の刃』本編内で銀魂サイドからサーヴァントとなったキャラクターからの、バレンタインの贈り物&お返しのシナリオと概念礼装を、書いてる奴の妄想で文章にしたものです。

・こちらの藤丸立香は、小説内同様に男性でお送りさせていただきます。

・FGOのバレンタインイベントもそろそろ終了が近付いてきてますね。てか今日で終わりじゃね?でもまだ時間的にギリ終わってないので、今話の投稿も何とかセーフということで………え、駄目?







銀さん+αと藤丸 カルデアカカオ祭り(Ⅱ)

 

【志村新八 『侍魂と、マカデミアンナッツチョコ』】

 

 

  2月14日、(再び)カルデアの廊下にて。

 

 

「てなわけで新八君、ハイこれどうぞ~。」

 

 

 【シャララ~ンというSE、キラッキラのエフェクトがかかる背景】

 

 【そして渡される、黄色いリボンの赤い袋】

 

 

「……………へ?」

 

「あれ?もしかして新八君、チョコ嫌いだった……?」

 

「いや、チョコは好きだしよく食べるけど────ってそうじゃなくて!え、え?チョコレート?僕に?なな、ななな何で⁉」

 

「や、だって今日はバレンタインだし。日頃からお世話になってるサーヴァントの皆にせめてものお礼をしようかと、毎年こうやって感謝チョコをあげてるんだ。ああ別に、そんなに重く(とら)えなくてもいいよ?要は『友チョコ』みたいなものだしさ………もしかして、迷惑だったかな?」

 

「いやいやいやいや全然‼ちっとも‼えっと、その………紛らわしいリアクションしちゃってゴメンね。そっか、友チョコかぁ………何か嬉しいなあ。毎年バレンタインに貰えるチョコって、決まって姉上からのだけだったからさ。ありがとう藤丸君、大事に食べるね!」

 

「……………(ジ~)」

 

「あれ?ど、どうしたの?」

 

「いや、新八君のことだからこんな時はてっきり、『ありがとうきびう〇こォォ‼』と叫んでくれるもんだと────」

 

「アアアア駄目だって‼君はFGO(こっち)サイドの主人公なんだから、勝手にう〇ことか下品な発言させたら型〇やらディ〇ライ〇ワー〇スさんに怒られるゥゥゥッ‼てか銀さんじゃないんだから、チョコを前にしてう〇ことか言わないでもうっ‼」

 

「いや~悪気は無かったんだ、ゴメンごめん。でも貰ってくれて本当によかったよ………それじゃ俺、他の皆にも渡してこなきゃいけないから、またね!」

 

「うん、藤丸君もチョコ配るの頑張って。それじゃ!」

 

 

 

「(─────びっっっくりしたぁ~………‼確かに藤丸君て、普段からこんな僕にも凄くよくしてくれてるけどさ、今はマスターとサーヴァントの関係なんだし………でも、でもまさか………人生でも英霊(サーヴァント)生でも、初めての()()()()を、藤丸君(マスター)から貰えただなんて……………ハッ‼いかんいかん、呆けてる場合じゃないぞ志村新八!貰った以上はそれに相応しいお返しをしないと……でも、藤丸君って何をあげたら喜んでくれるのかな?人の良い彼のことだから、何をプレゼントしても笑って応えてくれそうだけど………ぃよっし!こうなったら、普段から藤丸君と仲のいいサーヴァントの人達に色々話を聞いて、それを参考にしてみよう!)」

 

 

 

 

【参考サーヴァントその① マンドリカルド】

 

 

「あっいたいた、マンドリカルド君!」

 

「ん………ああ新八、何か用か?」

 

「えっとね、話すと長いし行数も文字数も使っちゃうから………そうだ、実はかくかくしかじかで。」

 

「えっ、マスターからチョコを貰ったから?そのお返しに何をあげたらいいか参考にしたいから話を聞かせてくれ、って………あのなぁ新八、そんなん俺が知りたいくらいッスわ。俺だってマスターに何返したらいいか、チョコ貰った日からずっと考えに考えて夜も(ろく)に寝られてないんだかんな……。」

 

「そ、そんなに悩むものなの?バレンタインのお返しって。」

 

「悩むよ。俺は超悩む。だってマスターってさ、良すぎってくらい人が良すぎるから大体何あげても笑顔で答えてくれそうじゃん?それにマスターにチョコレートの礼がしたいって奴は他にもわんさかいるだろうし、そいつらと極力中身が被らないようにしないといけねえだろ……?」

 

「確かに……ていうかマンドリカルド君、そこまで考えてるんだ。流石というか何というか………。」

 

「当ったり前だろ!あのマスターが俺みたいな陰キャ英霊にまでチョコレートくれたんだぞ?(ちな)みに俺はチョコ貰った時、リストラされるんでないかと恥ずかしい勘違いをして身構えたりしてたけど、別にそんなことはなくて心底からホッとしたわ………あぁ、ホントよかった。あのままリストラされてたら俺、駆け込んだショップに頭から突っ込んでこの身をマナプリズムに変還してるとこだったからさ。」

 

「どんだけ卑屈になってたんだよ⁉聖杯まで入れてレベルも絆も上げた君がある日唐突にマナプリ(メロンゼリー)×3個になって(かえ)ってきた時のマスターの反応(リアクション)とか、想像しただけで超胸痛くなるわぁっ‼」

 

「まあとりあえず話を戻して、だ。やっぱり貰ったからには、お返しはちゃんとしときたいだろ?だから今のとこ考えてんのは、その………出来ればあまり邪魔にならない程度の、でもたまの暇な時間にでも使ってほしいな、って感じのものにしようかと。」

 

「成程、形として残せるものか………ありがとうマンドリカルド君、参考になったよ!」

 

「そっか、それならよかった………マスターへのお返し、お互いちゃんと渡せるといいな、新八!」

 

 

 

 

「………なーにが『ちゃんと渡せるといいな』だよ、俺ってば。上からモノ言える立場じゃねぇだろっつの………は~ぁ、俺もどうしよっかな。マスターへのお返し。」

 

 

 

【参考サーヴァントその② 清少納言】

 

 

「あれ~パッチーじゃん!おつおつ~!」

 

「せっ、清少納言さん?あの────」

 

「あ~んもぅっ、なぎこさんて呼んでってば!な・ぎ・こ・さ・ん!ほらほらぁ呼んでごらん?セ~イ?」

 

「わわっ近い近い距離が近いぃっ‼わ、分かりました、じゃあ………なぎこさん。」

 

「そーそー、我ら同じカルデアの同じマスターの為に働く鯖仲間じゃん?呼び方にしろ言葉遣いにしろ堅っ苦しくなくていいからさ、アタシちゃんに対して特に遠慮なんていらねぇんだぜ?パッチーよぉ。」

 

「はぁ……それじゃ遠慮なく、かくかくしかじかでして。」

 

「ほぇ~、ちゃんマスから貰ったチョコのお礼ねえ。ん~そうだなぁ………無難に消えモノのとかがいいんでない?疲れた時に(つま)めるお菓子とか。」

 

「お菓子かぁ………でもそれって、他の人達と被ったりしないかな?」

 

「でもさ、ホワイトデーにあげるものってバレンタインみたくチョコ縛りではないじゃん?アタシちゃんの見解としては、ホワイトデーにお返し持ち寄るここのサーヴァント連中の(ほとん)どは、残せるものを持ち寄ってくると思うんだよね~。まあ勘だけども。」

 

「う~ん………さっき聞いたのと意見が真っ二つに割れちゃったなぁ。残せるものと消えるもの、どっちがいいか……。」

 

「まぁまぁ、ホワイトデーまで時間だってあるしさ。とりまゆっくり考えてみてもいいんじゃね?でもアタシちゃんから一つアドバイスをするとしたらさ………そんな深く考えんでも、パッチーがこれこそ自分らしいってモンをちゃんマスに送ればいいんでね?」

 

「僕らしい、モノ……?」

 

「そうそう。ちゃんマスが喜ぶモンなんて多過ぎて、いちいち挙げてたらキリなくなっちゃうよ。だったらここはもうパッチーが好きなモンをチョイスしてさ、それをちゃんマスにプレゼントしちゃいなよ?そしたら他の奴らと被ることもないと、なぎこさんは思うのでした。」

 

「そうか………ありがとうなぎこさん、色々と参考になったよ!」

 

「おうよ!また困った時にはいつでもなぎこさんを頼りな、パッチー!」

 

 

 

【参考サーヴァントその③ 坂田銀時】

 

 

「藤丸にやるお返しだぁ?んなモン決めるためにあっちこっちのサーヴァントに相談しまくってんのかオメーは………いいかよく聞け新八。お前も男として理解があるだろうが、男同士で送り合って喜ばれるモノっつったら大体相手の嗜好に合わせた十八禁のエロ本って相場が────」

 

「お約束の回答してんじゃねェェェェェッ‼ンなモン友チョコのお返しに出来るかァァァァッ‼(ビターンッ!)」

 

「カカオマスッ⁉」

 

 

 

 

 

「………ふう、大分色んな人達から話を聞けたな。銀さんのは参考にならないとして、僕から藤丸君へ送るお返しは─────よし決めた、これでいこう!」

 

 

 

 

 

  ───後日、3月14日ホワイトデー。藤丸の部屋。

 

 

  コンコン、

 

「───藤丸君、入ってもいいかな?」

 

「いいよ、どうぞ~。」

 

「ありがとう、それじゃお邪魔します……。」

 

「いらっしゃ~い………それにしても、さっきはどうしたの?廊下で会うなり、『30分後に部屋で待ってて』だなんて。」

 

「ごっゴメンね?いきなりあんな事言って………えっとさ、藤丸君に渡したいものがあって。」

 

「俺に?」

 

「うん、その……………ハイこれ!僕からのバレンタインのお返し!」

 

 

 【シャララ~ンというSE、キラッキラのエフェクトがかかる背景】

 

 【渡されたのは、約1m程の細長いものが包まれた袋と、丁寧に包装された箱】

 

 

「わぁっ、何だろう?開けてみてもいい?」

 

「う、うん……どうぞ。」

 

 

 わくわくしながら、細長い包みを解いていく藤丸。

 

 

 そこから現れたのは─────1本の竹刀(しない)であった。

 

 

 

「これって…………竹刀?」

 

 

「え、えっと………アハハッゴメンね!チョコレートのお返しが竹刀なんて………でも、僕なりに考えてみたんだ。カルデアに来て、(マスター)と出会って、今日まで色んなことがあった。君や銀さん達と笑い合ったり、時には悔しくて泣いたり、どうしようもない壁にぶつかって立ち止まったり………でも君は、マスターはいつだって前を向いていた。目の前にある現実がどんなに辛い時ほど、マスターは笑って僕らを励ましてくれていた………その在り方に、君の笑顔に、僕の記憶の中で重なる人がいた─────泣きたい時ほど笑う人間は本当に強いんだって、その人は最後の()()に教えてくれたんだ。」

 

 

「………新八君。」

 

 

「僕は………僕は強くなりたい。カルデアのサーヴァントとして、君のサーヴァントとして、そして………君がいつか心の底から悲しんで、声を上げたい程に泣いてしまいたい時が来ても………そんな君を(サーヴァント)として、側で支えてあげられるくらいに───僕も君と一緒に、強くなっていきたいんだ。」

 

 

「……………。」

 

 

「……ええと、ゴメンね?若干シリアスな空気にしちゃって………だからその、もし藤丸君がよかったら、いつか暇なときにでも一緒に剣の稽古(けいこ)なんてどうかな、と思って…………迷惑、かな?」

 

 

 

「……………ううん、全然……決してそんなことはない─────ありがとう新八君、大切に使わせてもらうよ。」

 

 

「あ………えへへ、どういたしまして!」

 

 

 

「ところで……こっちの箱は何が入ってるんだろう(ガサゴソ)…………『ワイハー星名物・マカデミアンナッツチョコ』?」

 

「えっとそれは、その………疲れた時に摘めるおやつ、的な?ああっでもバレンタインでチョコなんて飽きる程食べてるよね⁉ゴメンよ僕ったら、本当に気が利かな─────」

 

「うんうん、美味しいねこのチョコ!確かに摘めるおやつには最適かも。」

 

「ってもう食べてるし⁉」

 

「ほら、せっかくだから新八君も食べようよ?こんなに美味しいと俺このまま全部食べちゃうかも、ンンンやめられない止まらない~(パクパクッ)」

 

「ああっ藤丸君たら、そんなに一気に頬張って………ちょっと待っててね、今お茶煎れるから。」

 

 

 

 

 

「(よかった…………受け取ってくれて本当にありがとう、藤丸君(マスター)。)」

 

 

 

 

【神楽 『うさぎとパンダのチョコ、あと酢昆布』】

 

 

  2月14日早朝、藤丸の部屋。

 

 

 

「くか~………すやぁ………。」

 

「フォウ………プゥ、プゥ………。」

 

 

  ………ドドドドドドドド、

 

 

「キュ………フォウ?」

 

「ふがっ………んん、何………何の音?」

 

 

  ………ドドドドドドドド‼

 

 

「えっ………えっえっ何なに?地震⁉」

 

 

  ドンドン‼ドンドンドン‼

 

 

「ふ~じ~ま~るゥゥゥゥゥゥゥッ‼」

 

 

  ドゴォォォォォンッ‼

 

 

「おわあぁぁぁぁぁあぁっ‼とっ扉がァァァッ‼」

 

「フォウフォーゥッ‼」

 

「(ヒョコッ)ぃよ~お藤丸!カルデアの雌共からバレンタインチョコわんさか搾取出来てるアルか?」

 

「か、神楽ちゃん………おはよう。」

 

「あれ?チョコらしきものが全然無いヨ、今年は収穫ゼロアルか?」

 

「神楽ちゃん、時計見て時計……まだ寝惚け頭の俺だけどさ、時刻はまだ朝4時前に見えるんだけどなぁ。今しがたまでまだ布団の中でグースカしてたんだけどなぁ………ふあ~ぁ。」

 

「フォア~ァ……。」

 

「マジでか(チラッ)……あっホントだ、まだお日様も昇らない時間だったアル。朝起きたら藤丸に一番に渡しに行こうと思って、張り切って早起きし過ぎたヨ。ごめんナ?」

 

「まあ、こうして君に扉壊されるのも一度や二度じゃないし………でも次からは4tトラックが突っ込んでくるような勢いでノックするのはやめてね?」

 

「分かったアル!じゃあ次からはキックにするヨ!」

 

「ノックもキックもやめて?あとちゃんと勢いは殺してね…………それで神楽ちゃん、こんな早朝にどんな用で?」

 

「フォウ?」

 

「おっとそうだった、えっとぉ(カサゴソ)………よし、箱はそんなに潰れてないアルな。ハイ藤丸、ありがたく受け取れヨ!」

 

 

 【シャララ~ンというSE、キラッキラのエフェクトがかかる背景】

 

 【そして渡される、不器用にリボンが施された可愛らしいラッピングの箱】

 

 

「これって………バレンタインのチョコ?」

 

「それ以外に何に見えるネ?いいから早く開けてみるヨロシ!」

 

「えっ今なの?」

 

「モチのロンヨ!自信作なんだから、まず見てほしいアル!」

 

「どれどれ、それじゃあ早速────」

 

 

 リボンを解き、所々やや凹んだ箱を開けると………カラフルなアルミカップに並べられているのは、やや(いびつ)ながら可愛らしいウサギとパンダのチョコレート。

 

 

「わぁっ、可愛い……!」

 

「フォーゥ!」

 

「ふふん、スゲーだろ?昨日ナーサリーやアビー達と皆でたっくさん作ったアル………たっくさん、20個くらい作ったんだけど。」

 

「?………だけど?」

 

「その……ちょっとずつ味見してたらあんまり美味しくて、止まらなくて………気付いたら、ウサギもパンダも一個ずつしかいなくなってたヨ。」

 

「フォーゥ……。」

 

「そ、そっかぁ………でも嬉しいよ。そんな美味しかったチョコを俺に2個も残しておいてくれたんでしょ?ありがとう神楽ちゃん。」

 

「!───え、エヘヘ………そうアル!神楽ちゃんに感謝しながらありがたく食べるヨロシ!」

 

「うん!じゃあ後で頂くから、とりあえず一旦机の上に───」

 

「あっ、待ってヨ藤丸!ええと(ガサゴソ)………はい、コレも上げるネ!」

 

「これって………神楽ちゃんがよく食べてる、酢昆布?」

 

「お前にあげるチョコほとんど食べちゃったからな、その足りない分アル。今日一日でカカオに(まみ)れた口の中のリフレッシュに食べるといいネ。それじゃあな!」

 

 

 

  タッタッタッ………

 

 

 

「………行っちゃった。」

 

「……フォーゥ。」

 

「………壊れた扉、どうしよっか?」

 

「フォウ、ンキュッ。」

 

「………そうだね、明るくなったら万事屋(銀さん)呼んで直すの手伝ってもらおうか。」

 

「フォウ、フォウフォーゥッ。」

 

 

 

 

【定春 『背中に乗せてお散歩してあげる券』】

 

 

  2月14日、(もはや恒例の)カルデアの廊下。

 

 

「はい定春、君にもバレンタインプレゼントだよ。」

 

 

 【シャララ~ンというSE、キラッキラのエフェクトがかかる背景】

 

 【そして渡される、黄色いリボンの赤い袋】

 

 

「わう?」

 

「ワンちゃんにチョコレートはNGだから、代わりに美味しいビーフジャーキーにしたんだ。いつも本当にありがとう、よかったら食べてね。」

 

「ワンッ!ワンワンッ!(ガバッ)」

 

「うわっ!ちょっ重い……アハハ!くすぐったいよ定春、ってギャアアァ(よだれ)がっ涎が服の中にィッ‼」

 

 

 

 

「あれ~定春、その(くわ)えてる包みどうしたアルか?」

 

「ワンワン!」

 

「んん……?コレと同じの、銀ちゃんと新八も持ってたネ。もしかして藤丸から貰ったバレンタインアルか?」

 

「わうっ!(コクリ)」

 

「どれどれ中身は……おお、ちゃんと定春に配慮したジャーキーが入ってるネ!流石は藤丸、気遣いも出来る私らの頼れるマスターアル!」

 

「わんっ!…………くぅーん。」

 

「ん?どしたの定春?」

 

「わぅ、わうぅ………。」

 

「……もしかして、藤丸にジャーキーのお礼したいアルか?」

 

「わんっ(コクリ)」

 

「よっし!それならホワイトデーまでに、藤丸が喜びそうなこと沢山考えるアル!」

 

「ワンワンッ!」

 

 

 

 

 

  ────後日、3月14日。

 

 

「ワンワ~ンッ!(ドンッ!)」

 

「おっふ⁉痛たた………どうしたの定春?」

 

「わんっ!ワンワンッ!」

 

 

 【シャララ~ンというSE、キラッキラのエフェクトが(以下略】

 

 【そして渡される、黄色いリボンの(以下略】

 

 

「これは………でっかい肩たたき券?いや違うな、何か書いて………『背中に乗せてお散歩してあげる券』?」

 

「わんっ!」

 

「あ、手紙が添えてある。これは神楽ちゃんからかな………」

 

【藤丸へ 

 定春にもバレンタインプレゼントありがとナ。お返し何にしたらいいか二人で考えた結果、私の特等席である定春の背中に特別に乗せてあげる券にしました。使い方は定春に許可を取ってから、券に肉球でスタンプを押してもらえばいいはずなので。どうか楽しく使ってください  神楽より

 

  P・S  ジャーキーなかなか美味かったアル。次は私の分も用意しとけよナ。】

 

 

「って君もジャーキー食べたんかいっ⁉もう神楽ちゃんたら、定春の分だっていうのに……。」

 

「わふっ(グイグイ)」

 

「うわっ………もしかして定春、早速この券使ってほしいの?」

 

「ワンッ!」

 

「………そっか。じゃあ今からダヴィンチちゃんのところに行って、どこか走り回れそうな広い場所のシミュレーターでも起動してもらおう!」

 

「ワンッ!ワンワンッ!」

 

 

 

 

《礼装解説》

 

【『侍魂と、マカデミアンナッツチョコ』】

 

 志村新八からのバレンタインのお返し。

 マスターに渡した竹刀は、彼のいた家が経営する道場・『恒道館』にて日々の鍛錬として使用していたのと同じものであり、初心者でも扱いやすい。

 

 ……マスターの、大切な友からの贈り物に対する最高のお返しをする為にと、日々頭を悩ませてきた新八が答えとしたのは───この竹刀と、共に込めた己の『侍魂』。

 これから訪れるであろう苦難も、耐えられない程の悲傷も乗り越えていける強い心を、マスターと共に築いていきたいという願いと共に送られた一品。

 

 剣の振り方の指南であればお任せあれ。この恒道館道場・天堂無心ビームサーベ(ルー)跡取りである志村新八が、その真髄を一からご教授致しましょう。

 

 (ちな)みにマカデミアンナッツチョコは普通に美味しい只のおやつ。新八に頼まれて取り寄せを行ったダヴィンチもこのチョコ菓子を大層気に入り、彼女の工房に高々とその箱が積まれている光景が(しばら)く見られたとか。

 

 

 

【『うさぎとパンダのチョコ、あと酢昆布』】

 

 神楽からのバレンタインチョコ。

 カルデアの女の子友達と皆で楽しく作った、ウサギとパンダの形をした可愛らしいチョコレート。可愛く美味しく、何よりマスターが喜んでくれるようにと想いを込めて作られた一品。

 

 しっかり味見をするために、一口。思いのほか美味しく出来たのが嬉しくて、もう一口。マスター喜んでくれるアルかな、またまた一口…………あれ?20個ほど作ったはずのウサギとパンダが一匹ずつしかいなくなってるヨ?何で、味見するとチョコ無くなってしまうん……?などというプチハプニングを経て、(ようや)くマスターの元へと届けられた生き残りの二匹のチョコ達。部屋の扉を直した後に、無事美味しく頂かれた。

 

 (ちな)みにおまけとして渡された箱入り酢昆布は、彼女が言ったようにカカオの甘味で満たされたお口のリフレッシュに最適だった模様。ンンッ程よく酸っぱい。

 

 

 

【『背中に乗せてお散歩してあげる券』】

 

 定春からのバレンタインのお返し。

 普段は飼い主である神楽しか乗せることのない、そんな彼の背中に乗れるという特別なチケット。使い方は簡単で、使用したい(むね)を伝えて券を呈示(ていじ)すればよい。定春が了解すれば、その証として券に彼の大きな肉球スタンプが押され、これで完了。後はシミュレーションなりレイシフト先なりで、定春の大きくてモフモフな背中に乗ってお散歩を楽しめるのだ。

 

 ただし、安全ベルトの(たぐい)は存在しない上に、定春は容赦なくスピードを上げたり急旋回しなりなどするため、振り落とされないようにするにはしっかり掴まるか、また安全策として乗り慣れている神楽にも同乗してもらうことを強くお勧めする。

 

 

 

《続く》

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。