Fate/crescent 蒼月の少女【完結】 作:モモのすけ
「え…………」
サーヴァント。その言葉に、俺は思わず背後を振り返った。だが背後にはシャッターの閉まったビルが聳え、何も見通せない。
サーヴァントの気配……至近距離で気配を発せられれば、流石に俺でも「何かヤバい奴がいる」と判るのだが、流石に二百メートルもの距離が開けばその気配を少しも感じ取れない。
だがセイバーは感じ取っているらしく、険しい表情のまま俺が目線を向ける方向を睨んでいた。
「マジかよ……もうこっちに気付いてるのか?」
「間違いなく。数分前から、奴は私の探知範囲の境界付近を彷徨いています──それもわざわざ霊体化を解いた上で。まず間違いなく誘っています」
「へー、探知能力まで……お前、結構役に立つんだな」
「当たり前じゃないですか私を誰だと思ってるんですか‼︎‼︎」
顔を真っ赤にして怒るセイバーだったが、流石に戦闘前は怒ろうとも怒りきれないらしい。例の暴風と雷が巻き起こっていないのがいい証拠だ。
彼女は呆れたように一つ嘆息してから、子供っぽい童顔に見合わぬ鋭利な視線を肩越しに背後に向け──、
「この場所は人が多すぎます。少し駅前から離れたのち、戦闘を開始します」
二人して立ち上がり、セイバーの先導に従って駅前から離れる。
ここ「大塚市」は、市を南北に貫く国道と発達した駅ビル街を中心として発展してきた地方中心都市である。
俺の家や鷹穂高高校、森林公園が存在する市の東部は、山を切り開いて住宅地開発が進んだ甲斐あって人口密度が高い。
だがそれに反し、市の西側──日本でも有数の面積を誇る広大な「龍神湖」に接する西部は広大な田園地帯が主となり、人口密度がぐんと下がる。開発計画に置いていかれた廃墟なども散在する、聖杯戦争にはおあつらえ向きの地域だ。
よって戦うなら大塚市の西が主な戦場となるんだろうなあ、と密かに考えていたのだが、こうして言いそびれてしまった。
「しかし……どこにいるんだ……?」
「あまり周囲を見ないで下さい。下手に刺激すれば、最悪この辺り一帯が
「…………そうかよ」
周囲には高層ビルが無数に存在している。これらを人間が一つ潰すだけでもとんでもない費用と労力を要するだろう。
だが奇跡の担い手たるサーヴァント達にかかれば、これらを数秒単位で灰燼に変える事すらも可能なのだ。人が必死に創り上げたモノが如何に脆いのかを実感させられたような気分。全くもってデタラメである。
「ここから西に移動します」
「……西側に向かうのは、やっぱり人目を気にする必要が少ないから?」
「そうですね。あとここらを抜ける前に、できれば一つ手に入れておきたい物があるんですが……選り好みはしてられませんか」
セイバーは抜け目なく、歩道にいくつか違法駐車されている自転車に目を向ける。チラチラ車道を走るバイクを横目で見ているあたり、本当のお目あてはバイクだった模様。
そこはかとなく嫌な予感を感じつつ、セイバーを見守る俺。
しばらくして彼女はその内の一つ、何の変哲も無い銀色の自転車の前で立ち止まった。後輪の荷台に前輪の荷物籠と見てくれより実用性重視のありふれた自転車だが、綺麗に磨きぬかれたボディからは持ち主の自転車に対する愛情が伝わってくる。
だが不幸なことに、それは魔王の目に留まってしまった。御愁傷様。
「い……よっと」
バキン、という硬質な音が響く。何の苦労もなく、一瞬でセイバーは鉄の錠を容易く切断してのけた。
どうやったんすか、という疑問は、人前で堂々と犯罪に及ぶ彼女の非常識さに対する驚嘆に塗り替えられる。
「よし。さあ、乗ってください」
「………………いや乗ってください、じゃないからァ‼︎‼︎ なに堂々と窃盗罪かましてるのお前‼︎⁉︎」
「フン。魔王の行いを法なんてくだらない物で縛ろう、というのがそもそも間違っているのです」
「フン……じゃないから。何百何千年も前の古い人間にはちょっと難しい話かもしれないけどな、今の時代には法律っていう遵守すべきものが」
「あーもう時間無いので早く座ってください。あとその発言覚えといてくださいよ、後で五千倍にして返しますからね」
とまた怖い事を述べつつ、彼女は自転車の荷台を指先でとんとんと叩く。
ひとしきり騒いだ事もあり周囲の目が痛いので、速やかに二人乗りへ移行。出発。セイバークラスに与えられるという「騎乗」の能力は自転車にも適応されるらしく、彼女は不自由なく、すいすいと夜の街を走っていく。
「……もう窃盗罪とか常識とかどうでもいいか……で、敵の気配は?」
「そうそう、何事も諦めが肝心ですよ。そして敵サーヴァントですが、ぴったり二百メートル後方をついて来てます。恐らくあと数分も走れば戦闘が始まりますから、そろそろ覚悟を決めて下さい」
「覚悟なんて、してなきゃこうしてお前の後ろに座ってないって。最初の時共に戦ってくれますか、とかなんとか言っておいて何を今更」
「ああ、そういえばそうでしたね。勢いで言ってみたものですから忘れかけてました」
「……お前、気をつけろよ? そうやって深く考えずにモノを言うと後で後悔するぞ」
「精々気をつけますよ。あと更に言えば、私はケントの答えをまだ聞いていません。──結局ケントは、私と共にこの戦いに臨んでくれるんですか?」
セイバーは、以前として前を見据えたまま問い掛けてくる。その視線の見据える先には何があるのかさっぱり読めない。何が待ち構えるのか、俺たちの最後はどうなるのか。
不明瞭な事ばかりの現状で、俺は彼女と共にその未知へ挑む覚悟を持ち合わせているのかと自問する。しばらく間を置いて、考え込んで──、
「当然だ」
それでも、やはり揺るがぬ答えを口にした。
「お前みたいなやつを一人で放っておいたら、どこで何をしでかすかわからないし……色々心配だしな。不本意だけど、ここまで来たら最後まで付き合うよ」
短い掛け合いを経てセイバーが笑う。だがそれは嘲笑ではなく、もっと心地の良い笑いだった。
「はは……ちょっと腹立ちますけど、その覚悟に免じて許してあげましょうか」
「それはどうも。しかし、なんで自転車?」
「背後の相手の気配……感じた覚えがあります。恐らく相手は
「ライダーって、「騎乗」の能力に優れたサーヴァントだったっけ? 確かお前にもその能力はあったと思うけど、どう違うんだ?」
「いくら「騎乗」の能力があるとはいえ、今の私には剣しかありませんから、機動力という点で奴に大きく劣ります。そこでこのような乗り物が必要になるわけです」
「乗り物って。これさ、自転車だぞ? こんなのでサーヴァントとかいう連中に対抗できるのかよ」
「いいんですよ。どうせ
「……?」
夜の風を裂きながら、自転車は速度を緩めずに夜灯の下を疾走する。
次第に、人の気配が減り始めた。
駅前ビル群から抜けるのが早い。それだけセイバーの運転が達者なのだ。安定した挙動で、顔色一つ変えずにゆっくりとペダルを漕いでいながら、その速度は既に時速50キロに届こうとしている。
「やあ。また会いましたね、セイバー」
──と。
空間全てを震わせるような、それでいて落ち着いた声が俺とセイバーの耳朶を打った。
それを聞くや否や、セイバーは背後を振り返りもしないままに叫ぶ。
「フン、一度私の前から逃げ出した痴れ者が。わざわざ殺されに来たんですか?」
「いえいえ、死ぬつもりは毛頭ありません。マスターに貴方の生存を確認するよう言われたので来てみたんですが──成る程、これはまた随分面白い状況のようだ。一難去って結果良し、といったところでしょうか?」
「……マスター共々何をコソコソ企んでいるのか知りませんが、いちいちうざったい物言いですね。貴様は特に気に食わない」
「同族嫌悪でしょう、それは。……しかし魔王よ、暫しお待を。じき、貴方の苦手な「この口調」も変わりますので」
──随分と落ち着いた声だ、という印象を受けた。
セイバーの方はやけに殺気立っているのに対して、ライダーの方はとても殺し合いを始める前の声とは思えない。が、後方から発せられる尋常な存在感だけは本物だ。
殆ど灯りも消え、ちらほら見えていた民家も置き去りにした。両脇には田畑が広がり、コンクリートで舗装された一直線の道は農道じみた様相を呈している。
「さて──前回と同じ場所で争う事になりそうですね。前は決着を付けられませんでしたが、今度は最後まで殺し合いたいものです」
「………………」
「ああ。それはそうと、セイバー。貴方は話し方をがらりと変えましたね。まさか貴方が一般人に敬語を使うとは驚きました」
「いちいち煩いですね。そういう気分なんですよ、今は」
「ですがそれでは、とてもかの魔王の口調とは思えませんが──なるほど、どうやらその少年に関係があるらしい。仔細を尋ねるのは野暮でしょうか」
口調は丁寧だが、その声色には明らかに嘲弄が含まれている。
マズイなあそんな事言ってたらコイツ絶対ブチ切れるよなあ、と俺が思った通りに、セイバーの肩が怒りで震える。
「……決めました。まず貴様の矮小な四肢を残らず引き千切って、喉から腹まで串刺しにしてから全身丸焼きにして殺します。ゆっくりゆっくり、自分から死にたいと思うくらい丁寧にね」
(俺を挟んでそんな怖い会話をしないでくれ)
そんな事を思いつつも、口を挟み辛い緊張感が漂っているので、黙ってセイバーの背中にしがみつく。
前門の魔王、後門の騎兵。こんな調子で後ろのライダーがセイバーを煽り続けると、そのうち俺ごとセイバーが背後を吹き飛ばしそうで怖いが──、
「ライダー。いつまでも喋っていないでとっとと本性を現したらどうですか?」
「ふふ、そうですね。……貴方の殺気を感じとったか、僕の内で滾る闘争心もそろそろ抑えられそうにない──」
その言葉を皮切りに、後方で蠢いていた存在感の性質が異質に変貌する。まるで死神がすぐ背後に忍び寄ってきているかのような恐怖が背筋を撫でる。
この尋常ならざる殺気こそが、英霊たちが持つ「圧」。殺気に当てられただけで観念しそうになるが、俺の前には一応頼れる魔王がいる。
「ケント。ここから先は英霊の戦い、ヒトとは次元を分かつものの激突です。しっかり捕まって、決して離れないようにしてくださいよ」
「一応聞くけど、もし離したら?」
「多分……ですけど死にます。黒焦げになって」
「俺はもう死んでるんじゃないのか」
「完全に死ぬってコトですよ。多少の外傷なら治癒しますが、心臓に埋め込んだ宝具にダメージが及び、機能が阻害されればケントの魂は霧散しますから。もし死にそうになったら、とにかく心臓を守って下さいね」
「えーっ……無茶言うよなあ、ほんと」
ギュンッ──‼︎ と、セイバーが空気を全てエンジンと変えたかのように突如として加速した。時速70キロ、90キロ、120キロ──止まらない。不気味な夜を吹き抜ける風となって、彼女は更に加速していく。
駅に向かう数人の通行人がギョッとして立ち止まるのが引き伸ばしたように流れていく風景の中に見えたが、今更気にしても仕方がない。
その頃にはセイバーはお気に入りのジャージ姿ではなく、見覚えのある漆黒の鎧を纏っていた。たなびく長髪が魔力により編まれた紐で一纏めに結ばれ、ポニーテール状に纏められる。今更ながら、コイツが戦う時は髪を結ぶんだな……なんて事を俺は知ったが、そんな事に気を向けるほどの余裕は無かった。
「ハハッ。そんな玩具で僕に対抗しようとは、流石に安く見られたものですね」
その声は一般的な自動車の限界すら振り切った速度を出しているというのに、一向に離れようとしない。余裕すら伴った声色は驚くほど近くから聞こえ、ぞっとするような悪寒が全身を駆け巡る。
「うわ────ッ⁉︎」
あまりの近さに思わず首を捻って後方を確認しようとした刹那、閃光が炸裂した。
視界に、ただただ「紫」が見えた。数えるのも馬鹿らしい数に枝分かれした紫電が、一斉に雷撃の矛をこちらに向けて飛んでくる。
──対するは、「蒼」の煌めき。
セイバーは片手に剣を出現させると同時、渾身の力で斬り払った。
俺の頰の横数センチを魔王の剣が駆け抜ける。剣戟はそれだけで斜め一文字の衝撃波を生み、雷撃の矛は一つ残らず搔き消えた。
「────ケント、来ます‼︎」
だがそんなのは前哨戦にすら及ばない。
雷雲が巻き起こったのかと錯覚するほどに凄まじい雷鳴が轟く中。圧倒的な威圧感を伴って、「ソレ」は悠然と姿を顕した。
「く……はっ。ぎゃは、あハ、はははははははははははハはははははははハハははははははははははは────‼︎」
「っ⁉︎ な、んだ……あれ⁉︎」
ライダーの声、それに含まれた雰囲気ががらりと変わる。理知的な声色から残虐な声色へと変化する。
頰を叩く烈風に顔を顰めながら、俺は見た。
闇に浮かぶ、戦車──。
そうとしか言い表せない異様な巨影を。
一頭の軍馬が玉座を模した戦車を牽き、魔法のように宙を駆ける。蹄が空間を蹴り飛ばす度に獰猛な雷光が蜘蛛の巣状に迸り、夜の闇を明るく照らし出していた。
そして、それを駆るは一人の少年。
「いいよ、ノッてきたノッてきた。やはりテメェの相手は滾る‼︎ 血が疼く‼︎ 悲鳴を求めて身体が叫ぶ‼︎ また凄惨に潰し合うとしようか、魔王ォォォォォォォ────‼︎」
逆立つ金髪が烈風の中にたなびいている。
彼の身体は目を疑うほどに小さかった。小学生程にも見えるが、長い前髪の間から覗く双眸は悪魔と見紛う程に鋭い。容姿の幼さなんざなんの油断材料にもならない、と瞬間的に悟った。
肌の色は透き通るような白。吊り上がった口の奥に見える鋭い犬歯は、その獰猛さを如実に表している。
「いいでしょう。
「上等だ。悪鬼羅刹を束ねしその滅刃、果たして俺に届くかな‼︎」
滾るように張り上げられた声と、凍てつくように冷たい声。対照的な両者の宣言が激突し、それは開戦の鐘となって夜の闇に木霊していく。
◆
一方、大塚市の西端──。
月光に照らし出された龍神湖のほとりに、静謐に佇む鉄塔があった。
かつては電波塔か、それに似た役割を果たしていたのだろう。
しかし現在、時代の流れに忘れ去られたソレは死した巨人の骸の如く聳えるのみ。錆びついた身を風雨に晒しながら、崩壊の時を待つ事しか許されない。
その寂れた頂点に、一人の人影があった。
三十歳前後程度と思われる、剛毅な風貌の男だ。短く刈られた髪と、太い眉は暗いグレー色。両眼の鋭さは猛禽類のそれを思わせる。
彼は鉄塔の頂点の僅かなスペースに仰向けに寝そべり、無骨な木と鋼の塊──およそ3フィート3インチにもなる時代遅れな
「……………………」
黙したまま、男はスコープを覗く。
周囲の光源は月光と星の光のみだが、彼に暗視スコープ等は必要ない。彼にとっては、ライフルに備え付けられたこの高倍率スコープ一つだけでも十分過ぎる装備である。
彼は天に与えられた両眼でもって、約十キロ先の二つの影を正確に捉えていた。
真っ直ぐに伸びた農道を
速度から考えるに、数分でこの湖岸まで到達するだろう。
一人はライダー……こちらは判りやすい。
宙を疾る馬を駆り、戦車に腰掛けた英霊がライダーでない筈がない。
そしてもう一人はセイバーと思しきサーヴァント。何故か自転車に跨り、背にマスターと思しき少年を乗せている。とはいえたかが現代の乗り物であれだけの動きを披露している以上、『騎乗』の能力に恵まれた剣士である事は明白だった。
「チ、二騎か……面倒だな」
『仕掛けられますか?』
念話で伝わってきた平坦な女の声を聞きながら、男は逡巡する。
前提として、あの二騎はこちらの存在に気付いていない。
夜の闇、決して弱くはない風、そして差し渡り十キロ以上にも渡る長大な距離。それらの要素を全て噛み砕き、吟味した上で、彼はこう結論を下していた。
狙撃により一騎を仕留める事は、造作もない──と。
……あり得ない事だ。
スナイパーライフルは基本的に二百から八百メートル程度の狙撃に運用される。よくて一キロを超える程度。しかし、標的までの距離は実に十キロを超えている。馬鹿げた数字だと評する他ない。
幾ら次第に接近してくるとはいえ、時速200キロに迫る速度で動く標的を撃ち抜く事がどれ程困難かは想像に容易いだろう。
──だが、出来るのだ。
生前の絶技を以って「英霊」にまで昇華した彼の肉体は、人には成し得ない奇跡の次元へと足を踏み入れるのに十分足りている。
「駄目だな、引き上げる。今晩は無理だ」
が、彼は苦い顔でそう言った。
彼が攻撃を諦めた理由は、敵がサーヴァントの中でも一際機動力に優れた二騎だという点に終始する。
仮に狙撃でどちらかを仕留めたとしても後、もう一騎は必ず狙撃の位置を把握し、こちらに向かってくるに違いない。
他のサーヴァントならまだしも、敵はセイバーとライダーである。
単純な強さもあるが、それ以上にあの二騎は機動力に長ける。逃げ切るのは困難であり、位置の割れた狙撃で俊敏な彼らを捉えることは不可能だ。
──故に、狙うは一撃確殺。
追撃をも許さぬ問答無用の狙撃で強引に片をつけるのが信条の彼にとっては、今の状況は手を出せるものではない。無防備な英霊二騎を前にして微かにトリガーを引きたい衝動に駆られたが、首を振って狙撃銃を抱え上げる。
『了解しました。では、速やかに離脱を』
「ああ、そうさせてもらおう」
離脱の前に市販の煙草に火を付け、鉄塔の上で紫煙をくゆらせる。
その姿は降り注ぐ星の光も相まって中々様になっていたが、彼の生真面目なマスターが見れば怒りを露わにした事だろう。戦場で何を呑気な、などと言うに決まっている。
(実際、戦場で余裕を保てない奴ほど真っ先に死んでいくんだがな。しかし、狙撃しか能のない自分では、正面からサーヴァントと戦ったところでまともな勝機はない……か。やれやれ、とんでもない戦場に呼ばれたものだ)
惜しい状況に嘆息しつつ、吸殻を鉄塔の錆びた鉄板に押し付けて、身体を霊体へと変化させる。離脱する以上、彼らの戦いに巻き込まれてはたまらない。
「まあ、精々遠くから見物させてもらうとしようか」
少しだけ愉しそうに嘯きながら、その英霊──
【自転車】
普通の通学用自転車。戦闘には向かない。
【大塚市】
第六次聖杯戦争の舞台。ありふれた地方都市。西の端は広大な「龍神湖」に接しており、自然が豊かな事で知られる。
〈東部〉
住宅街。健斗の家、喫茶店「薫風」、鷹穂高高校、森林公園がある。
〈中心部〉
大塚駅と、それに隣接するビル街。高さ150メートルのランドマークタワーが存在する。
〈西部〉
田園地帯、放置された廃工場など。倫太郎の家は中心部と西部の丁度中間地点に位置する。