刀剣たちと過ごす日々   作:ペンギン隊長

104 / 193
本編if NTRネタ 見習いちゃんの呪具で性的なアレで執着対象を変えて増幅させる奴 
二年目三月以降の時間軸 二軍育成中かな 
未練表の恋心の発狂は自傷だそうで 執着対象を戻すだけだとそれはそれで大惨事


ギザギザハート

 

 

 

「…価値観の違いはどうにもならないよねぇ」

くぐもった平坦な声は感情を読み取らせてくれない。だが、膝丸は主が目の前の光景にけして良い感情を持っていないことを感じ取る。直接表情を見る事はできなくとも、この主が非常に判りやすい人間だというのは一月もすればわかった。不思議なほどに、彼女の感情が相対するものに伝わってくるのだ。来てすぐはそれが読み取れる先達に感心したものだったが、今では判らない方がおかしいんじゃないかとすら思う位だ。

まあとにかく、細かいところまではわからないが、主は目の前の光景に不快感を覚えている。膝丸も良いとは思わない。同僚が見習いといたしているというのは。

「みどりくん」

「…なんだ、主」

「僕には審神者として、この本丸の主として、監督責任があるわけだけど…あれは、斬り落としてもいいかな」

「…あれ、とは」

「兼さんの兼さん」

「…やめてやってくれ」

おそらく彼女は本気で言っている。

「そのだな、確かにあれはよくないと思うんだが、だからといって…」

「手入れすればおそらく治ってしまうから、肝を冷やす位で終わると思うんだけどなぁ」

おそらく主は怒っているのだろうと膝丸は思う。というか、これで怒っていなかったら逆に怖い。

「あ、主…」

「まあ、君が止めるなら、暴力的な手段は一応やめておこうか。…さて」

主は止まっていた足を踏み出す。膝丸も慌てて追いかける。

「君たち、昼間、いや、業務時間中から何をやっているのかな。特に仕事を命じてはいなかったが、非番とも伝えていないはずだが」

軽く小首を傾げて問いかけるさまは、その姿だけ見ていえばとても愛らしい。状況が状況なのでそんな事は言ってられないが。

「双方の合意の元であるならその行為自体を咎めるつもりはないが、業後に自室でやってくれ。君たち一人部屋だろう。自由恋愛は認めるが、他に迷惑をかけない範囲であるのなら、という前提でだ。業務時間中に公共の場で盛られるのは困るんだよ。余所ならともかく此処は俺の本丸だ。風紀を乱すような行為はやめてくれないかな」

彼女がこんこん言い聞かせる内に和泉の顔から熱に浮かされた色が消え、視線だけで己の現状を確かめるように目が動く。そして、現状を把握し、彼女をまた見た後、和泉は己の本体を抜いた。

「!和泉守っ」

「っ、いやだいやだいやだいやだ、主、そんな目で俺を見ないでくれ何で俺はこんなことおかしいだろう何かの間違いに決まってるだって俺が好きなのはこんな女じゃない主に嫌われたら俺は俺は俺は」

自傷行為を始めた和泉に彼女は面食らったが、すぐにハッとして和泉の手を掴む。

「やめろ、和泉守兼定。落ち着いて僕の目を見るんだ」

突き飛ばされた形になった見習いの対処を膝丸に任せ、彼女は和泉の視界の中に割り込む。

「僕は兼さんを嫌いになったりしていない。僕の大事な刀であるお前の事を嫌いになるわけがないだろう。…ほら、手入れをするぞ。おいで」

「ある、じ」

「…緑君、そちらの様子は」

「…気絶しているだけのようだ。まあ、頭を打ったのであれば注意がいるかもしれないが」

「そうか。薬研に治療を…いや。こんのすけ」

「お呼びでございますか?主さま」

「見習いが頭を打ったようなので容体を見てやって、必要であれば処置をしてやってくれ。…後で話を聞く必要もある」

「わかりました」

「緑君はちょっと一回り待機組の様子を見て来てくれ」

「?わかった」

 

 

 

「で、何だったんだ?さっきのは」

「………言えない」

「じゃあ何なら言える」

「…合意の上での行為だった。けど、俺は見習いを女として好きなわけじゃない」

「セフレってやつか」

「せふ…?…!いや、そういうことでもなくて」

「じゃあなんだ」

「………見習いに恋焦がれてるって錯覚させられてたっていうか、何というか」

「つまり恋焦がれていた相手(偽)に合意をもらった結果ハッスルしちゃったと」

「・・・」

「…ふむ。もう少しまともな判断力は働かせ…いや、恋心は制御の利かないものだと言うしな。何でそんな面妖な術が使われたんだか知らんが」

和泉は目を泳がせる。

「その、なんつーか…最近あんまりあんたと顔合わせてなくて、気が抜けてた、っていうか、その…」

「そうか、すまないな。一応、全員に気を配りたいとは思っているんだが」

俺はあまり器用じゃないからな、と彼女は言う。

「…なぁ、あるじ」

「ん、何だ?兼さん」

「…あるじの顔が見たい」

「…何かそう改まって言われると断りたくなる」

まあいいか、と彼女はきぐるみを解いた。

「これでいい」か、と言いかけた言葉は口を塞がれたことで遮られた。和泉が彼女に口付けをする。硬直する彼女に更に深く口付けようとして、和泉は側頭部からの衝撃で呻いた。

「何やってるの、兼さん」

「うっ、国広…」

「負傷したっていうから様子を見に来たら…大丈夫?主さん」

「………ごめん、全く理解できない」

「…唇と唇で口付けをする意味なんて一つしかないだろ」

「…。…訂正しよう。理解したくない」

「…迷惑ってことか」

「俺は恋愛ごっこするために此処にいるわけじゃない。…俺をそういう対象として見る感覚が判らない」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。