…。…どうしたもんだろうな。
「小鳥さんって俺たちより小さいですけど、一体何歳なんです?」
「女性に年齢を聞くもんじゃないぜ。…まあ、一応成人はしている」
正確に何歳になったかは覚えていない。十二支が二周したのは覚えているが。
敵意こそないものの目は笑ってない癖に馴れ馴れしく近づいて来るという新種のへんた…脇差、だろう刀と、同じく脇差らしい何か無表情系の刀、狐を肩に乗せた打刀。いずれも粟田口派(推定)だ。多分今日の近侍だか見張りだかなんだろう。
…意図が読めない。正直、昨日のアレで粟田口のヘイトを稼ぐことになったんじゃないかと思ったが。不思議と、敵意と害意は感じない。ただ、こちらを探ろうという意思は感じる。
「えーっと、じゃあ…俺らん中じゃ誰が好みのタイプですか?」
「それは見た目だけの話か、内面も含めての話かどっちだ」
「そう聞くってことは、違うんですか?」
「そりゃあ当然、中身含めたら全滅に決まっているだろう。俺は害意を向けられて喜ぶタイプの特殊なマゾじゃない」
後、ショタ趣味はない。
「え、あ、あー…」
「それは逆に言えば外見だけなら好みの方もいるということでございますか、小鳥殿」
「…まあ。なんというか…敵意を向けられなければ無闇にドキドキする可能性も、あるんじゃないかと、思わなくはないというか」
「え、誰です?」
誰って、名前は呼べねーよ。
「僕、自分より頭一つ分背が高くて、頼れる感じの体格した人が好みなんだよね」
でかすぎるとまた何か違うんだよね。顔?うん…。
「(何か思ってたのと違う)」
「…外見の話じゃなかったのか」
「体格だって外見だろ」
「顔の好みの話ではないのでございますか」
「いや、顔は別に…生理的に受け付けない感じじゃなければどうでも」
前ドキドキした人はおっさんだったような気がするし。面食いかそうじゃないかって言われたら、多分、面食いなんだろうけど…三次元の相手をかっこいいと思ったことがないからなあ。
そもそも、私は付喪神と恋愛する気など毛頭ないが。
「この本丸にはかっこいいのも綺麗なのも揃ってるのに…」
「そもそも俺は恋愛ごっこしに来たわけじゃねーっての。体格でドキドキするのは生理現象だ」
「三日月さんとか鶴丸さんとか一兄とか」
「うん、筆頭敵対
あの人に関しては二パターン見てることになるわけだが、関わると面倒臭いタイプなのは確定だよね。流石に確認されている中で最強なだけはある。平安生まれらしいし。
「一兄かっこいいじゃないですか」
「俺、これは本当の笑顔ですよ、って顔で愛想笑いするやつって嫌いなんだよね」
愛想笑いですよって顔で愛想笑いするやつはまだいいんだが。
「えっ」
えって何だ、えって。何を呆けた顔してるんだお前。
「…アレはそういう意味か」
「思いつめている様子でございましたよね…」
何だそのバレバレなひそひそ話は。俺にフォローしろとでも?嫌だよ、面倒くさい。自分が死んだ後のことまで面倒見る気はないぜ。虎君みたいな友好的な部類ならともかく。
「――俺は一応君と敵対してるつもりはないんだが」
「だが、味方ってわけでもないだろ」
…ああ、この白い人が鶴丸か。そういえば、軽く話を聞いた覚えがあるな。…イメージが違ったから気付かなかった。
「いや、俺は君を主として認めていいんじゃないかと思っているぜ」
「えっ」
「えっ、って何だ、えって」
「…何の冗談だ」
敵意を隠している、というようには見えない。だからこそ意味がわからないし恐ろしい。何を考えているのかわからない。
「いや、素直に受け取ってくれればいいんだが」
「…なにそれこわい」
何処にそんな手のひら返すような要素があった。何もなかっただろう。俺は何もしなかったし何も起こらなかった。意味がわからない。…意味がわからない。
「だって君は、悪い奴じゃないじゃないか」
「…嘘だろう。嘘だと言ってくれ」
「嘘じゃない。今すぐ契約を結び直したっていいぞ」
「ドッキリか。ドッキリだな。そういうことだろう?」
「いくら俺でもそんな不謹慎な驚かせ方はしないぜ。そんなに警戒しなくたっていいだろう」
「…何で信じられると思うんだ」
「…まあ、そうだよなぁ」
白が寂しそうに笑う。そんな顔をさせたいわけじゃない。でも、手放しで信じられない。信じられる根拠がない。どうすれば信じられるのかがわからない。
「今更だが、一週間も時間を取る必要はなかったし、俺たちはさっさと決めるべきだった」
ああ。さっさと俺を殺すべきだった。心が決まっているのならさっさと行動に移すべきだった。
「…君はきちんと最初に誠意を示していたのにな」
こいつは、何を言っている?
「間違っていたのは俺たちだ」
「
「ぴいっ」
なにそれこわい。
意味がわからない。
「…その反応は流石に傷つくんだが…まあ、俺たちの自業自得ってやつだよなぁ」
「…鶴丸さん、本気なんですか?」
「じゃあ逆に聞くが、何故俺たちは小鳥を主だと認められないんだ?」