刀剣たちと過ごす日々   作:ペンギン隊長

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終庭軸 流石に若干記憶がバグっている 年単位で経過してるやつ


鎖された君の銀の庭3

 

その本丸に訪れたこんのすけは困惑するしかなかった。配属された審神者は成人女性のはずなのに、実際に顔を合わせたのは幼い子供にしか見えない人間だった。不正が行われたのは間違いないので、そもそもデータが虚偽なのかと思ったが、それにしても話がかみ合わない。

「鬱陶しいんだけど。今更小鳥に何を求めてるわけ?」

「審神者はいつでも人材不足なものですから、優秀な人材であれば活用しない手はないというのが政府の基本方針でして…」

「人身御供に差し出すような真似しといて、よく言うじゃん」

そうして差し出されて受け取ったのが姫鶴なわけだが。

「政府も一枚岩というわけではないので…確かに私も小鳥さまの扱いは不当だと思いますけれど、凍結本丸に監禁し続けるのはよろしくないことかと」

「小鳥が外に出たいって言ってきたことないし」

姫鶴は膝に乗せた小鳥をぎゅっと抱きしめる。

おれの(・・・)小鳥に何をさせようって?」

祟刀に凄まれ、こんのすけは怯むが、同行してきた刀は怯まなかった。

「でも、姫鶴はそのことけいやくしているわけじゃないだろう?」

「あつき…」

小豆長光。姫鶴とは旧知の仲ということで交渉役に選ばれた刀である。政府に所属しており、相応の戦闘経験を積んでいる。子供を怯えさせないようにと気さくな笑みを浮かべ、続ける。

「きみにとってそのこは、さにわではあっても、主というわけではない。おれの、というのがただしいとは、わたしはおもわないな」

「確かに主従契約は結んでないけど小鳥はおれのだし。おれが面倒見てやるって約束したし」

「それは、そのこのそんざいにかんしょうしたからかい」

「・・・」

「ひとのこのそんざいや、たましいへのかんしょうは、たとえかみであってもいたづらにおこなってはいけないことだ。…まがりなりにも、そのこのじょうたいがあんていしているのは、ここがほんまるだから、なのかな」

虚数空間内で、発生したもの、或いは変性したものが、実数空間でどうなるのかは、その自己認識にも拠る。簡単に言えば、それを仮の姿だと思っていれば元に戻るし、本当の姿だと思っていればそれが維持される。小鳥がどちらであるかは連れ出してみなければわからないが、どちらにしても別の意味で大変なことになる。

「…そうかもね。でもおれは悪いとは思ってないから。小鳥は壊れなかったし」

「こわれなければいいというものではないんだよなあ…」

その小鳥はといえば、きょとんとしている。彼らの会話を理解していないようだ。

「きみはどうおもっているんだい?」

「え、俺?…んー。家族には会いたいけど、それ以外は特には」

小豆は苦笑した。

「なにも?」

「できないことを望んでも虚しいだけでしょ」

「・・・」

姫鶴が小鳥を抱きしめる。

「おれが、お前は此処から出らんないって言ったから?」

「実際、(ゲート)は動かなかったし」

「このほんまるは、とうけつされていたからね」

姫鶴が眉尻を下げる。

「小鳥、此処にいるの嫌?」

「そんなことはないけど」

「なら、いなくならないよね?」

「こら。げんちをとろうとしない」

「いて」

小豆のデコピンが姫鶴を襲った。

「そもそも、姫鶴はなぜそのことけいやくをむすんでいないんだい。主にはしたくない、とか?」

「…いや、今更じゃん。おれも小鳥も此処から出ないなら関係なかったし」

「つまり、きみのたいまんだね」

「は?そんなことないし。…あーもう。じゃあ、小鳥はおれの嫁ね、はい決定。これで解決」

「えっ」

「てきれいきみまんにしておいて、おれのよめ、はどうかとおもうけど…」

まあ本来は結婚できる年齢ではあるのだが。

「マーキング自体はしてあるし。小鳥が受け容れたら成立するでしょ」

「………了承したらどうなるの?」

「どうもならないよ。これまで通り。お前がおれのってことが明確になるだけ」

「……じゃあいっかー」

「はい成立。で、お前らおれの嫁に何の用だって?」

「ほんまるのとうけつをとくかわりに、さにわとしてせいきのにんむをこなしてほしい…ということになるのかな。あと、姫鶴はがいねんこうそくをうけたほうがいい。じょうかはほとんどできているようだし」

「普通にやなんだけど」

「わくがいこたいは、じょうきょうによりとうばつたいしょうになるからね」

「脅すわけ?」

「うしろぐらいことはないほうがいい」

「ええ…」

「そういえば審神者って何するもんなの?」

その場の時が止まる。一番に解凍したのは勿論姫鶴だった。

「小鳥はこれまで通りでいいよ。それで回させるから」

「こんのすけ」

「はっ、はい。黒被害者用の教育カリキュラムを手配します!」

「あと、せいふのほうでいせききぼうしゃをつのるひつようがあるのだっけ」

理由は不明だが、小鳥の情報の備考欄に鍛刀禁止令のある旨がある。少なくとも理由がわからなければ取り消しの検討もできない。

「移籍?」

「解体された本丸に所属していた刀や、政府勤務から本丸勤務に移りたい刀ですね。制限等ありますので無条件に可能なわけではないのですが…」

「とりあえず、2、3ふりからのうけいれになるかな?さいだいまでかくちょうされたほんまるだから、ゲートのちょうせいをしないとけびいしにめをつけられていそうだけど…」

「まあ、正常に稼働していた頃は可能な限り攻略していたみたいだからね」

「で、姫鶴はせいふにでむくのと、じゅつしをつれてくるのと、どっちがいい?そのこのけんこうしんだんもおこなったほうがいいのだけど」

「………出向く方かな。小鳥の健康診断はちゃんとした医者にやらせて」

「それじゃあ、そのようにてはいしよう」

姫鶴は不本意そうな顔をしているが、小豆はにこにこしている。どうあれ話はまとまったのでこんのすけはほっとした顔をしている。小鳥はきょとんとしている。

 

 

 

 

 

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